柳谷智宣の「働き方改革に効く!デジタル士魂商才」
第9回
「ScanSnap iX1500」と連携させるとビジネスが便利になるクラウドサービス
ビジネスITフル武装<ドキュメントスキャナー編>
2019年2月22日 07:00
ビジネスシーンで大量の書類をデータ化するなら、ドキュメントスキャナーは必須だ。前回の「ビジネスITフル武装<ドキュメントスキャナー編>」では、ドキュメントスキャナーの国内シェアNo.1「ScanSnap」の最新機種「iX1500」の取り込み機能やカスタマイズボタンについて紹介した。今回は、同機種と連携させることでビジネスが便利になるクラウドサービスを紹介しよう。
会計ソフトと連携させれば、面倒な確定申告の経費入力が簡単になる
経費精算のために領収書を取り込むのもお手のもの。クラウド型会計ソフトの「freee」や「MFクラウド」、「やよいの青色申告 オンライン」などにも対応しているので、企業の経費入力だけでなく、個人事業主・フリーランスの確定申告も行える。ちょうど今、確定申告の時期なので、そろそろ入力しないと……と憂鬱になっている人もいるのではないだろうか。
こちらも、iX1500と連携させることで、スキャンするとOCR処理により取引日や金額、摘要を自動的に入力してくれるので、登録作業が大幅に楽になる。画像も転送されるので、確認や修正をするのも簡単だ。
さまざまな大きさのレシートがあり、ホテルなどではA4サイズのこともある。しかし、iX1500ならまとめて取り込めるので、大量の領収書でも瞬時に処理できるのがありがたいところだ。
主に大規模な企業で導入されている経費精算システムの「Concur Expense」にも対応している。領収書をまとめてスキャンするだけで経費精算が行える。紙やExcelに触れることがないので、業務効率もアップ。従業員は生産性の高い作業に集中できるようになる。従業員にとって経費処理は生産性のない作業なので、iX1500と連携させてできる限り自動化したいところだ。
確定申告は不要だが、日々の家計を管理したいという人なら「Dr.Wallet」と連携させればいい。大量のレシートも一括アップロードして、手軽に登録できる。アップロードした画像は、オペレーターが目視でデータ化してくれるので正確なのが特徴だ。
「Eight」の無料アカウントにも、名刺の一括スキャンで登録できる
ビジネスで交換した名刺は企業の財産。確実にデータ化して、活用したいところ。さまざまな名刺管理サービスが登場しているが、中小企業や個人事業主だと価格がハードルになり、手を出しにくいことも。そんなときにお勧めするのが「Eight」だ。ビジネス向け名刺管理サービスで国内シェアNo.1の「Sansan」を手がけるSansan株式会社が個人向けにリリースした名刺管理アプリで、なんと利用料は基本無料だ。
基本的には、スマホの「Eight」アプリで名刺を撮影するのだが、大量に取り込む場合はiX1500で一気に取り込みたい。本来、「Eight scan」アプリを利用して取り込む場合、有料のプレミアムアカウントの契約が必要になる。しかし、iX1500で利用できる「Scansnap Cloud」なら、Eightの無料アカウントにもアップロードできるのが魅力だ。
スキャンした画像はSansanのオペレーターの目視により、正確にデータ化してもらえる。名刺の電話番号やメールアドレス、氏名、会社名などは1文字違うだけで使い物にならなくなるのでありがたいところ。
従業員が個人管理する名刺を共有するなら、「Eight企業向けプレミアム」を契約すればいい。その場合はScanSnap Cloudアカウント1つにつき、Eightアカウント1つを登録できる。iX1500はScanSnap Cloudアカウントが4つ付属しているので、4人までEightのボタンを登録できることになる。
紙資料を電子化し、ワンタッチで任意の分類を行う
ほかにも、クラウドストレージサービスにも対応している。「box」「Dropbox」「Google Drive」「OneDrive」など、業務で利用しているサービスと連携させ、任意のフォルダにスキャンデータを保存できる。
書類の内容に合わせて保存するフォルダやスキャンする解像度などをカスタムボタンに割り当てれば、ワンタッチで分類することも可能。なんなら、クラウドストレージサービスを使い分けることだってできる。例えば、契約書はDropbox、ライバル製品のカタログはGoogle Drive――といった具合だ。
写真は「Google Photos」に無制限保存して、いつでも見られるようにしておく
仕事によっては写真資料を扱うこともあるだろう。デジカメで撮ればコストも管理の手間もかからずラクだが、紙写真が飛び交う現場もある。そんなときは、iX1500でスキャンし、「Google Photos」に保存すればいい。
写真の枚数がそこまで多くないのなら、他のクラウドサービスでも問題ないが、大量に蓄積していくならストレージ容量が気になってしまう。その点、Google Photosなら圧縮すれば無制限に保存されるのがポイント。圧縮とは言っても、画質はほとんど変わらず、印刷しても目で見える違いはない。資料として保存するのであれば問題なく活用できるだろう。
「Microsoft Flow」を使えばワンランク上の自動化処理を実現できる
iX1500のカスタマイズボタンは最大30個までで、連携できるクラウドサービスは現在のところ15個までとなる。しかし、クラウドストレージサービスに直接保存できるので、「Microsoft Flow」と組み合わせると無数のタスクを自動化できる。
例えば、iX1500でスキャンした画像が利用しているクラウドストレージサービスにアップロードされたら、会社で利用しているコミュニケーションツール「Slack」に「ファイル名が作成されました」と自動的に投稿するようなことができるのだ。プログラムの知識は必要なく、慣れれば5分で作成できる。
凝った設定も可能。スキャンした書類のファイル名に「契約書」という文字が含まれているなら、バックアップ用の別のクラウドサービスにもコピーする。「カタログ」であれば、スキャンされたことをSlackに報告。「郵便物」であれば、総務担当にメール添付して送信する――といったことを全て自動化できる。「kintone」などで作成した業務システムへの登録も可能だ。
iX1500で書類をスキャンして、オフィスのペーパーレス化を推進し始められたら、次はデータ化した情報をビジネスで活用することにチャレンジしてみよう。単に保存スペースが削減できた、というだけではもったいない。さまざまなクラウドサービスと連携させてみよう。同梱ソフトの「ScanSnap Home」が対応していなくても、Microsoft Flowとクラウドストレージサービスを組み合わせればいろいろなタスクを自動化できる。ぜひ、iX1500を中心に働き方改革を推進して欲しい。
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