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「ScanSnap」がモデルチェンジ、33%高速化した「iX1600」発売、毎分40枚のスキャンが可能に

「ScanSnap iX1600」ホワイトモデル(型番:FI-IX1600)
「ScanSnap iX1600」ブラックモデル(型番:FI-IX1600BK)

 株式会社PFUは、パーソナルドキュメントスキャナーの新機種「ScanSnap iX1600」を1月22日より販売する。オープンプライスだが、同社が運営するオンラインショップ「PFUダイレクト」での販売価格は4万8000円(税別)。受注開始は1月19日から。

 2018年に発売した「iX1500」から2年ぶりのモデルチェンジ。従来機種に比べ、スキャン速度が33%高速になった。本体カラーはホワイトに加え、ブラックをラインアップ。そのほか、大画面タッチパネルのUIがアップデートされ、ユーザーや接続デバイスの切り替えがしやすくなった。

 同社は、コロナ禍で多くの会社でテレワークが開始され、紙の資料をオンラインで共有するためにスキャナーの需要が高まっているとして、iX1600の活用を勧めている。

 このほかPFUでは、同じくScanSnapの新機種として「iX1400」も同時発売する。スキャンの基本性能はiX1600と同じだが、一部の装備・機能を省いたシンプル設計の機種として、iX1600よりも1万円ほど低価格になっている。iX1400についての詳細は関連記事『シンプルで少し安い「ScanSnap」新機種、3万8千円の「iX1400」発売』を参照のこと。

新機種「ScanSnap iX1600」で変わった3つのポイント

1.スキャン速度が33%アップ! 毎分40枚・80面の高速スキャンが可能に

 iX1600のスキャン速度は、A4カラー両面原稿を300dpiでスキャンした場合、40枚・80面/分。従来機種iX1500の30枚・60面/分から33%アップした。600dpiのエクセレントモードでは毎分10枚・20面/分となり、iX1500の8枚・16面/分から25%アップ。

 より高速なモーターへ変更してハードウェアを改良するとともに、その速度アップに対応するための画像処理などのソフトウェアの機能向上を行ったという。

2.ホワイト/ブラックの2色展開、オフィス・お部屋の雰囲気に合わせて本体カラーを選べる

 筐体デザインはiX1500と同じだが、iX1500では期間限定販売だったブラックモデルを定番ラインアップに加えたほか、ホワイトモデルでは給紙カバーの縁のライン部分をダークシルバーに配色。シルバーの配色だったiX1500と差別化している。本体サイズは292×161×152mm(幅×奥行×高さ、給紙カバーなどを閉じた状態)で、重量は3.4kg。

 本体カラーバリエーションを増やした点について、PFUでは、今までドキュメントスキャナーを使用していなかった人々にも手に取ってほしいとしている。

3.タッチパネルのUIアップデートで、ユーザー切り替えが見やすく

 大型タッチパネルのUIのアップデートにより、ユーザーごとにページが表示される仕様となり、スキャンを行う際にユーザーやデバイスの切り替えが分かりやすくなった。なお、従来同様の一覧画面に横並びでユーザーが表示される設定にも切り替えられる。

 なお、この新しいUIは、従来機種iX1500でもファームウェアアップデートにより利用可能だ。

ユーザー切り替え画面

ストレスフリーな操作性は従来機種から継承、「名刺・レシートガイド」や「縦筋軽減」機能も

 在来機種のiX1500同様、「給紙カバーを開けてからすぐに使える」高速起動を可能にする「クイック」モードを搭載。具体的には、スキャン開始までの時間が、USB接続の場合、ノーマルの6.1秒からクイックでは2.9秒へ、Wi-Fi接続時は、ノーマルの16.8秒から5.4秒へ、それぞれ短縮され、「起動の待ち時間を感じることなく利用できる」としている。

 原稿搭載枚数は50枚。また、iX1500同様、「手差しモード」に切り換えることで、キャリアシート不要で、A4サイズより大きい原稿を2つ折りにしてスキャンできる。

 名刺・レシート用(原稿幅50.8~58mm)、レシート用(同50.8~83mm)、書類用(同B6~レターサイズ)という3つの間口のスロットを備えた「名刺・レシートガイド」が標準で付属しているのも従来機種と同様。これを給紙トレイに取り付けることで、名刺などの小さな書類やカールしやすいレシートのような原稿のスキャンが効率化できるとしている。名刺・レシートガイドを取り付けたまま、給紙カバーを閉じることも可能だ。

