ミリ波で危険物を可視化、CEATEC AWARD 総務大臣賞受賞の東芝「空間セキュリティマネジメントソリューション」

東芝のブース

　10月17日～20日に幕張メッセで「CEATEC 2023」が開催中だ。その中の東芝ブースでは、安心安全なインフラ構築やカーボンニュートラル実現にむけたソリューションを展示している、中でも注目なのが、CEATEC AWARD 2023の総務大臣賞を受賞した「空間セキュリティマネジメントソリューション」だ。

　その、空間セキュリティマネジメントソリューションの中核を担うのが、同社のミリ波レーダーを活用したウォークスルー型危険物検知装置だ。これは、ミリ波レーダーの照射によって、衣服の下やカバンの中に隠された拳銃などの危険物を、1秒以下で可視化し検知するというもの。

会場のデモ展示。服の下に拳銃を隠し持っているというシチュエーションで、ミリ波レーダーによって拳銃の形が可視化

危険物を検知するとともにカメラで人相を撮影。この画像を各監視カメラソリューションと組み合わせれば、その後の行動を追うといったこともできる

　現在、空港保安検査所などで使われるマイクロ波レーダーを使った検査では、測定に約3～5秒必要なため、立ち止まっての検査が必要だったが、1秒で検知できるこの装置では、ウォークスルーでの運用が可能。駅やショッピングセンター、イベント会場などでの利用が期待できるという。

　センサーはモジュール化されており、複数を組み合わせて利用できる。高さや向きを変えて組み合わせることで、頭から足下、さらに正面、背面の検知も可能。また、X線などと違って人体への影響もない。

モジュール化されたイメージングセンサー。大きい方は形まで認識できる

　金属探知機では検知できないセラミック包丁も検知できる。加えて可燃性の液体なども判別できるため、形状では判断できない爆弾やガソリンといったものも検知可能だという。

金属以外も検知可能。また、反射率の差から水と可燃性の液体を区別できる

ミリ波の技術は車載用レーダーによるもの

　自作の銃器を使うなどの凶悪な犯行なども起きている昨今、ショッピングモールやイベント会場など、多くの人が集まる場所でのセキュリティ担保の一役を担うソリューションとなりそうだ。イベント運営を行うような人は、足を運んで確認してみてはいかがだろう。

モジュール化と運用のOPEN化で低コストを実現するという