インタビュー

「もう、トイレはあふれさせない!」 LIXILがCEATECで見せる「住宅のスマート化」と「公衆トイレの自動設計」、そして「トイレのクラウド」とは?

「今の玄関ドア」がそのままネットにつながる「FamiLock Link」で家のさらなるスマート化も……

LIXILの実験住宅「みらいえらぼ」。同社のスマートホームシステム「Life Assist2」を中心に、様々なIoT機器が設置されている。これらが連携できるのが「Life Assist2」の特徴だ。

 株式会社LIXIL(リクシル)は今年もCEATECに出展する。

 2017年以来、毎年出展し「スマート宅配ポスト」や「泡シャワー『KINUAMI』」など様々な話題を提供してきた同社だが、Society5.0の実現に向け、より便利で快適な生活を提供し、共創活動をさらに加速していきたいという狙いがあるという。

 今年の展示は大きく3つ。スマートホーム化を促進する取り組み(新製品展示含む)を1つと、とかく問題がクローズアップされがちな公衆トイレの課題を解決するサービス2つだ。CEATEC会場での展示では、これらを実際に体験できるなど、今年も興味深いものになっているようだ。
 そこで今回は同社の担当者に、出展内容のポイントなどをお伺いした。

 お話を伺ったのは、「Life Assist2」を担当するデバイス事業部IoT事業推進室室長の倉林慶太氏、A-SPECプロジェクト リーダー小松紀明氏、トイレクラウド プロダクトオーナーの小川祥司氏、さらに、CEATECの展示を統括するビジネスイノベーション部の高橋亮氏だ。

出展内容のメインは「スマートホーム」と「パブリックトイレ」

 最初に、出展内容の概要を説明しておこう。

今ある玄関ドアや電池錠を「スマート化」する「FamiLock Link」

 まず、住宅のスマート化を促進するのが、既設の玄関ドアをスマート化する新製品「FamiLock Link」。

既存の玄関ドアをスマート化できる「FamiLock Link」デバイス
Life Assist2の構成イメージ。様々なデバイスが接続できるのがポイントだ。

 これは、スマートホームシステム「Life Assist2」の一環をなす製品で、スマート化されていない、シンプルなカードキータイプなどの玄関ドアを後付けでスマート化できるもの。

 玄関ドアをスマート化することで、リモートでカギの施錠解錠や状態確認などができるほか、他の「Life Assist2」製品との連携もできるようになり、家全体のスマート化が進む、というコンセプトだ。

公衆トイレの混雑を無くし、快適な環境を目指す「A-SPEC」「Toilet Cloud」

 また、公衆トイレに関する展示は、最適設計が無料でできる建築設計支援サービス「A-SPEC」と、トイレの管理サービス「LIXIL Toilet Cloud」だ。

 これらは、事業者にとって「トイレ利用の最適化や省力化」というメリットがあり、利用者にとっても「より快適にトイレが利用」というメリットがある。

トイレの設計サービス「A-SPEC」

 トイレ設計の「A-SPEC」は、「バリアフリーや着替え台など、設備の増加で複雑化、“車椅子が入れるはずなのに、使いにくい”といったことが起きてしまうトイレ設計の悩みを解消する」というシステム。

 これまでは、個室内の器具配置とパーツリストの自動作成が可能だったが、今回はAI自動設計の範囲を大きく拡張、複数の器具を備えたパブリックトイレ空間全体のレイアウトや、混雑予測をシミュレーション、「一番混まないパブリックトイレ」を自動設計できるようになったという。

