Internet Watch logo
記事検索
バックナンバー
【 2009/06/08 】
2009/06/01~2009/06/07
[10:57]
【 2009/06/01 】
2009/05/25~2009/05/31
[12:05]
【 2009/05/25 】
2009/5/18~2009/5/24
[11:48]
【 2009/05/18 】
2009/05/11~2009/05/17
[13:03]
【 2009/05/11 】
2009/04/27~2009/05/10
[13:16]
【 2009/04/27 】
2009/04/20~2009/04/26
[12:08]
【 2009/04/20 】
2009/04/13~2009/04/19
[12:22]
【 2009/04/13 】
2009/04/06~2009/04/12
[11:33]
【 2009/04/06 】
2009/03/30~2009/04/05
[13:13]
【 2009/03/30 】
2009/03/23~2009/03/29
[13:47]
【 2009/03/23 】
2009/03/16~2009/03/22
[11:46]
【 2009/03/16 】
2009/03/09~2009/03/15
[11:35]


2008/07/14~2008/07/21


 iPhone 3Gの熱気もひと段落し、落ち着いた週になるかと思われましたが、「2012年にネットが終わる」などの怪文書つきウイルスメールがが出回ったり、米Microsoftと米Yahoo!の買収問題が混迷を深めていたりと、不穏な話題もあった一週間でした。

 先週末からは、小中学校などが夏休みに入りました。総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」のニュースもありましたが、落ち着いた夏休みを過ごすためにも、家庭でのインターネット利用について考える良い機会となりそうです。


有害情報対策の優良企業リスト化も? 民間による"規範"策定へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/17/20303.html
 7月17日、総務省「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第7回会合が開催された。年内にまとめる予定の「安心ネットづくり」促進プログラムに向けて、事務局がプロバイダーの対応強化、民間の自主的取り組みの促進、親子のICTリテラシー向上などについて説明。今後はワーキンググループごとに検討を行うことになった。詳細は後半で解説します。

「Firefox 3.0.1」公開、3件の脆弱性を修正
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/17/20292.html
 7月16日、Mozillaは「Firefox 3.0.1」をリリースした。危険度の高い3件の脆弱性を修正したほか、安定性にかかわる問題、フィッシング詐欺・マルウェア対策機能の問題、SSL証明書例外リストにあった問題を修正している。

テレビCMとバナー広告が連動、ヤフーと電通が新広告サービス
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/17/20295.html
 7月17日、ヤフーと電通は新しい広告サービス「Spot&Search」を開発したと発表した。これはテレビCMと検索結果連動型広告を一体化したもので、CM内に表示されたキーワードをYahoo! JAPANで検索すると、検索結果に映像などのバナー広告が表示される。第1弾として日本HPのCM連動による広告が始まっている。

MySpace、アーティスト自身が楽曲販売を行える「viBirth」を提供
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/16/20285.html
 7月16日、マイスペースと、アーティストが個人レーベルを作り音楽の有料配信を行えるサービス「viBirth」を手がけるブレイブがMySpace上で提携。MySpace上でアーティストが自作曲をオンライン販売できるアーティストストア「viBirth」を7月下旬より開始すると発表した。iTunes StoreやNapster、携帯電話向け音楽配信サイトなどでも楽曲の販売が可能になる。

「Yahoo!が拒否した提案は、Yahoo!会長が依頼したもの」MSら反論
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/15/20259.html
 7月14日、米Microsoftは、7月12日に米Yahoo!が発表した内容について反論した。Yahoo!はMicrosoftと投資家のCarl Icahn氏による秘密共同提案を拒否したと発表したが、この提案はYahoo!会長によって依頼されたものであったとしている。Icahn氏もプレスリリースでYahoo!の間違いを指摘し、強い不快感を表明した。


「親子のネットリテラシー向上」が柱の1つ。国レベルの違法・有害情報対策を検討中

 2007年から特に、いわゆる「闇サイト」の問題が大きな社会問題として注目されるようになりました。また、青少年が違法・有害サイトにアクセスして犯罪に巻き込まれる問題も後を絶たず、これらへの対策のため総務省が2007年11月に設置したのが、「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」です。

 同会の第1回会合から4月の第6回会合までは、携帯電話のフィルタリングについて集中的に検討を行い、中間報告も発表しています。そして先週に行われた第7回会合では、今後の検討課題について、「プロバイダーの対応強化など安心を実現する基本的枠組の整備」「民間の自主的取り組みの促進」「親子のICTメディアリテラシー向上支援」を3本柱とした方針が示され、これに技術検討ワーキンググループを加えた、合計4つのワーキンググループが検討を進めていくことになりました。検討結果は、年内に「安心ネットづくり」促進プログラムとしてまとめられる予定です。

 「基本的枠組みの整備」には、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(青少年ネット規制法)に基づくフィルタリングや、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(迷惑メール法)に基づく迷惑メール対策の強化、プロバイダーの体制整備などがあたります。

 次の「民間の自主的取り組みの促進」とは、国による規制ではない、民間での違法・有害情報対策を促進するものです。先週17日にはインターネット全般を対象にしたレーティング機関「インターネットコンテンツ審査監視機構(I-ROI)」が審査基準などを発表し、シンポジウムを行いました。

 国による一律規制でなく民間レベルでの取り組みを、というのは、青少年ネット規制法の審議時にも挙がっていた声です。I-ROIのシンポジウムでは、ICTリテラシーを水泳に例えて「泳がせないと泳ぎは覚えられない。泳ぎ方を大人が教えるのは必要だが、プール自体を奪う(法で表現を規制する)ようなことはしてはいけない」(慶應義塾大学大学院の中村伊知哉教授)といったコメントもありました。


 そこで、3本目の柱となるのが「親子のICTメディアリテラシー向上支援」です。iモードの育ての親である元NTTドコモの夏野剛氏が「携帯電話が当たり前の社会で育った世代は我々とは別の生き物」と言うほど、現在の親世代の多くは子ども世代にとってのインターネットの利用を理解できておらず、そこでの「泳ぎ方」を教えてあげられるような知識も経験もありません。「親が理解できない」という意味では今の親世代にとってのテレビゲームもそれに近いかもしれませんが、インターネットはその先に広い世界との繋がりがあり、悪意を持った人間とも簡単に繋がり、影響を受けてしまうことで、ずっと恐ろしいことになる可能性を持っています。

 巨大掲示板「2ちゃんねる」には「夏厨」という言葉があります。夏休みなど長期休暇になると、暇になった学生ら(「厨房」とは中坊→中学生→生意気な子ども、の意味)による「荒らし」などが増えることを指した言葉です。一方、掲示板などへの悪戯のレベルでは収まらないことも多く(殺人予告書き込みで小学生を補導ファイル共有ソフト海賊版ソフトを販売して高校生が送検など)、家庭で何らかの対策を取ったり、親子で話し合ったり、といったことが必要になっています。

 どんな対策を取ればいいのかは、専門家でも簡単には結論の出せないところです。とはいえ、まず各家庭のレベルにおいては、子どもがネットでどんな活動をしているのかを把握し、親はネットに潜む危険について知識を深め、親子で情報交換をしながら安全にインターネットを利用できるようにしたいものです。



2008/07/22 11:49
小林祐一郎
プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス)

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.