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若年層の5人に1人がSNSでサイバー犯罪被害を経験、約半数がパスワードを使い回す~ノートンライフロック調べ

 株式会社ノートンライフロックは10月13日、「SNSの利用実態に関する調査」の結果を発表した。20代の約8割が相手の人となりを調べる際にSNSのアカウントをチェックするなど、SNSにおける印象を重視する傾向が見られる一方で、セキュリティ上問題がある利用実態も明らかになっており、同社ではサイバー犯罪を回避するためのヒントも公開している。

 同調査は、SNSのアカウントを所有する20~69歳の1000人を対象に、8月28日~29日にオンラインで行ったもの。

20代の約8割がSNSで他者を調査、「SNSの投稿で印象が変わる」

 特定の人のことを詳しく知るために、SNSアカウントを見ることがあるかとの質問に、20代男性の76.0%、20代女性の78.0%と、20代の約8割が「ある」(「頻繁にある」「時々ある」「あまりない」の合計)と回答。。全体の平均では「ある」が59.0%で、20代が突出した傾向が見られた。

 SNSで他者を調べる頻度の高い人(上記の質問に対し「時々ある」以上の頻度として回答した人)に対し、SNSの内容を見てその人に対する印象が変わったことがあるかと尋ねた質問では、20~30代の、特に男性で「ある」の割合が高く、SNSの印象を重視する傾向が見られた。20代男性が69.2%、30代男性が66.6%、20代女性が56.2%、30代女性が59.0%という結果になった。

30代以下の2割以上がSNSのサイバー犯罪を経験、パスワード使い回しなどの実態も明らかに

 SNSのアカウントに対する不正アクセスなどのサイバー犯罪を受けた経験を尋ねたところ、20代が22.0%、30代が20.5%と、30代以下の2割以上が経験したという結果となった。サイバー犯罪の具体的な被害としては以下が挙げられる。

  • 自分のアカウントに不正アクセスを受けた
  • 自分のアカウントが乗っ取られた
  • 自分のアカウント乗っ取られたうえ、パスワードの変更、投稿、DM送信、ほかのアプリやウェブサイトへのアクセスなどの操作がされた
  • 知人のアカウントが乗っ取られ、不審な投稿やDM送信がされたのを目にした

 乗っ取られたアカウントの持ち主に対する印象について尋ねたところ、ネガティブな印象を受けると回答した人は全体で48.8%という結果になった。同社では、アカウントを乗っ取られると年代や性別に関係なく「自己管理ができていない」とネガティブな印象が持たれるとしている。

 複数のSNSやその他のサービスでアカウントのパスワードを使い回しているかと尋ねたところ、「使い回している」と答えた人は全体で39.4%と、約4割が使い回していることが明らかになった。特に、20代男性が50.0%、20代女性が49.0%、30代男性が52.0%、30代女性が44.0%と、若年層では約半数がパスワードを使い回しているとの結果になった。

 また、ログイン情報を家族・友人・恋人・同僚などと共有したことがあるかと尋ねたところ、20代男性が15.0%、女性が10.0%と、20代の1割以上が共有したと回答した。同社では、SNSアカウントのセキュリティ管理が万全ではない割合が若年層に多いことが分かるとしている。

詐欺リンクに注意を、パスワードの扱いは正しく

 同社は、調査の結果を踏まえたうえでサイバー犯罪からSNSアカウントを守るために、以下の注意を呼び掛けている。

SNSでは詐欺リンクと情報の扱いに注意

 個人情報を盗む「詐欺リンク」に注意が必要だ。知人のアカウントからも不審なリンクが送付される可能性があるため、知人からの投稿やDMであっても無条件で信用できるわけではない。

 このほか、メールアドレスなどの連絡先がアカウント上で公開設定されないようにすること、SNSアカウントをアプリなど連携する際は、情報の共有先と個人情報の扱いについての確認をする必要がある。万が一、不正アクセスを受けた際には、即座にパスワードを変更する。

パスワードは使い回し・共有は厳禁。2段階認証で不正アクセスからの防衛を

 ログイン情報を他者と共有しないことはもちろんのこと、パスワードを使い回さないことや、2段階認証などを用いたセキュリティ面での強化が必要となる。

 このほか、詐欺サイトを警告してくれるセキュリティソフトや、自動で複雑なパスワードを生成してくれるパスワード管理アプリを用いた対策も有効であるとしている。