観測衛星「だいち」「テオス」による被災地域の衛星画像、PDFなどで無償提供


 財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)と株式会社NTTデータが、東日本大震災の被災地域の衛星画像を公開している。RESTECおよびNTTデータ双方のサイトから無償でダウンロードできる。

 Googleが公開している衛星画像は米国企業による衛星が撮影されたものであるのに対し、RESTECが提供している画像は日本の陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)と、タイの地球観測衛星「テオス」(THEOS)によって撮影されたものだ。岩手・宮城・福島の3県(茨城県の一部を含む)の沿岸地域の画像について地震前後が比較できる。

衛星画像公開のトップページ提供エリアは岩手・宮城・福島の沿岸部で、市町村名からの検索も可能

 配布形式はJPEGおよびPDFで、PDFファイルはレイヤーを切り替えることが可能なので、PDFソフトの操作により表示内容を自由にカスタマイズできる。経緯線や道路、鉄道、行政界、河川などに加えて、国土地理院の地形図でおなじみの地図記号や基準点なども細かく記載されており、それらの表示・非表示を選べる。推奨ソフトはAdobe Reader 9。

 また、震災前の画像も同じフォーマットで収録されているので、被害状況の把握にも役立つ。衛星画像の右側には索引図や表示位置参照図、凡例なども掲載されているので印刷用途にも最適だ。さらに各衛星画像にはそれぞれ対応する国土地理院の地形図番号も記載されているので、地形図と組み合わせて活用しやすい。

 画像の検索は地図から探す方法と市町村名から探す方法の2種類が用意されており、目的のエリアを見つけやすい。Google EarthやGoogleマップと比べると使い勝手の良さは及ばないものの、公共施設の位置の把握や印刷用途にはこちらのほうが向いており、復興活動支援のための資料として有用なデータといえる。

地震前後の画像データを容易に比較できる

JPEG形式の画像データ

レイヤーの表示・非表示を自由に切り替えられるPDF形式のデータ




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(片岡 義明)

2011/4/21 06:00