パソコン処分ガイド

パソコンのデータはどう消去すべきか?

「不要なパソコンはどう処分する?」

 古くなったり、故障したりして不要になったパソコンはどう処分したらいいのでしょうか?

 不要なら捨てればいいのですが、パソコンは2003年に改正された「資源の有効な利用の促進に関する法律」、通称「パソコンリサイクル法」により、リサイクルが義務付けられています。そのため、自治体では不燃ゴミとして回収してもらえません。

 しかし、パソコンならではの処分方法を含め、処分の方法は複数あります。Windows 7のサポートが切れる昨今、不要になるパソコンも多いはず。手間や費用を含め、自分に合った方法を見つけて適切に処分してください。

特殊なソフトでデータを完全に消去する

 不要になったパソコンを処分するにあたり、最も注意しなければならないのがハードディスクなどのストレージの取り扱いです。

 データを消去しないまま他人の手に渡ってしまえば、ストレージに残された全てのデータが他人に知られてしまいます。クレジットカードやオンラインバンキングの情報が悪意ある他人に渡ったら大事です。

 ストレージのデータは、Windowsで言うところの「ごみ箱」に入れても消えておらず、簡単に元に戻せます。さらには「ごみ箱を空にする」を実行しても、その上でストレージをフォーマットしても、データが復元されてしまう可能性があります。

 データを完全に消去するには、特殊なソフトを使って処理する必要があります。「ディスク消去ユーティリティ」というフリーソフトでは、米国家安全保障局(NSA)推奨方式を含むいくつかのパターンで、ストレージ内のデータを復元できないように消去します。

ディスク消去ユーティリティ

 パソコンが他人の手に渡る可能性がある際には、こういったソフトを使ってデータ消去をしておけば安心です。無料でできる上に効果は高いですが、消去方法やストレージの容量によっては、処理が完了するのに数時間から数十時間かかる場合もあります。

ストレージデバイスの物理的破壊がより安全

 データ消去ソフトによる処理よりも安全と言われているのは、ストレージデバイスの物理的な破壊です。ハードディスクに穴を空け、使用不能にしてしまう専用の機械があります。

 1台数十万円程度と個人で購入するには高価ですが、「ビックカメラ」グループの一部店舗では、この機械を使って、持ち込んだ本人の目の前でハードディスクを破壊してくれる有料サービスを提供しています。

ビックカメラ

 またパソコン無料回収業者の「パソコンファーム」では、有料で出張データ消去や出張物理破壊サービスも提供しています。

 パソコンの処分にあたり、データ漏洩に対して100%の安心を買いたいという人は、こういったサービスの利用も検討してみるといいでしょう。

パソコンファーム

石田 賀津男