 また、「LIXIL Toilet Cloud」は、自社開発AIが利用状況をモニタリング、清掃タイミングを最適化してトータルで清掃作業員の作業を減らすもの。

 そして、これに対応した機器としてIoT対応の大便器・小便器・洗面カウンターも出展する。

トイレの管理を効率化する「LIXIL Toilet Cloud」

 では、次項より、それぞれの担当者にお伺いした内容を紹介していきたい。

既存の玄関ドアの電池錠をスマート化する「FamiLock Link」スマートホームシステム「Life Assist2」がさらに強力に

――FamiLock Linkでは、既設のLIXIL製玄関ドアの多くを「スマート化」できると聞きましたが、どのようなドアがスマート化されるのでしょうか

デバイス事業部IoT事業推進室室長の倉林慶太氏
FamiLock Linkのための専用アダプタ。玄関ドア近くに接続することで、電池錠を制御する。

[倉林氏] 弊社の玄関ドアは、AC100Vの電源につながっている電気錠が約15%、電気で動かない手動錠が35%、そして残り50%が、電池で動く電池錠です。

 これまで、電源につながっている電気錠と手動錠に後付けするスマートロックはLife Assist2に接続できたのですが、約50%というボリュームゾーンである電池錠がLife Assist2につながっていなかった。FamiLockの電池錠はドアの周囲から施錠解除などを行うと操作記録もとっていたのですが、今回、新製品のFamiLock Linkによって遠隔操作をはじめ多彩な機能を追加されることになります。

 ポイントは低コストでスマートロック化ができることで、ドアや錠そのものを交換する必要はなく、ドアの近くの近くのコンセントやUSB電源にFamiLock Linkの機器を挿してもらうだけで電池錠がスマート化でき、無線でインターネットにつながります。

 これは、今までの電気錠をLife Assist2に接続する場合に比べても手軽で、電気錠の場合はJEM-Aアダプターというものを有線で接続する電気の工事が必要でした。JEM-Aアダプターよりも安価になり、しかも電気や配線の工事も必要なくなります。

LIXILの電池錠「FamiLock」

――FamiLock Linkを利用することで、どんなことが可能になるのでしょうか

[倉林氏] まず、基本的なこととして、遠隔で鍵の施錠や解錠、そして状態確認が可能です。

 さらに、履歴も記録されますので、いつ、誰が、どのような手段で操作したかがわかる。例えば、「今日の昼12時にお父さんがスマートフォンで鍵を開けた」とか、「カードキーで鍵を開けた」という情報も全部記録します。細かい情報を記録することで利便性が向上しますし、防犯性の向上にも役立ちます。

 そして、電気錠では可能だったインターホン親機からの解錠機能が、FamiLockでも可能になります。インターフォンの横にスマートボタンを設置することで、同じように解錠できるようになります。

 また、「ゲスト機能」も利用できます。たとえば、鍵を持っていないゲストに対して、期間や使用回数を限定して解錠する権利を与えることができるので、民泊などで利用できると思います。民泊以外でも、不動産屋さんの内覧時、担当者が鍵を開けるために立ち会う必要もなくなるかもしれません。

 さらに、これらを応用すると、特定の鍵をトリガーにスマートホームの動作を行うこともできます。「お父さんが帰宅したらシャッターを閉める」「娘さんが帰ってきたら、どこかの電灯をつける」といったイメージになります。

Life Assist2では、帰宅や外出をトリガーに、家中を「外出モード」「在宅モード」に切り替える、と言ったことも可能

――ほかにも、Life Assist2の展示はありますか

[倉林氏] Life Assist2の展示では、「家のエントランスから入って、家の中、庭というところまでスマートホーム化する」という提案をする予定です。既に発売している商品で構成して、「スマートホームでここまでできる」ところを体験していただければと思います。

Life Assist2のスマートフォンアプリ。

 そして、Life Assist2のポイントは「簡単に設定にできること」でもあるので、来場いただいたお客さまにアプリを登録したり、操作する体験もしていただこうと考えています。「スマートホームの初期設定」である「登録」操作がたった数分で終わる、というのは体験していただけると、きっと興味深いと思ってもらえると思います。

実は設計が難しい現代のトイレ!混雑がなく、使いやすいトイレをAIが設計する「A-SPEC」

熟練の設計職人なしに、快適な施設トイレを実現するA-SPEC

――A-SPECは、トイレの設計の問題を解決すると聞きました

A-SPECプロジェクト リーダー小松紀明氏

[小松氏] A-SPECはパブリックトイレの自動設計サービスで、主に設計事務所さんやデベロッパーさんに向けたサービスです。

 弊社のほか、株式会社AMDlabや合同会社髙木秀太事務所といった建築テック業界で活躍しているスタートアップさんと共同で開発しています。

 そして、A-SPECが解決する「トイレの設計」なのですが、実はこの「トイレの設計」は非常に複雑で、しっかりした設計をするには経験と多くの手間がかかってしまうのが現状です。

