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「CEATEC 2023」、10月17日~20日に幕張メッセで開催。4年ぶりに全面リアル会場で
10万人の来場を見込む、「未来を変えるイノベーターのための共創の場に」
2023年9月29日 14:55
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、CEATEC 2023の概要について説明した。4年ぶりに、展示とコンファレンスをリアル会場で実施。会期中に10万人の来場者を見込んでいる。
「デジタルイノベーションの総合展示会」と位置づけるCEATEC 2023は、「Toward Society 5.0」をコンセプトに、2023年10月17日から20日までの4日間、千葉県千葉市の幕張メッセにおいて開催する。入場は無料。全来場者登録制となっており、CEATEC 2023のサイトから登録できるほか、会場でも登録できる。
開催趣旨として、「経済発展と社会課題の解決を両立する『Society 5.0』の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、『共創』によって未来を描く」を掲げており、会期中には、ネットワーキングイベントを開催し、スタートアップやグローバル、若手エンジニアといったそれぞれの切り口から、共創の場を提供するという。
CEATEC エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏は、「未来を変える10万人のイノベーターのための共創の場になる。新たなビジネス、新たな技術、新たな製品が集まる場所になる」とした。
また、CEATEC 2023では、「次世代」という言葉を切り口に、「次世代の社会を実現するデジタル田園都市」「次世代を技術で支えるテクノロジーデバイス」「次世代の社会を担う人材の育成・支援」「次世代のカギを握るスタートアップと大学研究機関を応援」「次世代につなげる地球環境に配慮した持続可能な展示会へ」という5つのキーワードを掲げている。
鹿野氏は、これらのキーワードについて「CEATECは、デジタル産業を支える人たちとデジタル技術を活用する人たちが一堂に会し、デジタル技術の発展ならびに社会実装はもとより、デジタル技術に親しみ、学び、共創する場を提供することになる。新たにデジタルイノベーションの総合展示会と位置づけ、商談の場を目指した展示会とは異なり、結びつきを重視し、若い世代の育成を捉えた新たな視点で次世代を見据えた展示会を目指す」と説明した。
600社/団体以上の出展見込み、スタートアップは過去最高に迫る
展示会場は、幕張メッセの4~8ホールまでの5ホールを使用する。
注目エリアのひとつが、昨年に続いて設置される「パートナーズパーク」である。展示会場の中央部に位置することになる。
「心ゆたかな暮らし」(Well Being)と、「持続可能な環境・社会・経済」(Sustainability)を実現するデジタル田園都市国家構想の観点から、22のテーマを設け、130社/団体を超える企業が参画。社会全体のDXのあり方や、未来の暮らし、それを支えるテクノロジーなどを、「共創」の観点で発信することになるという。
「パートナーズパークは、共通のプラットフォーム、共通のインフラ、共通のサービスを持った企業がイニシアティブを持ち、そこに多くの企業が集まり、共同で出展することになる。共創から生まれた成果をみせることができる」という。
パートナーズパーク内には、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局と連携し、デジタル田園都市国家構想をテーマとする特設パビリオンを用意。「Digi田甲子園」の受賞企業を中心にした先進事例や官民連携事例の紹介、デジタル田園都市国家構想に関する政策などを紹介する。
「展示とコンファレンスの両面から、デジタル田園都市国家構想をより深く理解することができるイベントを実現したい」という。
グローバルエリアでは、米国やフィンランド、デンマーク、UAE、カナダ、フランス、台湾のほか、総務省による招聘企画としてウクライナが初めてパビリオンを出展。8つの国と地域の企業から、最新トレンド、革新的なソリューションが展示される予定だという。ピッチステージでは、各国の出展企業によるプレゼンテーションも行われる。
