柳谷智宣の「働き方改革に効く!デジタル士魂商才」
第17回
フリープランが大幅機能UP!「Chatwork」の始め方を解説 ~社内と顧客と同時につながるビジネスチャットサービス
2022年11月16日 06:00
以前は、仕事のやり取りをするなら電話かメールだったのだが、最近はビジネスチャットサービスを使うところが多くなってきた。メールのデメリットとビジネスチャットのメリットについては、本連載の第3回『もうメールは時代遅れ! ビジネスを加速するコミュニケーションツールはコレだ!』で詳しく解説しているので参照して欲しい。
今回は、国産ビジネスチャットサービスの「Chatwork」について紹介する。ビジネスチャットは基本的に社内コミュニケーションを中心としており、付加機能として外部ともつながれるようになっている。しかし、Chatworkは社内とも社外ともフレキシブルにつながってコミュニケーションできるのが特徴だ。
気軽に始められて迷わず使えるビジネスチャット「Chatwork」
Chatworkは2011年にローンチし、導入企業は36万5000社を突破。積極的に機能やサービスを追加しており、存在感を増している。最大の特徴は、社内外の誰とでもつながれる点だ。SNSのようにメールアドレスで招待すればいい。無料で利用できるプランもあるので、招待する側もされる側も気軽に利用できるのがありがたい。
プランは3種類用意されており、無料で使える「フリー」プラン、本格的に活用できる月額500円/ユーザーの「ビジネス」プラン、セキュリティとサポートが充実している月額800円/ユーザーの「エンタープライズ」プランから選べる(価格はいずれも税別)。何はともあれ、まずはフリープランを試してみるといいだろう。
Chatworkのウェブサイトから「新規登録(無料)」をクリックし、画面の指示に従ってメールアドレスなどを登録しよう。ログインできたら、プロフィールの編集画面で「Chatwork ID」を入力しよう。Chatworkでつながる際に利用するIDで、ランダムな文字列が割り振られるが、自分の名前などに変更することもできる。もちろん、すでに利用されている文字列は利用できない。分かりやすいIDを付けておこう。また、アイコンの写真も登録しておくと、他の人が判別しやすくなる。
何はともあれ、早速、取引先とつながってみよう。画面上部のアイコンから「コンタクト管理」をクリックし、「招待してつながる」タブを開く。「メールで招待する」にメールアドレスとメッセージを入力して「招待メールを送信」をクリックしよう。
招待を受けた側は、メールの「無料で登録」をクリックし、ユーザー登録を行う。すでにChatworkユーザーであれば、「コンタクト承認依頼が来ました」というメールが届く。この場合は、「コンタクト管理」の「未承認」タブを開き、招待を送ってきたユーザーの「承認する」ボタンをクリックすればいい。
相手がアカウントを作ってログインするか、申請を承認するとChatworkでつながり、チャットできるようになる。操作画面はシンプルで分かりやすいUIになっており、特にマニュアルなどを見なくても直感的に操作できるだろう。
もし、すでに名刺を交換済みの人たちと一気につながりたいのなら、名刺管理サービスからエクスポートしたCSVファイルをアップロードすることでまとめてコンタクト申請を送ることも可能だ。
つながった相手の名前が左のチャット一覧に表示され、クリックするとダイレクトチャットが開く。1対1のチャットで、フォームにメッセージを入力して「送信」をクリックすれば、コミュニケーションできる。
プロジェクトメンバーなどと複数人でチャットする場合は、「すべてのチャット」の横にある「+」をクリックし、「グループチャットを新規作成」をクリックする。チャット名や参加メンバーを選択し、「作成する」をクリックすればグループチャットが作成される。ダイレクトチャットと同様に、画面下部に伝えたいメッセージを入力すればいい。
フリープランで参加できる「グループチャットの上限数」がなくなった
実は、以前のChatworkではフリープランで参加できるグループチャット数の上限は累計14個となっていた。累計とはいえ、少ない取引先とだけコミュニケーションするのであれば問題なく使えていた人も多かった。しかし、2021年7月5日からこの上限が7個に減ってしまった。このため、新たに知り合った人とChatworkで連絡を取ろうと思っても、いっぱいなので他のサービスで……となることも増えていたのだ。