 もともと空間のサイズや配管の状況、器具の位置など考えることが多い上、最近はバリアフリー法の制定や、着替え台の追加などの多機能化など、さらに複雑化しており、まさに「職人技」と言われるような世界が続いています。

 実は、パブリックトイレの機器カタログってとても分厚いんです。そのなかから、必要なトイレの機器はどれなのか、カタログから選定しなくてはならない。着替え台も必要かもしれないし、赤ちゃんを座らせておく椅子も必要かもしれない。そういうことはトイレに関する知識がないとカタログがあっても選定すらできないんです。

 LIXILでは「快適な空間を提供するための商品」はずっと提供してきていましたが、A-SPECを通して「空間を作る」こともお手伝いできるようになれる、と思っています。

 このサービスは無料で公開していまして、ビジネス会員登録をしていただくだけで誰でも使っていただけるようにしています。

――それほどトイレの設計はたいへんということをですが、A-SPECではどんなことが解決するのでしょうか

[小松氏] A-SPECの操作は、とてもシンプルです。空間の条件と設置したい設備を選択するだけでAIがアイデアを生成、1分ぐらいで良いプランが提案されます。

 このプランは、3Dでシミュレーションすることもできますし、図面や設計で使うBIMで利用するためのデータも出力できます。

 複雑なトイレ設計を圧倒的に省力化できますので、設計者の方には、「この空間はいい空間なのか?」と考えることに力を割いていただけるようになると思います。

――設計者の方には、どんなことを考えてほしいですか

[小松氏] たとえば、バリアフリーに対することです。

 3Dで設計結果をその場で見ることができ、中に入って車椅子を動かしてみたりすることもできます。介護の人と一緒に入ったらどうなるかとか、ユニバーサルデザインの専門の方に聞いてやっと理解できることなんですが、A-SPECではシミュレーションしながら、実際に良い空間かどうかを評価していただくことができます。

 そして、設計結果に納得していただけましたら、あとは、お買い物するかのようにカートに追加して、必要なデータをダウンロードしていただけます。すぐに自分の設計に入ることができ、業務の簡略化ができます。

――今回の展示では何か新しい試みありますか

[小松氏] 今回は2つの大きいサービスを発表します。

 ひとつは、「トイレ全体」の計画です。これまでは「個室の中の器具レイアウト」の自動設計でしたが、いよいよ「パブリックトイレの全体空間をレイアウトしていく」ところにチャレンジします。

 そして、もうひとつが混雑予測シミュレーションです。「混まないトイレってどういうレイアウトなんだろう」というところに着目し、独自開発のシミュレーションを組み込んだことにより「いちばん混まないトイレの空間」を自動設計できるようにしています。

 もちろん、個室の設計もできますから、個室の設計からトイレ空間全体の設計まで、「条件を選択するだけで、全部セットされた空間を提案できる」ことを目指しています。

混雑予測シミュレーションのイメージ図(こうしたシミュレーション画像が表示されるわけではないとのこと)

――なるほど、熟練の設計の技が入っているんですね。たとえば、ネットで話題になる、椅子に座らせた赤ちゃんがトイレ扉のロックを開けてしまう問題がありますが、それに対するノウハウもA-SPECでは網羅されるんでしょうか

[小松氏] もちろん入ってます!(笑)そこも考慮した空間として提案できるようにしています。

「もう、トイレはあふれさせない!」「トイレのクラウド」は清掃員絶賛、効率最適化のソリューション

――LIXIL Toilet Cloudは清掃業務を最適化するサービスだそうですが、最適化しなければならない理由があるんでしょうか。

トイレクラウド プロダクトオーナーの小川祥司氏

[小川氏] 今、ビルマネジメント業界では労働力不足が大きな課題になっています。

 特にトイレの清掃業務は人が集まらず、賃金高騰や高齢化もあって本当に逼迫していまして、「きれいなトイレ」の維持が困難になってきています。きれいなトイレは日本の文化のようになっていますけど、なくならないよう、私たちはこの取り組みをやっています。

 では、どうやって清掃員の労働力不足の問題を解決していくかですが、各トイレ器具である大便器、小便器、洗面カウンターなどにIoT機能を載せ、そのデータを活用することで、清掃業務を効率化していこう、というかたちになります。

