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中小Slerの43%が人材不足を実感も、半数以上がリモート管理サービスを利用していない~バッファロー調査

 株式会社バッファローは9月18日、同社が実施した「中小Slerの業務負担に関する実態調査」の結果を発表した。調査対象の43%が業務量に対するネットワーク人材の不足を実感している一方、半数以上がリモート管理サービスを利用しておらず、利用しない理由として料金の高さを挙げてる意見が最も多いことが分かった。

 本調査は、IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画として、2024年7月8日~7月11日に、SIer及び、IT/OA機器(事務機器)を販売する中小企業(従業員数10名~300名未満)の経営者100名を対象に、インターネット調査にて行われたもの。

ネットワーク機器の保守・管理における、スタッフ不足という課題

 現在ネットワーク機器の保守・管理で感じている悩みをたずねた質問では、「対応できるスタッフが不足している」が39.0%、「トラブルシューティングに時間がかかる」が33.0%、「残業規制による働き方改革」が32.0%という回答となった。

Q1.あなたが現在ネットワーク機器の保守・管理で感じている悩みを教えてください(複数回答)

 会社のネットワーク機器の保守・管理担当者の人数が、業務量に対して十分だと思うかとの質問には、「あまりそう思わない」が31.0%、「全くそう思わない」が12.0%となり、43%が人材不足を感じていることが分かった。

Q2,あなたの会社のネットワーク機器の保守・管理担当者の人数は、業務量に対して十分だと思いますか

効率化が必要なのは「トラブルシューティング」や「現地駆け付け」

 続いて、最も効率化が必要な業務を問うと、「トラブルシューティング」が42.0%で最多となり、「トラブル時の現地駆け付け」が40.0%、「設定変更」が36.0%と続いた。

Q3.ネットワーク機器の保守・管理で、最も効率化が必要な業務を教えてください(複数回答)

半数以上が「リモート管理サービス」を使用していない実態

 リモート管理サービスの利用状況については、「取り組むかどうか検討中」が32.0%、「取り組みたいが何をすべきか分からない」が12.0%、「取り組む予定はない」が7.0%で、半数を超える51%がリモート管理サービスを導入していないとの結果となった。

Q4.あなたの会社は、ネットワーク機器の保守・管理において、リモート管理サービスを利用した効率化に取り組んでいますか

 前の問いで「監視・設定変更までリモートで対応している」または「監視はリモートで対応している」と回答した、リモート管理サービスを利用していいる回答者に対し、利用しているリモート管理サービスに感じている悩みはあるか質問した。すると、「コストが高い」が41.3%、「セキュリティーの懸念がある」が26.1%となった。

Q5.利用しているリモート管理サービスに感じている悩みはありますか(複数回答)

 続いて今度は、リモート管理サービスを利用していないとした回答者に対し、現地対応の工数増加により、社員の業務負担を感じた経験はあるかを質問したところ、「何度もある」が9.8%、「たまにある」が56.9%だった。

Q6.現地対応の工数増加により、社員の業務負担を感じた経験はありますか

 さらに、リモート管理サービスを利用していない理由を質問したところ、「利用料金が高い」が49.0%で最多となった。次いで「知識・スキルをもつ社員を育成する余裕がない」が29.4%、「複数ベンダーの機器を取り扱っており一元管理できない」が27.5%だった。

Q7.ネットワーク機器の保守・管理にリモート管理サービスを利用していない理由を教えてください(複数回答)

 また、リモートでネットワーク機器を管理・設定できたら業務が効率化するかたずねたところ、「非常にそう思う」が19.6%、「ややそう思う」が45.1%という結果になった。

Q8.リモートでネットワーク機器を管理・設定できたら業務が効率化すると思いますか

人材不足を実感する一方、リモート管理サービスの業務効率化に期待も

 調査結果を受け、バッファローは、日本の中小SIerが抱える人材不足と業務負担の現状が明らかになったとした。そのうえで、機器管理をクラウド化し、リモートで管理できるサービスを導入することで、担当者の業務負担を軽減でき、人材不足の課題を解消する一助になるかもしれないと提案している。