「名刺・レシートガイド」が標準で付属

 ソフトウェア画像処理による「縦筋軽減」機能も提供。センサーガラスに汚れが付いたままスキャンすると、原稿には存在しない縦筋がスキャンデータに入ってしまうが、ソフトウェア処理でこれを軽減できる。

「縦筋軽減」機能できれいにスキャン

PC無しでも使いやすい大型タッチパネル搭載、各種クラウドサービスと直接連携できる

 4.3インチのタッチパネルディスプレイには、用途に合わせて、PCのフォルダー、連携したクラウドサービスへの保存先、カラーなどの読み取り設定をアイコンとして登録できる。30種類以上のテンプレートが用意され、アイコン登録は最大30個まで可能。アイコンを選択し、「Scan」ボタンをワンタッチするだけでスキャンしたデータの保存や整理が行える。

PC無しでも使いやすい大型タッチパネル

 「ScanSnap Cloud」と連携すれば、PC不要で、スキャンした4種別のクラウドサービスへの自動振り分け、さらに直接連携ができる。連携するクラウドサービスとしては、ドキュメント管理の「Box」「Dropbox」「Evernote」「Google Drive」「OneDrive」、名刺管理の「Eight」、会計・個人資産管理の「freee」「MFクラウド」「弥生会計」など、写真管理の「Google フォト」がある。

クラウドサービスとの連携。「ScanSnap Cloud」経由のほか、後述する専用ソフト「ScanSnap Home」経由でも連携可能

 PCなどのデバイスとの接続は、5/2.4GHz帯のWi-Fi(IEEE 802.11ac/a/n/g/b)とUSBに対応する。5GHz帯は、電子レンジなど他の家電と電波干渉する恐れが少なく、安定して快適に利用できるとしている。

 Wi-Fi接続は、Wi-Fiルーターなどを経由する「アクセスポイント接続モード」に加え、「ダイレクト接続モード」にも対応。アクセスポイントがない環境でも、デバイスと直接接続してスキャンデータを取り込める。

専用ソフト「ScanSnap Home」でできること

 ドライバーソフトやファイル整理・閲覧、名刺管理などの機能を統合した専用ソフト「ScanSnap Home」が付属。Windows 10/8.1/7、macOS 10.14.6以降に対応しており、スキャン設定の登録、スキャンしたファイルの管理、クラウドサービスとの連携設定など、全てScanSnap Homeで行える。なお、ScanSnap Homeは今回、バージョン2.0にアップデートしており、M1チップ搭載Macへの対応も行われている(Rosetta 2上での動作となり、ネイティブ対応は秋ごろを予定)。

「ScanSnap Home」

 スキャンしたデータは、「文書」「名刺」「レシート」「写真」に自動的に分類されてScanSnap Homeに取り込まれる。画像データとセットで、OCR処理されたテキストデータも生成。ファイル形式(PDF/JPEG)によらず、ScanSnap Home上からテキスト全文検索が可能だ。タグ情報を付加して、タグからの検索も行える。

ファイル形式によらないテキスト全文検索

 スキャンした原稿の内容を抽出し、ファイル名を自動生成する機能も備えている。例えば「2020年10月1日」付の「見積書」のスキャンデータに対して「20201001_見積書」というファイル名を自動的に付与するといったものだ。なお、手書き文字や装飾文字、複雑なレイアウトの原稿では適切に認識されない場合もある。この機能をオフにすることも可能だ。さらに、自動生成されたファイル名に対してあとからユーザーが手動で修正を入れた場合、それを学習し、次回以降、そのパターンのファイル名をサジェストしてくれる機能も搭載している。

 iX1600には「ScanSnapアカウント」のライセンスが4ユーザー分付属しており、1台のiX1600を4ユーザーで共有できる。各ユーザーはそれぞれ最大5台のデバイスにScanSnap Homeをインストールして利用可能。追加ライセンスは、1ライセンス9800円(税別)で販売している。

 Android/iOS向けには、「ScanSnap Connect Application」「ScanSnap Cloud」の各アプリ(無料)が提供されている。

 このほか、従来より提供しているWindows/Mac用のドライバーソフト「ScanSnap Manager」もiX1600に対応している(バージョン7.1以上)。ScanSnap Homeに搭載されているファイル管理機能やファイル名自動生成などの機能は使えず、スキャン機能のみとなるが、以前のScanSnapの使い方に愛着のあるユーザーや、特定の業務フロー/システムに継続的に組み込んで使用している場合など、従来の使い勝手を変えずに利用できるとしている。

「ScanSnap Manager」