ニュース

まぎらわしい“ボタン風広告”から意図しないサイトに誘導されサブスク契約してしまうトラブルに、国民生活センターが注意喚起

 独立行政法人国民生活センターは、ネット広告から別サイトに誘導され、意図しないサブスクリプション契約を結んでしまうトラブルの相談が多数寄せられているとして注意喚起を行った。

 国内事業者のウェブサイトを利用しているときに、「スタート」「OK」「今すぐ視聴する」などのボタンらしき画像が表示されることがある。これは、実は海外事業者による広告で、クリックすると意図せず別のウェブサイトに誘導され、よく分からないままクレジットカード情報などを入力してしまうことで、海外事業者との意図しない取引が成立する、というもの。

 同センターが紹介している相談事例には、次のようなものがある。1つは、「国内のオンラインストレージサービスの利用手続きをしたつもりが、知らない海外事業者から登録完了メールが届き、サブスク契約してしまったことに気づいた」というもの。「会員カードを更新しようと『スタート』ボタンから手続きをしたら、身に覚えのない契約内容が表示され、海外サイトに登録してしまったようだが、事業者の連絡先が分からない」というものも紹介されている。いずれも、途中で別サイトに誘導されたことに気付かないまま画面に表示された通りに操作を続けた結果、意図しない契約を結んでしまったものと見られる。

 このようなトラブルの発端となるボタンは、例えば「スタート」と、何かの手続きを始めるためのボタンであることを表す画像が使われているが、よく見るとそのウェブサイトが設けているボタンではなく、「ボタンのようなデザインのネット広告」である。似た例では、アプリをダウンロードするページに、目的のアプリをダウンロードするボタンにまぎれて「ダウンロード」という画像の広告が(場合によっては複数)表示されることもある。

 同センターでは消費者へのアドバイスとして、「スタート」などの文言が表示されていても、広告ではないかを確認するようにとしている。具体的には、画像の周辺に広告を表示する[×]などの小さなボタンが表示されている場合、それは広告だと判断できる。また、広告をクリックして表示された画面のURLが、当初利用しようとしていたウェブサイトと関連がない場合は、意図せず別サイトに誘導されたと判断できる。

 そのほか、登録完了メールが届いていないか確認すること、クレジットカードの請求をこまめに確認することも、アドバイスしている。

 こういした問題に関連して不安を感じたときには、消費者ホットライン「188(いやや!)」番や、国民生活センターのほか、海外の事業者とのトラブルに関する相談窓口である越境消費者センター(CCJ:Cross-border Consumer center Japan)へ相談するようにとしている。