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今年10月より「適格請求書発行事業者」の登録申請開始、知っている経理担当者は33.7%

エン・ジャパンが「インボイス制度に関する意識調査」

「あなたは2023年10月より『インボイス制度』が導入されることを知っていますか?」(pasture調べ)

 エン・ジャパン株式会社は、全国の経理・財務・会計・管理部署に属する830人を対象に実施した「インボイス制度に関する意識調査」の結果を発表した。「あなたは2023年10月より『インボイス制度』が導入されることを知っていますか?」の質問に対して「知っている」と答えたのは42.0%にとどまっている。

 インボイス(適格請求書)とは、適切な税率や消費税を記載した請求書のこと。日本では2023年10月からインボイス制度が開始されるが、それに先立って今年10月からは「適格請求書発行事業者」の登録申請が開始される。しかし、「あなたは2021年10月より適格請求書発行事業者の登録が開始されることを知っていますか?」の質問に、「知っている」は33.7%で、「知らない」が66.3%という結果だった。

「あなたは2021年10月より適格請求書発行事業者の登録が開始されることを知っていますか?」(pasture調べ)

 「あなたの会社では『インボイス制度』導入に向け、対策が必要だと思いますか?」との質問には、「必要だと思う」が18.2%、「どちらかというと必要だと思う」が24.5%、「どちらかというと必要ないと思う」が10.4%、「必要ないと思う」が6.9%で、「わからない」が40.1%にも達している。「必要だと思う」と「どちらかというと必要だと思う」を合計すると42.7%となるため、必要性を感じている担当者は半分弱だ。

「あなたの会社では『インボイス制度』導入に向け、対策が必要だと思いますか?」(pasture調べ)

 それでは、インボイス制度の導入に関して準備を進めているのは、どれほどの事業者だろうか。「あなたの会社では、『インボイス制度』に対する準備は出来ていると思いますか?」との質問には、「出来ていると思う」が5.9%、「どちらかというと出来ていると思う」が17.1%、「どちらでもない」が14.1%、「どちらかというと出来ていないと思う」が12.3%、「出来ていないと思う」が24.2%、「わからない」が26.4%だった。準備ができていると考えられる「出来ていると思う」と「どちらかというと出来ていると思う」を合わせると23.0%にとどまっている。

「あなたの会社では、『インボイス制度』に対する準備は出来ていると思いますか?」(pasture調べ)

 インボイス制度に対する準備が出来ていないと思うと回答した303人を対象とした「インボイス制度に対する準備が出来ていない理由を教えて下さい」との質問では、「『インボイス制度』が理解されていない」が55.1%、「適切な設備(システム)がわからない」が26.1%、「『インボイス制度』対応へのコストの問題」が18.2%、「スケジュール的に余裕があると考えている」が17.8%、「新型コロナの影響により、スケジュールに遅れが出ている」が9.2%、「その他」が1.7%、「わからない」が13.9%。

「インボイス制度に対する準備が出来ていない理由を教えて下さい」(pasture調べ)

 フリーランスとの取引があると回答した262人を対象とした「あなたは、『インボイス制度』導入後のフリーランスとの取引についてどのように感じますか?」との質問では、「不安を感じている」が24.0%、「どちらかというと不安を感じている」が37.0%、「どちらかというと不安を感じていない」が13.0%、「不安を感じていない」が9.5%、「わからない」が16.4%となっている。「不安を感じている」と「どちらかというと不安を感じている」を合計すると6割以上が不安を感じていることになる。

「あなたは、『インボイス制度』導入後のフリーランスとの取引についてどのように感じますか?」(pasture調べ)

 この調査結果についてエン・ジャパンの高澤真之介氏(pasture事業責任者)は、「制度自体を知らない、理解していないビジネスパーソンと、制度を理解しており導入後の業務に不安を感じているビジネスパーソンの二通りに分かれる結果となった」としている。

 なお、この調査は、エン・ジャパンが提供するフリーランスのマネジメントシステム「pasture」によるもので、6月15日~6月18日にインターネットを利用して実施された。