イベントレポート

CEATEC 2019 Co-Creation PARKレポート

複数デバイスに同時無線給電を実現するテスラシート

Co-Creation PARKレポート #7

千葉・幕張メッセで10月15日から開催された「CEATEC 2019」。イベントの華である大規模ブースのレポートは既に多数掲載しているが、CEATECには海外出展者やスタートアップ、大学・研究機関を中心とした小規模ブースの出展エリア「Co-Creation PARK」もあり、これらの中にも注目できる展示が多い。本レポートでは、これらのブースから、筆者が注目したブースを紹介する。

 10月15日から18日まで幕張メッセで開催されていた「CEATEC 2019」において、テスラシート株式会社が同時無線給電に関する展示を行った。

 研究・開発が進む無線給電。Qiは広く普及しているが、特定の場所に設置する必要がある。テスラシートは、無線給電が可能なシートであり、移動体にも対応するものだ。また送電・受電装置の位置合わせに余裕があり、シートのどこに置いても無線給電を実現している。

 マイクロ波をシート内部に閉じ込めており、電磁波による無線給電を行なう。そのため、複数のデバイスが任意の場所に設置できるだけでなく、複数の移動体への給電も可能だ。

テスラシート。表面処理も可能
受電装置の裏面

 広域への設置は研究段階にあり、また2019年時点では複数のLEDライトを点灯できる程度だが、将来的には工場で作業ロボットへの給電、IoT機器への給電なども想定されている。現時点では、玩具やマウス実験などへの利用が提案されている段階。またケーブルフリーのテーブルも可能であり、新しい無線充電規格の候補だ。

林 佑樹

1978年岐阜県生まれ。東京在住。ITサービスやPC、スマートフォンといったコンシューマから組み込み、CPS/IoT、製造、材料、先端科学のほか、ゲームやゲーム周辺機器のライティングも行なう。それらジャンルすべてが何かしらの技術でリンクしているのが最近のお気に入り。技術などを見る基準は「効率のいいサボりにつながるか」。フォトグラファーとしては、ドラマスチルや展示会、ポートレートをこなしつつ、先端科学研究所の撮影が多い。