 その「効率化」ですが、「よく使われるトイレは汚れやすいので高頻度で清掃する。あまり使われないトイレは掃除を1回スキップする」みたいな考え方になります。これだけの説明だと大したことが無さそうに見えるかもしれませんが、こうした情報をもとに、「どこのトイレを清掃するべきなのか」という情報が清掃員のスマートフォンに集まってきますので、ピンポイントでメリハリつけて清掃できるのが大きな特徴です。

 たくさんのトイレがある施設では大きな差になってくるかと思います。

――既に利用されている現場もあるとのことですが、実際の反応はいかがでしょうか

[小川氏] 効率化によるメリットはもちろん好評なのですが、実は、清掃員の方に大絶賛していただいている機能があります。

 これは「トイレの詰まり検知」という機能でして、これは、詰まったトイレがあふれる前に水を止める機能です。「トイレの詰まり」はよくあることですが、清掃員さんが最も困るのは、水があふれてしまうことなんです。

 トイレが詰まってしまった場合、多くの人は「流す」ボタンを何度も押してしまうのですが、詰まった状態で「流す」が何度も押されてしまうと、普通のトイレでは、水があふれてしまいます。結果、床が汚水で水浸しになり、清掃が一日がかりになってしまいます。

 今回のIoTトイレでは給水を止めてしまうので「流す」ボタンを押してもそれ以上、出てきません。非常に清掃員の方に喜んでいただいています。

 また、この状態になれば、すぐに清掃員の方のスマートフォンに通知が届きますので、その後の対応も迅速です。

 実は検証実験中、実際に通知があり、清掃員の方と一緒にトイレに向かったのですが、そこは想像通りの「山盛り」(笑。それでもあふれていないのを見た清掃員の方が、「このトイレ、すぐ商品化しましょう!」とおっしゃっていたのが印象的です。

 これ、本当に現場の方にめちゃくちゃウケていますので、今後はあふれないトイレっていうのがスタンダードになっていくんだろうなと思っています。

――すごいお話ですね。ほかにも清掃員の方が注目している機能はありますか

[小川氏] あとは、IoTならではということで遠隔操作があります。

 便座には温める機能があって冬も暖かいのですが、温度設定があって、冬は暖かく、夏は少しぬるくしているんです。

 変更作業はトイレ1台、1台、管理者の方が設定温度を変えていたんです。施設で何百台もあれば1日がかりの作業です。それが、IoTなのでネットワーク越しに1カ所でコントロールすることができるようになっています。

 ほかにも、洗面カウンターでは手洗いの石鹸が足りない、といったアラートも出ていて、トイレの状態を把握することができるようになっています。

――機能はよくわかりました。清掃現場で作業をする上でスマートフォンを使うのは抵抗があると思いますが、どういう運用をされていますか。そして、清掃員の方にとっての操作性はどうなんでしょうか

[小川氏] 専用のスマートフォンまでセットで提供するサービスになっています。防水機能や耐衝撃性能など、利用環境を踏まえ、弊社で機種選定してパッケージで提供します。

 実はスマートフォンアプリでは自慢したいところもあります。清掃員の方は高齢の方が多く「スマホなんて絶対いじりたくない」なんて人もいるんですが、アプリ制作にあたっては、UIも含めてその人たちと作り込みました。

 結果、「これだったらやってみる」と言っていただけるようになり、利用拒否されるようなこともなく、みなさんに使っていただいています。

――今後はどんなことを目指しますか

[小川氏] 今回のシステムは、「トイレを管理すること」を効率化し、パッケージ化して施設の管理業務に活用し、労働力不足を解決していこうという取り組みです。

 そして、効率化だけではなく、トイレそのものの品質、清掃品質を上げていく取り組みでもあります。

 これをさらにブラッシュアップすることで、清掃員の方の労力を「トイレの汚れ具合」に対してより適切に分配し、結果として施設全体のトイレがきれいになり、トイレ利用者も満足するようになればと思っています。

 清掃やメンテナンスのノウハウについては、「単なる回数」以外にもいろいろなノウハウがあります。私たちがずっと積み重ねてきたノウハウで、ある意味、コンサルティングのようなことをさせてもらいながらも、一緒に改善活動をしていくようなかたちにしていきたいですね。

――今回、CEATECの展示ではどんなことが見られますか

[小川氏] IoTに対応した大便器、小便器、洗面カウンターの全てをご覧いただくことができ、「トイレを利用する」と、そのデータがシステムに反映されていくといった状況も、スマートフォンで見ることができるようにする予定です。

