イベントレポート
CEATEC 2022
「デジタルツイン」やVRで社会・経済・生活を支えるソリューションを展示、CEATEC 2022富士通ブース
2022年10月20日 15:00
「CEATEC 2022」幕張メッセ会場の富士通ブースは、「社会を支える」「経済を支える」「生活を支える」の3つのゾーンに分かれて、テクノロジーやソリューションの展示を行っている。CEATEC 2022は、幕張メッセで10月18日~21日にリアル会場開催。オンライン会場は10月31日まで開催している。
英ロンドンで各種施策のCO2排出削減効果をシミュレーション
「社会を支える」ゾーンでは、社会を丸ごとデジタル化する「ソーシャルデジタルツイン」を展示。英ロンドンでの事例を紹介し、社会まるごとデジタル化することで社会課題を解決する取り組みを示した。
「デジタルツイン」は、現実世界の情報をセンサーなどで収集し、デジタル上に複製・再現することを指す。本展示では、観測データからロンドン市街のクルマや人の移動をデジタル空間上に再現し、街に入る際に課金を行うロードプライシング施策を実施した際に、CO2排出削減にどれだけの効果があるのかをシミュレーションできる。
たとえば、課金エリアを広げたり、狭めたり、あるいは複数の課金エリアを設定すると、それによって、市民の行動変容を予測。クルマの市街地への流入量、公共交通機関の利用の増減、地域ごとのCO2排出量のほか、市民の平均歩数といった健康面、目的地への平均到着時間といった利便性、平均支払金額といった経済性まで理解できる。
「コンバージングテクノロジーにより、人々の動きを高精度に予測し、デジタルに再現するとともに、人々の行動特性に基づく未来の行動や起こり得るリスクを可視化でき、それをもとに、多様な施策立案を支援することができる」という。
また、このゾーンでは、スーパーコンピュータや量子コンピューティング、AIなどをパブリッククラウド上で提供する「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」についても紹介している。
バーチャル空間で設計〜製造の工程をシミュレーション
「経済を支える」ゾーンでは、匠のものづくりと未来工場を、CPS(サイバーフィジカルシステム)で実現してみせた。バーチャル空間において、設計から製造までのプロセスを実現。VRを活用して、製品の組み立てや、保守の作業性を検証するデモストレーションを行っている。製品の組み立て教育や、設備づくりにおける早期の不具合検出も可能だ。
人間の「デジタルツイン」を健康増進にも活用
「生活を支える」ゾーンでは、人の動きを解析してQuality of Lifeの向上を目指すヒューマンデジタルツインを紹介。ブース内では、2台のカメラを設置して、ゴルフスイングの解析が行える環境を用意。骨格のデータを数値化し、スイングをデジタル上に可視化して、理想のスイングデータと比較できるようにしている。
これは、富士通が開発し、すでに実用化している「AI体操採点システム」で培ったマーカーレスモーションキャプチャーによる高精度な画像センシング技術を活用したもので、「生活における健康増進の入口として、運動の機会の創出と継続の実現を目指すこともできる」という。骨格の動きを計測できるという富士通独自の技術は、健康領域にまで応用が広がりそうだ。
また、スマホを活用した買い物体験のデモストレーションも行っている。富士通が小売業向けにデジタルシフトを支援するための「Retail as a Service(RaaS)」として提供している「FUJITSU Retail Solution Brainforce」を活用。蓄積した会員情報や購買履歴などの各種情報を活用したユニファイドコマースの事例を紹介している。
来店客はスマホのアプリを使って、商品のバーコードを読み取ると、それによって決済が済み、レジに並ぶことなく買い物ができる。買い物中には、来店客が欲しい情報やおすすめ情報、クーポンなどをリアルタイムに提供し、買い忘れがないかどうかもアドバイスしてくれるなど、買い物体験を高度化できるのが特徴だ。
また、新たな購入体験のひとつとして、スマホアプリにパーソナライズした情報を提供。小売店と消費者が常につながる提案も行っている。
このほか、ブース中央やステージでは、富士通が2021年に打ち出した事業ブランド「Fujitsu Uvance」を訴求。Fujitsu Uvanceで実現するサステナブルな世界を、社会、経済、生活の観点から紹介している。