ゲームでWi-Fi 6!
第2回
Wi-Fi 6ルーター選び4つのポイント! PS5もスマホもPCも快適に
2021年3月26日 10:00
最近はスマートフォンの通信料金が劇的に下がりつつあり、光ファイバーなどの固定回線がない家もあるだろう。接続の便利さから、モバイルWi-Fiを使っている人もいるかもしれない。
ゲーム用途では、ミリ秒単位の高速通信が求められたり、数十GBという大容量のダウンロードが必要なこともある。やはり固定回線に接続したWi-Fi環境が有利だ。
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機器の側では、最新のWi-Fi 6に対応したスマートフォンやPCが増えてきた。プレイステーション 5が対応したことで、気になっている人も多いだろう。
そうなれば、次はWi-Fi 6に対応したルーターも導入したくなる。ところがWi-Fi 6と一口に言っても、既に製品は数多く販売されていて、その価格も数千円から数万円と幅広い。
数あるWi-Fiルーターの性能(と価格)の最も大きな違いは、最大速度と接続台数にある。そこで今回は、ルーター選びのポイントを簡単に説明していきたい。
1.「速度」手持ちのWi-Fi子機の速度をチェック
現在発売されているWi-Fi 6対応ルーターの最大速度は、メーカーによって若干表記が異なる場合もあるが、1201Mbps、2402Mbps、4804Mbpsのおおむね3通りとなっている。
Wi-Fi子機の側にも同様に、1201Mbpsか2402Mbpsの最大速度が設定されている。実際の最大通信速度は、親機であるルーターと子機のうち、高い方の最大速度に合わせられる。
つまり、子機が最大2402Mbpsなのにルーターが最大1201Mbpsなら、最大速度は1201Mbpsとなってしまう。逆に言えば、子機が最大1201Mbpsなら、ルーターの速度も最大1201Mbpsで事足りるわけだ。
「最大1201MbpsのWi-Fi 6対応スマートフォンを手に入れたので、ゲームを快適にするためルーターを買い換えたい」というだけなら、最大1201Mbpsのルーターを買えばいい(現状、Wi-Fi 6対応のルーターは全て1201Mbps以上)。しかし「最大2402MbpsのPCもある」のなら、最大2402Mbpsのルーターを選んだ方がいいだろう。
このため、まずは自分が持っているWi-Fi 6対応機器の最大速度を確認するのが大切だ。「調べるのが面倒なので、将来性も加味して4804Mbpsのルーターを買ってしまえ」という乱暴な選択肢もあり得るが、その分、価格も上がることになる。
2.「接続台数」ゲーマーならトライバンドにも注目
接続台数は、文字通りWi-Fiルーターに接続する子機の台数。Wi-Fi 6のMU-MIMOでは、Wi-Fi 5の2倍となる最大8台までの同時通信に対応できる。
8台を超える状況は少ないと思うかもしれないが、スマートフォンやPC、ゲーム機に加え、スマートデバイスやIoT機器など、Wi-Fi機器は意外と身の回りに増えてきている。特に家族が多い環境ならなおさらだ。それらの機器がWi-Fi 6になるだけで、通信はぐっとスムーズになる。
では、8台までなら大丈夫かというと、そうとも言い切れない。8台以上がいっせいに通信することは稀だとしても、Wi-Fiは限られた通信帯域を分け合う仕組みなので、同時通信数が増えることで1台当たりの通信速度が落ちるのは確かだ。
さらに、昨今はスマートフォンでもeスポーツやオンラインゲームが盛んになってきており、数ミリ秒の遅延さえ許容したくないシビアなゲーマーなら、通信まわりで余計な不安を抱きたくはないだろう。
ここでゲーマーならではの考え方として、トライバンドのルーターを選ぶという選択肢がある。一般的なWi-Fiルーターは、5GHz帯と2.4GHz帯という2つのバンド(周波数帯)で通信するデュアルバンド仕様だが、ハイエンドに近い製品には、5GHz帯を2系統使えるトライバンド仕様のものがある。
シビアな通信を必要とするゲーム機やスマートフォンを5GHz帯の一方に接続するようにし、そのほかの機器は別のバンドに接続するよう設定しておく。すると、家族やスマートデバイスなどがWi-Fiを使用しても、ゲーム用のバンドは空いた状態が確保され、余裕のある通信を維持できるのだ。
トライバンド対応製品は価格が高めになるが、高価な製品は処理能力が高いものも多く、これもゲーマーにはポジティブな要素だ。最高の無線ゲーミング環境を整えたい人には注目すべき機能と言える。
3.「通信範囲」を広げる本命はメッシュWi-Fi
最大速度と接続台数のほかに、通信範囲も注目したいポイントの1つだ。部屋がいくつもある大きな家では、Wi-Fiルーターから遠くなる場所で通信速度が下がったり、通信が切れてしまうことがある。最近のWi-Fiルーターは通信範囲も広くなっているが、限界はある。
遠くの部屋まで電波を届けたい時には、中継機やメッシュWi-Fiを導入するのがいい。中継機は既存のWi-Fi機器の電波を受け、そこからさらに通信範囲を広げるもので、安価に導入できる。
一方のメッシュWi-Fiは、Wi-Fiの電波を中継して通信範囲を広げるという点では中継機と同じだが、複数台を連携させて使うのが前提だ。
1台単位で導入できる中継機に比べて、複数台で導入するメッシュWi-Fiは価格が高くなるものの、設定が簡単で、機器を追加していけば通信範囲を広げていけるのも強みだ。
ASUSの製品は一部を除き独自のメッシュWi-Fi機能「AiMesh」に対応しているのが大きなメリット。手持ちのWi-Fi 5ルーターが対応していれば、Wi-Fi 6ルーターを追加してメッシュWi-Fiを構成することも可能だ。
4.「ゲーミング機能」などにも要注目
このほか、ゲーミング向けの特別な機能を搭載した製品もある。ゲームの通信を、ほかの通信より優先して快適な状態を保つものや、特定の有線ポートからの通信を優先するものなど、ゲーム中の通信をより快適にする仕掛けがある。特にほかのWi-Fi子機が多い環境で、高い効果を発揮するだろう。
Wi-Fiルーター選びは、自分に何が必要か把握するのが大切
ここまでに、速度、接続台数、通信範囲、ゲーミング機能の4つのポイントを挙げてきた。この全てを満たす製品も存在するが、いかんせん高価だ。そこで、まずは本稿の内容を参考に、自分がWi-Fiを使う環境では、自分に必要な機能が何か、どの項目を優先すべきなのかを把握しておくことをおすすめする。
本連載では今後、ASUS製のWi-Fiルーターを例に、どういった人にどんな製品が適しているのかを、より詳しく説明していきたい。
(制作協力:ASUS JAPAN株式会社)