そのほか、電機大手を中心に出展が予定されている「アドバンスドテクノロジーエリア」ではSociety 5.0の実現に向けたテクノロジーが展示されることになる。また、電子デバイスや電子部品関連企業が展示する「キーデバイスエリア」や、国内外のスタートアップ企業や大学や研究機関が出展する「スタートアップ&ユニバーシティエリア」が用意されている。
CEATEC 2023には、600社/団体以上の出展が見込まれており、そのうち、250社/団体以上が初出展になる。なお、2022年は562社/団体が出展した。
電機大手8社では、パナソニックが5年ぶりの出展となったほか、日立製作所、ソニー、東芝、三菱電機、NEC、シャープが出展する一方、1回目から23回連続で出展していた富士通が、初めて出展を見送った。
スタートアップ&ユニバーシティエリアは、前年比1.8倍となる140社/団体以上が出展する予定で、スタートアップ企業の出展は過去最高に迫る勢いとなっている。
1000人超の大規模カンファレンスは4年ぶりにリアル開催
コロナ禍ではオンラインで開催していた1000人規模の参加者が聴講できる大規模コンファレンスを、4年ぶりにリアル会場で実施する。
開幕初日には、幕張メッセの国際会議棟で、オープニングセッションとして「Innovators Gathering in CEATEC」を開催し、「サステナブルな社会の実現に向けて」と題した講演を実施。JEITA会長でもある日立製作所の小島啓二社長兼CEOや、TDKの石黒成直会長などが登壇する。
また、「AI等のエマージング技術を活用したデジタル社会基盤の構築」「デジタル田園都市国家構想~官民連携によるデジタルを活用した地方創生~」といったテーマでの講演も行われる。
「デジタル田園都市国家構想に関する講演では、群馬県や福井県など、すでにデジタルを実装している自治体での事例が紹介されることになる」と、鹿野氏は語った。
パネルディスカッションでは、「サステナビリティ」や「人工知能」、「デジタル田園都市国家構想」をテーマに、各界のイノベーターたちが集結し、組織や業界の垣根を越えて、多様化する課題解決に向けた議論が行われるほか、AIやサステナビリティ、DX、カーボンニュートラルなどのテーマに、200本以上のコンファレンスを実施する。一部はオンラインでも配信されることになる。
「コンファレンスに参加したあとに、展示会場のブースを見て、技術や製品を確認したり、理解を深めたりといったリアルならではの体験を実現できる」としている。
さらに、展示会場内にも、4つのステージを用意する。
Future-Hubでは、未来を担う学生や若手のキーパーソンにスポットを当て、デジタル産業の魅力やキャリア選択に役立つ情報を発信する。
Tech-Hubでは、電子部品などのテクノロジーにフォーカスし、未来のテクノロジーを探求し、次世代のイノベーションを発見するためのステージになると位置づけている。
また、トークステージは、パートナーズパークのコンセプトである「共創」に関する取り組みを披露するステージとし、最前線で活躍するキーパーソンが、データ連携やスマートシティなどの共創事例、最新トレンドを発信する。
ピッチステージでは、国内外のスタートアップや大学や研究機関によるアイデアや製品、サービスを発信するほか、メンタリングセッションの開催も予定している。
13回目の「CEATEC AWARD」、今年はAIやデータ活用に関する応募が多数
今年も、CEATEC AWARD 2023を実施する。
学術的、技術的、市場性や将来性などの観点から、イノベーティブ性が高い技術や製品、サービスを表彰するもので、総務大臣賞や経済産業大臣賞、デジタル大臣賞のほか、各部門賞がそれぞれ選出され、10月16日に開催されるオープニングレセプションでは、各大臣賞の表彰式が行われる。
部門賞では、アドバンストテクノロジー部門、デバイス部門、スタートアップ部門、コ・クリエイション部門に加えて、国外から出展した製品やサービスを対象にしたグローバルエリア部門を新設する。
「CEATEC AWARDは13回目となる。今年はAIを活用したり、データを活用したりといった内容の応募が多い」と、鹿野氏は応募状況を紹介した。
2022年は8万1612人が登録来場したが、今年はそれを上回る10万人の来場者を見込んでいる。CEATEC 2023は、10万人のイノベーターが集う日本最大の共創イベントとして、新たな進化を目指すことになる。