ゲームでWi-Fi 6!

第4回

ゲームの通信を安定化! Wi-Fiルーターの「ゲーミング機能」とは? 有線でも無線でも利用可能

 オンラインゲームを楽しむゲーマーにとって、インターネット接続に求めるべきことは何だろうか。

 高速な通信、との答えが多いだろうが、筆者の持論では通信速度の重要性は上から3番目。たとえダウンロード速度が数百Mbpsと高速でも、細かい時間で区切ってみると通信速度が上下していたり、時々途切れたりと不安定なこともある。

最大4804MbpsのASUS製Wi-Fi 6ルーター「RT-AX82U GUNDAM EDITION」(左)と、最大2402Mbpsの「TUF-AX3000」(右)

ゲーマーに必要なのは低遅延で安定した回線

 筆者がインターネット接続で重視すべきと考えるのは、低遅延で安定した通信だ。

 オンラインゲームでは、自分とほかのプレーヤー(あるいはサーバー)の間で、情報を常にやり取りしている。通信が送られて自分に届くまでの時間が長くなれば、その分だけ相手の操作を認識するのが遅れる。その通信が途中で途切れたりすれば、操作の情報そのものが届かない。

 オンラインゲームのプレー中にやり取りされるデータ量は、実はそれほど多くない。そのため通信速度は遅くとも、遅延が少なく安定している方が、ゲームは快適になる。もちろん高速回線ならゲームのダウンロードが速く終わるので意味はあるが、ゲーマーとしての重要度は落ちるというわけだ。

 低遅延で安定した通信にはインターネット回線の品質も重要だが、家庭内のネットワーク環境も大きく影響する。家族が大容量ファイルのダウンロードや動画の視聴をすれば、その分だけゲームに使える通信帯域は減り、不安定になっていく。たとえ1人暮らしであっても、PCやゲーム機のアップデートなど、意図しないタイミングで通信が使われることも少なくない。

 そこで役立つのが、ゲーミング機能を搭載したWi-Fiルーターだ。多くの通信が同時にわれる環境でもゲームの通信を優先させ、安定した通信を維持する機能が用意されている。

有線・無線どちらでも! ゲームの通信を優先させる独自機能

 今回はASUSから発売されている「RT-AX82U」を例に紹介していこう。Wi-Fi 6に対応し、最大4804Mbpsの製品だ。Wi-Fiルーターとしての性能はそのままに、独自のカラーリングとした機動戦士ガンダムとのコラボモデル「RT-AX82U GUNDAM EDITION」もラインアップされている。

 有線接続については、4つの有線LANポートのうち1つに「GAMING PORT(ゲーミングポート)」と書かれている。このLANポートに接続された機器からのゲーム関連の通信は、他のポートに接続された機器の通信よりも優先される。

RT-AX82U GUNDAM EDITIONの有線LANポートのうち、1つは「GAMING PORT」になっている

 リアルタイム性の高いオンラインゲームを遊ぶゲーム機やPCを「GAMING PORT」に接続しておけば、ほかの通信機器で大容量のダウンロードが発生しても、ゲームの通信状況の悪化を防げる。ただつなぐだけでいいというシンプルな仕組みで、分かりやすいのも魅力だ。

 有線接続用のゲーミングLANポートは、ASUS製品では、「TUF-AX3000」などにも搭載されている。こちらはWi-Fiの最大通信速度が2402Mbpsである反面、やや安価な製品だ。

比較的安価なTUF-AX3000。
TUF-AX3000も「GAMING PORT」を装備する

 Wi-Fi接続では、スマートフォンなどでゲームの通信を優先させる「モバイルゲームモード」を搭載している。使い方は、専用の「ASUS Router」アプリにあるゲーミング設定の「モバイルゲームモード」をオンにするだけ。通信の遅延時間を示すPING値を改善するという。

 また、多くのASUS製Wi-Fiルーターに搭載されている「Adaptive QoS」は、指定したジャンルの通信を優先するという機能だ。ゲームやストリーミング、テレワークなどの項目別に、通信を優先したい順に並べて設定する。ゲームを最優先したいのであれば、ゲーミングの項目を一番上に設定する、という具合だ。

 PCのように有線接続できる機器はGAMING PORTを活用できるが、Wi-Fiでしか接続できないスマートフォンなどでは、こういった機能をうまく活用してゲームの通信を安定させたい。

「ASUS Router」アプリから使える「モバイルゲームモード」
優先する通信を選べる「Adaptive QoS」。ゲーミングを一番上にしてゲームの通信を最優先に設定

ゲーミング機能搭載のWi-Fiルーターは、こんな人におすすめ

 最後に、RT-AX82Uのようなゲーミング向け機能を搭載したWi-Fi 6対応ルーターをおすすめしたい人をまとめておこう。

  • オンラインゲームを普段からプレーしている
  • ゲームを遊ぶ機器以外にも通信機器が多い
  • Wi-Fi 6対応スマートフォンを手に入れた

 Wi-Fiルーターが持つゲーミング機能を使うメリットは、リアルタイム性が求められるオンラインゲームの通信を安定させることにある。大容量ゲームのダウンロードの高速化にも貢献するはずだが、さほど大きな恩恵はないと思っておいた方がいい。

 PCやスマートフォンなど多数の通信機器がある環境では、いつどのような通信が発生するかが分かりにくい。家族などほかの利用者がいる環境ならなおさらだ。オンラインゲーム中、予期せぬ多量の通信が発生してプレーに支障が出た経験があるなら、導入する価値がある。

 スマートフォンでオンラインゲームをプレーしているなら、Wi-Fi 6にするだけで最大通信速度が高まることに加え、複数端末からの同時通信にも強くなる。ゲーミング機能との相乗効果で、通信状況の改善が期待できる。

 最大4804Mbpsと高性能なRT-AX82Uは価格も高めだが、比較的安価なTUF-AX3000のような製品もある。機種によって性能や機能は異なるので、必要な機能を搭載したものを探して見て欲しい。

機動戦士ガンダムとのコラボモデルであるRT-AX82U GUNDAM EDITIONは、デザインも秀逸

 このほか、「RT-AX82U GUNDAM EDITION」は機動戦士ガンダムのファンにもおすすめしたい。アニメとコラボのWi-Fiルーターは非常に珍しく、デザインの面からも価値ある製品だ。

(制作協力:ASUS JAPAN株式会社)

石田 賀津男

ゲームなどのエンターテイメントと、PC・ネットワークなどのIT系の両方にまたがる分野を得意とするフリージャーナリスト。元GAME Watch記者で、2012年に独立。2016年より男児の育児にも奮闘中。個人ウェブサイト「ougi.net(https://ougi.net/)」