“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ

構築編 第8回

【Q】無線のWi-Fiと有線LANのどちらでネットワークにつなぐべき?

【A】最新規格のWi-Fiなら、インターネットを快適に利用できる

 従来は、利便性を重視するならケーブル不要な無線のWi-Fi、速度を求めるなら有線LANを選択することが一般的でした。しかし、Wi-Fiが高速化した昨今では、状況が大きく変わりつつあります。

 例えば、第6世代にあたる最新のWi-Fi規格「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」では、規格上の最大転送速度は約9.6Gbpsで、有線LANで普及しつつある10GBASE-Tの10Gbpsと、ほぼ同等の通信速度を実現しています。

 約9.6Gbpsというのは、もちろん理論上の数値で、現在販売されているWi-Fiアクセスポイントの最大通信速度は半分の約4.8Gbpsです。また、子機1台との通信速度を見ると、最大でも約2.4Gbpsです。

 なお、1つ前の「Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)」の規格上の最大通信速度は約6.9Gbpsですが、現在販売されているルーターなどの製品は2533Mbps、子機の通信では866Mbpsが最大通信速度です。

 Wi-Fi 6、あるいはWi-Fi 5で通信を行うには、親機側となるWi-Fiアクセスポイントと、PCやスマートフォンといった子機側が、それぞれの規格に対応している必要があります。さらに言えばWi-Fiの通信速度は、電波状況などによっても変わってきます。

Wi-Fi 6対応ルーターであるバッファロー「WXR-6000AX12S」。Wi-Fi 6対応のPCやスマートフォンで、古いWi-Fiルーターを使っているなら、買い換えれば通信速度を大幅に向上できる可能性がある

 それでも、インターネットへのアクセスが主な用途であれば、Wi-Fiがボトルネックになることは少ないはずです。Wi-Fi 6や5の環境がすでに整備されているなら、Wi-Fiと有線LANの両方に対応しているPCであっても、基本的にはWi-Fiでネットワークにつなげばいいでしょう。

連載『“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ』について

スマホをWi-Fiに接続する方法は? Wi-Fiがつながらない原因と解消法は? Wi-Fiルーターの選び方は? この連載では、これからWi-Fiを導入する人や、Wi-Fiを導入しているがトラブルを抱えている人に向けて「Wi-Fiの基本」や「トラブル解消のテクニック」をQ&A形式で解説していきます。