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本誌記事で振り返る2012年の“ネットと著作権”

 すでに一部が10月1日より施行されている2012年の著作権法改正では、違法ダウンロード行為に対する罰則(違法ダウンロード刑罰化)が加えられたほか、DVDに用いられる「CSS」などの暗号型技術を回避して行う複製が違法(DVDリッピング規制)となるなど、ネットユーザーに影響が及ぶ項目が含まれている。

 2012年の“ネットと著作権”という点では、交渉の段階で“骨抜き”にされたと言われる「ACTA(偽造品取引防止協定)」にとどまらず、知的財産や著作権法に大きな影響を与えるとされ、「スーパーACTA」とも言われる「TPP(環太平洋経済連携協定)」の話題も抑えておきたい。

 ここでは、2012年にINTERNET Watchに掲載した“ネットと著作権”関連の記事をリストアップした。

著作権法改正で違法DL罰則化、DVDリッピング違法化

 2012年の改正著作権法改正では、違法ダウンロード行為に対する罰則(違法ダウンロード刑罰化)が加えられたほか、DVDに用いられる「CSS」などの暗号型技術を回避して行う複製が違法(DVDリッピング規制)となった。

 違法ダウンロード刑罰化は、違法にアップロードされた有償の音楽・映像を違法と知りながらダウンロードする行為に対して、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、あるいはその双方が科せられる。

 また、DVDリッピング規制が著作権法に盛り込まれたことにより、購入・レンタルした映画などのDVDを空のDVDにコピーしたり、映像をスマートフォンやタブレット端末に取り込む行為も違法となる。ただし、罰則は設けられていない。

参議院の文教科学委員会の参考人質疑で意見を述べる津田大介氏

農業だけじゃない、著作権にも大きな影響がある「TPP」

 9月6日、「偽造品の取引の防止に関する協定(ACTA)」が国会で可決され、批准が確定した。ACTAは、海賊版や模倣品などの拡散を防止するための、知的財産権に関する効果的な執行の枠組みを定めた国際協定。

 ACTAをめぐっては、参加国間での交渉が秘密裏に行われ、内容が正確に伝わってこなかったこともあり、インターネット規制の強化につながる懸念も指摘されていた。しかし、最終的にACTAは“骨抜き”にされ、これを批准にしても日本ではそれほど大きな影響はないとみる向きもある。

 これに対して、TPPは著作権保護期間の大幅延長、被害者の告訴なく著作権・商標権侵害を起訴・処罰できるようにする「著作権の非親告罪化」、知的財産権侵害の際に高額の賠償請求を可能にする「法定賠償金・3倍額賠償金制度」など、著作権分野に大きな影響を与える項目が含まれるとされている。

 日本が参加した場合に秘密協議で進められるTPPについて、「TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム」は交渉の公開化を政府に要請するとともに、これが受け入れられない場合は、知的財産関連の条項をTPPの対象から除くことを参加条件にするよう、政府に求める動きを見せている。

ACTAの審議が行われた衆議院外務委員会

自炊裁判は作家・出版社の実質勝訴に

 東野圭吾氏や弘兼憲史氏ら作家・漫画家7人が2011年12月、裁断機やスキャナーを用いて書籍を電子化する、いわゆる“自炊”の代行業者2社を相手取って、スキャン行為の差し止めを求める訴えを東京地方裁判所に提起した。その後、2社は廃業し、原告側の実質勝訴となった。2012年11月には別の自炊代行業者7社を相手取り、自炊代行の差し止めと損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に提起した。

(編集部)