明日からテレワーク! 最低限チェックしたいNAS&ルーター安心・便利設定
ルーター編 第4回
「無料でつながるWi-Fiは?」から自宅のWi-Fiを守るには
2020年5月19日 11:02
Wi-Fiにつなぐのにパスワードなんて必要なの? もしかすると、そう思っている人も少なくないかもしれません。
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最近はスマートフォンで駅などのWi-Fiに接続するときも、何も設定せずに自動的につながります。
実際にはSIMカードに登録されている情報を使ってパスワードが自動的にやり取りされていたり、アプリが接続を制御したりしているのですが、Wi-Fiの設定や接続が省かれて便利になってきた反面、Wi-Fiの接続パスワードを意識する機会が減ってきました。
しかし、テレワークで自宅のWi-Fiから、クラウドサービスやオフィスに接続することを考えると、自宅Wi-Fiの接続パスワードはとても重要です。
そもそもパスワードが設定されていなかったり、「12345678」など誰でも想像できる簡単なパスワードが設定されていると、第三者がWi-Fiに勝手に接続できてしまいます。
特に、テレワークや遠隔授業が急速に増えてきた現状では、周辺で「無料でつながるWi-Fiはないか?」と、パスワードなしでつながるWi-Fiを探している人も少なくありません。
思った以上に自宅のWi-Fiの電波は周囲に伝わっているので、複雑なパスワードを設定して、しっかりと保護しておきましょう。
Wi-Fi接続時の認証と暗号化の方式をチェック
まずは、Wi-Fi接続時の認証と暗号化の方式をチェックしてみましょう。
Wi-Fiの接続において、認証と暗号化を行うための方式が、それぞれいくつか用意されています。「暗号化なし」は、誰でもつなげられる危険な状態ですが、古い規格である「WEP」が設定されている場合も要注意です。簡単なツールを使うだけで、すぐに通信内容を解読することができるので、今すぐWPA2以上に変更しておきましょう。
認証方式 | 指針 | 対処方法 |
暗号化なし | 危険 | 今すぐ変更 |
WEP | 危険 | 今すぐ変更 |
WPA | 古い | できればWPA2に |
WPA2 | 主流 | ひとまず安心 |
WPA3 | 次世代 | より安全 |
なお、機種によっては認証方式と暗号化を別々に設定できる機種もあります。認証方式でWPAを選んだときには、暗号化の方式としてTKIP(Temporal Key Integrity Protocol)を選ぶこともできますが、基本的にはWPA2とAESの組み合わせを選ぶといいでしょう。
- TKIP パスワードを定期的に変更する(WPA用設定)
- AES 強固な暗号化方式を使う
Wi-Fi接続時の暗号化方式
このほか、法人向け製品やコンシューマー向けモデルでもハイエンドの機種では、「WPA2 Enterprise」の認証方式を選択できる場合があります。
これは、ユーザー名とパスワードで認証する方式です。別途、RADIUSサーバーなどの認証サーバーが必要ですが、オフィスでWi-Fiを使うなら、この方式でWi-Fiを運用することも検討しましょう。
パスワードを変更
認証と暗号化の方式を設定できたら、続いて肝心のパスワードを変更します。
機種によって「暗号化パスワード」や「WPA-PSK(事前共有キー)」など、呼び方はいろいろありますが、肝心なのは複雑な値を設定しておくことです。
「abcdefg」「12345678」など簡単なものが設定されている場合は、複雑なものへ変更しておきましょう。
なお、最新の機種では、工場出荷時設定でランダムに生成された複雑な値が設定済みとなっていることがあります。この場合は、この値を無理に変える必要はありません。
ただし、この値は、本体ラベルなどにも記載されているので、店舗など、第三者が出入り自由な場所に設置してあるアクセスポイントの場合は、必ず変更しておきましょう。
不要なゲストネットワークや複数SSIDはオフに
Wi-Fi設定で、ついつい忘れがちなのが、複数あるSSIDやゲストネットワークの存在です。
機種によっては、出荷時設定でWPA用とWEP用や、WPA2用とWPA3用など、複数のSSIDが設定されている場合もあります。
こうしたSSIDは、互換性を確保するのには便利ですが、暗号化方式やパスワードの設定を忘れがちなので、使わないのであればオフにしておくことをお勧めします。
自宅待機、いわゆる“ステイホーム”が求められる現状では、自宅に友人や子どもの友だちがやってきくることもあまりないはずです。自宅Wi-Fiにつなぐのは家族だけなので、ゲスト用ネットワークが活躍するシーンは少ないと思われるため、オフにしておいても問題ないでしょう。