ゲームでWi-Fi 6!
第5回
安くなった2.5GbEの有線LAN! 高速ネットとWi-Fi 6に効くルーターのポイントは?
ゲーム向けのポート開放機能なども便利に搭載
2021年4月16日 10:00
光ファイバーによるインターネット回線はどんどん進化していて、従来の1Gbpsを上回る、10Gbpsや5Gbpsといった超高速回線が毎月500~1000円程度の追加料金で使えるようになってきた。
そして、これを生かせる2.5GbE対応有線LANを備えたWi-FiルーターやUSBアダプターも低価格化していて、例えば後者は4000円台から購入できる。
そこで今回は、こうした高速ネット回線を生かせるWi-Fiルーターのポイントについて、ゲーマー視点でお伝えしてみたい。例として挙げるのは、2.5GbE対応の有線ポートを搭載しながら3万円を切るWi-Fi 6ルーターであるASUS「RT-AX86U」だ。
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2.5GbE対応Wi-Fiルーターは3万円以下、USB LANアダプターなら4千円台!最大10/5Gbpsの高速ネット回線も身近な存在に
2.5GbEの有線LANポートを搭載するWi-Fiルーターは、少し前まで市場に存在しておらず、有線LANはギガビットまでが現実解だった。これはUSB接続のLANアダプターやデスクトップPC向けのLANカード、さらに、LANに欠かせないスイッチも同様で、有線LANは長らく高速化されていなかったと言える。
例えば、RT-AX86Uは2.5GbEの有線LANポートに加え、Wi-Fi 6を搭載しながら3万円を切る価格で購入できるし、2.5GbE対応のUSB接続のLANアダプターは4000円台で、5ポートタイプのスイッチは1万円台で販売されるなど、安価に入手可能となってきた。
光回線のインターネット接続サービスに目を移しても、少し前まで最大1Gbpsのものが同様に主流だった。それがこの数年、5Gbpsや10Gbpsに対応する「auひかり ホーム10ギガ/5ギガ」や「フレッツ 光クロス」といった接続サービスが登場し、従来サービスに月額料金を少し上乗せするだけで利用できる。
こうしたインターネット接続サービスは、ベストエフォートでの提供となるため最大通信速度は10Gbpsに届かない場合も多い。2.5GE LANは実測でもほぼ理論値に近い値が望めるため、十分恩恵を得ることができる。
実効でも1Gbpsを超えるWi-Fi 6の存在も後押しに
そして、2.5GbEをおすすめしたいもう1つの理由が、Wi-Fi 6の存在だ。Wi-Fi 6に対応する多くのスマートフォンやプレイステーション 5(PS5)では最大1201Mbpsとなるが、PCは最大2402Mbpsで通信できるものがほとんどだ。
実際の通信速度は、よくて最大速度から2~3割程度落ちるとしても、PCであれば軽く1Gbpsを超える通信ができる。そうなると、1Gbpsの有線LANでは力不足。ここが2.5Gbpsになれば、複数の機器から同時に大容量ダウンロードをかけたりしない限り、問題ない範囲で対応できる。
RT-AX86Uの2.5GbE対応有線LANポートは、WANだけでなくLANポートとしても使用できる。2.5Gbpsの有線LAN接続に対応したNASやPCがあれば、Wi-Fi 6で接続した端末との間で1Gbps超の通信が可能だ。インターネット回線は1Gbpsで十分でも、家庭内LANの通信速度は上げたいという人も有効活用できる。
「ゲーミングルーター」なら、ゲーマー向け機能もアリ
今回、例に挙げている「RT-AX86U」は、「ゲーミングルーター」として展開されているもの。ほかにも2.5GbEに対応する製品はあるが、「ゲーミング」にフォーカスした独自の機能を備えているのが特長だ。機動戦士ガンダムとのコラボデザインを採用したモデルも用意されている。
ゲーミング機能の中でも「OpenNAT」と呼ばれる機能では、遊びたいゲームのタイトルと使用する端末を指定するだけで、そのゲームに必要なポートを開放してくれる。設定画面には対応するゲームがリストアップされており、PC向けのゲームだけでなく、PS5やNintendo Switch、Xbox Series Xといった最新ゲーム機のタイトルにも対応している。
通常であれば、ゲームごとにどのポートを開放するのかを調べる必要があるので、その手間が不要なのはとてもありがたい。もちろん手動でポート番号やIPアドレスを指定する従来の方法も使えるので、リストにないような古いゲームを遊ぶ際にも安心だ。
また、ゲームなどの特定の通信を優先させる「Adaptive QoS」や、モバイルゲームの通信を最適化する「モバイルゲームモード」、NVIDIA shield TVなどの対応デバイスで利用できるモード「Geforce NOW QoS」に対応している。このほか、4つある1000BASE-Tの有線LANポートのうち1つが、接続した機器の通信を優先する「GAMING PORT」となっている。
基本スペックも、Wi-Fi 6で最大4804Mbpsと高速な上、ゲーム以外の用途にも問題なく対応できるわけだ。
2.5GbEに対応するWi-Fi 6ルーターは、こんな人におすすめ!
最後に、2.5GbEの有線LANポートを搭載したWi-Fiルーターをおすすめしたい人を「ゲーム」という視点でまとめておこう。
- 1Gbps超のインターネット回線を使用している、あるいは興味がある
- 2.5GbEの有線LANに対応したNASやPCがある
- オンラインゲームを普段からプレーしている
より高速なネット回線を使いたい人は、最大で2.5Gbpsとはなるが、比較的安価に環境をグレードアップできる。Wi-Fi 6で最大2402Mbpsの通信に対応したPCなら、1Gbps以上のインターネット通信が可能だ。
また、2.5GbE LANが利用できるPCやNASがあれば、大容量のファイルをネットワーク経由で転送する際に、待ち時間を半分くらいに短縮できる。
高速ネット回線とWi-Fi 6対応ルーター、2.5Gbpsの有線LANの3つは、現状ではコストパフォーマンスに優れた、相性のいい組み合わせだ。
さらに、各種ゲーミング機能により、リアルタイム性が求められるオンラインゲームの通信を安定させる効果が期待できる。特にゲーム端末以外の通信機器が多い家庭では有効だ。
最後に、機動戦士ガンダム、なかでも特にジオン軍のファンの方に、Wi-Fiルーターでは希少なアニメコラボモデルである「RT-AX86U ZAKU II EDITION」をおすすめしたい。
シャア専用ザクII(通称シャアザク)をイメージしたデザインで、これを見たファンは「通常版より3倍速いんだな?」と言うだろうが、性能は通常版と同じだ。
(制作協力:ASUS JAPAN株式会社)