 さきほど説明した、あふれ防止機能も、会場でご覧いただけるようにします。

 現場を見ていると清掃員の方は本当に苦労されてるので、ぜひ、注目していただきたいと思っています。

普及が進む「スマートホーム」、その起点となったCEATEC

――これまでのCEATEC出展で起こったことや、CEATEC出展にかける想いなどはありますでしょうか。

ビジネスイノベーション部の高橋亮氏

[高橋氏] CEATECでは、私や倉林さんも実際に会場に行くのですが、直接、来場者の方とお話できるのは、我々の新しい商品やサービスの反応を見るのに非常に役立ちますね。

[倉林氏] 反応をリアルに感じられることもそうですが、いろいろなニーズもその場で聞けましたし、その後の開発や改善にも役立っています。

[高橋氏] 2017年に最初に出展したときには、スマートエクステリアを出展しましたが、CEATECで紹介した「スマート宅配ポスト」のように、その後、世の中に広まったものも結構あります。

 昨年は、LifeAssist2を備えた実験住宅「みらいえらぼ」を紹介したのですが、最近は予約が2カ月待ちという状況で、実際にハウスメーカーさんなどに来ていただいていますし、Life Assist2がどんどん採用されてきています。

――まさに、手ごたえのある出展ですね。今回、トイレを2つ紹介していますし、これまでにもトイレのソリューションが多いように感じます。なぜ、トイレなんでしょうか

[小川氏] 特にトイレを意識してるつもりはなかったのですが、お客さまが課題を持ちやすい場所なのかもしれないですね。

 私たちは商材にフォーカスして何かやるのではなく、「お客さまの課題がどこにあるか」というところを考えているので、結果的にトイレが多いということはトイレの課題が多いのかなと思ってます。

[倉林氏] 住宅の目線ではトイレってお客さまのタッチポイントとしては非常に分かりやすく、イメージしやすい。そして、住宅のトイレってそこで完結してるんです。トイレだけでいろいろなことが成り立つので、試みもやりやすいのではないでしょうか。

 そしてIoTについて言えば、トイレに限らず水回りの商品ってまだ少ないんですよ。「みらいえらぼ」には、お風呂を自動で洗浄するオプションを装備していますが、今後、LIXILとしては、水回りもスマートホームとして力を入れていきたいと思います。

[高橋氏] やっぱり何もしないと、衛生的にも問題が起こる場所なので、いろいろ考えて答えを出そうとしているのだと思いますね。

――なるほど。では、今後もCEATECではトイレのソリューションには期待していいですね。

[小川氏] さきほどA-SPECとLIXIL Toilet Cloudは別々にお話したのですが、実はつながっているところもあるんです。トイレのライフサイクルを考えたときに、設計や設置があり、その後はお客さまが使っていくなかでメンテナンスがあり、使い終えて次はどうするかとなります。

 IoTトイレで取ったデータは、設計の方にもデータとして反映できますし、出来上がったあとでトイレの数は足りていたのかと考えることもあり、2つはつながっていて、お客さまの困りごとを解決していこうとしたときにA-SPECやLIXIL Toilet Cloudでライフサイクル全体を面倒見させてくださいっていったような世界観を、私たちは目指しているんですね。

[高橋氏] そこで、10月19日の11時30分から小松と小川が実際にCEATECの会場のステージでお話をさせていただきます。「次世代のパブリックトイレのチャレンジ」ということで、なかなかうまくいってないトイレの活用に関して、データを使って設計上流と運用下流について、LIXILが今後どういう世界貢献、社会貢献を目指しているかということを話します。

 一方のスマートホームシステムについては、10月20日の13時30分から倉林が「Z世代・ゆとり世代が求めるスマートホームシステム」と題したお話をやはり会場のステージでさせていただきます。

 また、ブース展示では、新製品のFamiLock LinkをはじめとしたLife Assist2の体験や、あふれないトイレなどの「LIXIL Toilet Cloud」関連展示、そして混雑のないトイレ設計を実現するA-SPECの展示など、会場ならではの「体験できる展示」にも力を入れております。

 今年もぜひ、ご来場いただき、最新の体験をしていただければと考えています。

 みなさま、よろしくお願いいたします。