しかし、なんと2022年10月6日から、フリープランでも参加できるグループチャット数の上限が撤廃された。もちろん、累計などではなく、自由に全てのチャットに参加できる。これで気兼ねなく招待できるようになった。以前、Chatworkを使おうとして、この上限が原因で見送った人は、ぜひもう一度チャレンジして欲しい。
その代わりにメッセージの閲覧が、直近40日以内に投稿された最新5000件のメッセージに制限される。とはいえ、Chatworkをヘビーユースして40日以内に5000件もやり取りしたり、データベース代わりにして40日以前の情報も利活用する、というのであれば有料プランにするべきだ。ライトなコミュニケーションに使うのであれば、多くの人はフリープランでこと足りるだろう。
加えて、メッセージの検索は、以前が検索オプションありで最大100件だったところ、現在は検索オプションなしで最大200件となっている。社内活用に役立つチーム機能も利用可能になった。
フリープランでも100人まで追加して「チーム機能」を利用できる
社内コミュニケーションでもChatworkを利用するなら、「チーム機能」を使いこなしたい。これまでは有償プランのみでの提供だったが、10月6日のグループチャットの利用上限数撤廃と同時にフリープランでも利用できるようになった。
まずは、会社で利用するために、ユーザー名をクリックして「管理者設定」を開き、「ユーザー追加」をクリックする。初回のみ、組織でChatworkを使う説明が表示されるので、「組織での利用を開始する」をクリックする。この操作を行ったユーザーは組織管理者となり、他の組織には所属できなくなるので注意すること。他のユーザーへ管理者権限を委譲する機能は有償プランに用意されている。
組織での利用を開始して、社員をユーザーとして登録すれば準備完了。管理者設定画面の「チーム管理」から「チーム作成」を開き、チーム名とチームに参加するユーザーを選択する。
この機能は例えば、部署ごとに作ると便利だ。営業部の人間が参加するグループチャットがいくつかある場合、新入社員が入ったときに全てのグループチャットでメンバーの追加操作を行う必要がある。とても手間だし、見逃しが発生しやすい。
そこで、「営業部」というチームを作成し、営業部が参加すべきグループチャットには個別のメンバーではなく、チームを追加しておけばいい。そうすれば、営業部のメンバーに変更があった場合でも、「チームリスト」画面で設定するだけでメンバーが追加されるのだ。
ちなみに、チームからメンバーが削除されても、グループチャットから自動的に退出することはない。異動に合わせてグループチャットから抜けてもらうか、管理者がメンバー詳細設定から削除する必要がある。
外部とのコミュニケーションに強いビジネスチャットサービス
Chatworkも、もちろんビジネスチャットの基本機能は網羅している。チャットでは絵文字が使えるし、過去のメッセージを検索できる。ファイルもアップロードでき、チームで共有するのも簡単だ。追加コストなしに、音声通話やビデオ通話が可能で、画面共有なども可能。チャットで対応できないコミュニケーションはウェブ会議で行えるのだ。
タスクの管理機能を備えているのも特徴だ。ビジネスではコミュニケーションの中で新しいタスクが発生するもの。そのチャットを起点に手軽にタスクを登録できるのが便利。担当者を割り振ることもでき、簡易的ではあるものの実用的なタスク管理ツールとして活用できる。
社内と同時に社外の人とも気軽につながることができるので、多くの顧客と接する業種での活用に向いている。例えば、クライアントを多く持つ士業にユーザーが多い。不動産会社も多数の顧客や家主、工事会社などと継続的にコンタクトを持つのでオススメ。
筆者のようなライターに発注する出版社なども、Chatworkを利用しているところが多い。大量のメールをやり取りすると埋もれてしまって会話の流れを遡るのに苦労するが、チャットであればやり取りが一目瞭然。ファイルのアップロードもできるので、原稿の納品から請求書の提出まで全てChatworkを使っている取引先もある。
グローバルでトップクラスのユーザー数を持つビジネスチャット「Slack」も日本のユーザーが増えている。どちらも社内チャットとして十分な機能を備え、外部の人ともつながることができる。外部ツールとの連携機能などはSlackの方が充実しているが、タスク機能や外部の人とのつながりやすさはChatworkの方が優れている。Chatworkは国産なので、ツールはもちろん、ヘルプや問い合わせも全て日本語でいい点も安心だ。
社外とのコミュニケーションを重視したビジネスチャットを探しているなら、まずは、Chatworkを試してみることをオススメする。
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