中島由弘の「いま知っておくべき5つのニュース」
ニュースキュレーション[2019/10/10~10/17]
台風19号:モバイル通信サービスへの影響と対策 ほか
2019年10月18日 12:00
1. 台風19号:モバイル通信サービスへの影響と対策
10月12日から13日にかけ、台風19号は東日本を中心に甚大な被害をもたらした。これに対するモバイル通信事業者の対応が各メディアにおいて報じられている(ITmedia)。
残念ながら、天災の多い昨今の状況もあり、各社ともその対応はスムーズに行われるようになってきていると感じる。ただ、電波にしろ、充電にしろ、必要な人やエリアに対して十分、サービスできているかどうかは都度、検証をして、万が一の際に、いっそうの的確な対応や技術開発につなげる資料にすることも必要かもしれない。
さらに、災害時無料Wi-Fiスポットである「00000JAPAN」について、注意を促す投稿もあった(Yahoo!ニュース)。各モバイル通信会社が設置している公衆無線LANスポットを災害時に無料で誰でも使えるように解放したものであるが、「0000JAPANというSSIDに対するなりすましが横行する可能性がある」という指摘のあった点に関しては、提供各社からの広報も必要で、かつユーザーとしても認識を持つべきだろう。
2. CEATEC 2019:未来の社会がそこにある
「CEATEC 2019」が幕張メッセ(千葉市美浜区)において開催されている。この記事の執筆時点ではまだ開催期間中なので、今後もさらに多くのレポート記事が投稿されるものと思われる。
注目点としては5Gのインフラの上で、どのようなサービスを作り出すかということと、センシング技術の進化、さらにはAIを使った自動運転などの技術進化といったところか。
センシング技術としては、第一精工と凸版印刷の「匂いのセンサー」(ITmedia)や、ソニーの「イメージセンシング技術」(ASCII.jp)についてはこれまであまり報じられてこなかっただけに、今後の展開は興味深い。センシング技術を含め、さまざまな最新技術を組み合わせた例が、ANAが出品した「ANAアバター」サービスということになる。「このサービスは、VR、ロボティクス、センサー、ハプティクス(触覚)といった最先端テクノロジーを用いて、距離、身体、文化、時間といったあらゆる制限を超える『移動手段』」(INTERNET Watch)としていて、近年の要素技術の「総まとめ」的な事例ともいえる。
ニュースソース
- CEATECで自動運転の実証試験、明日から来場者も乗車可能、出発セレモニーを開催【CEATEC 2019】[INTERNET Watch]
- 視線検知とAIでタクシー業界の働き方改革を支援[EETimes]
- JapanTaxi、映像ストリーミング可能なドラレコや翻訳機能付き車内タブレットで“Society 5.0”推進【CEATEC 2019】[INTERNET Watch]
- スマホに挿すと“鼻の代わり”に ガス漏れ、食品の腐敗、体臭の強さなど測定 小型センサー「noseStick」[ITmedia]
- “IoTファーストクラスシート”登場 乗客の眠りを検知しCAに報告 機内食で起こされず快適な旅[ITmedia]
- KDDIのCEATECブースでサッカーのフォーム判定、センサー内蔵ボールとAIにより分析[ケータイWatch]
- ソニーが6年ぶり出展のCEATECで「医療事業」をアピールした理由[ASCII.jp]
- AI搭載、アプリ連動で磨き残しを防ぐ電動歯ブラシ--ブラウン オーラルB「ジーニアスX」[CNET Japan]
- “AIトイレ”で大便の状態を自動判定、LIXILが開発 「教師データは社員の便」 介護施設などの需要見込む[ITmedia]
- ANAアバターが目指す「意識だけ移動する未来」、瞬間移動「アバターイン」が実装された社会をCEATECで実体験! 教師が入れば授業、医師が入れば医療支援、科学者が入れば実験を……[INTERNET Watch]
- ANAがCEATEC初出展、瞬間移動手段「ANAアバター」展示【CEATEC 2019】[INTERNET Watch]
3. 新スマホ「Pixel 4」をはじめ、グーグルの新型ハードウェア発表
現地時間10月15日にニューヨークで開催されたグーグルのハードウェア発表イベント「Made by Google」では新型スマートフォンのPixel 4をはじめとするスマートデバイスがお披露目されている。Pixel 4の注目点はソフトウェアを含むカメラ機能の進化のみならず、「レーダーを使って手をかざすだけで簡単な操作ができる『モーションセンス』という新機能」といえそうだ(ケータイWatch)。
また、完全無線イヤフォンのPixel Budsも発表された。「スマートフォン(AndroidおよびiOS)やPCとBluetoothで接続し、Pixel Budsのマイクに『Hey Google』と発声することでGoogleアシスタントを起動してさまざまな操作を行える。先代同様、リアルタイム翻訳もできる」(ITmedia)とされる。ここのところ各社から「イヤホン」の発表が相次いでいるが、イヤホンというよりはいわゆる「ヒアラブル」デバイスとしての進化が著しい。
また、「ユーザーのリクエストを常にクラウドで処理しなくても、スマホ上でこれまで以上に多くの処理が可能になる」(AV Watch)ともされているアーキテクチャーが、中期的に見てアップル社のiPhoneとの差別化にどう影響するかということも注目点か。
ニュースソース
- Google、13.3型タッチ液晶搭載の薄型モバイルノート「Pixelbook Go」[PC Watch]
- Google、カメラやジェスチャー操作に対応した10型「Nest Hub Max」[Impress Watch]
- Google、完全無線イヤフォン「Pixel Buds」を179ドルで来春発売 日本でも[ITmedia]
- Google、認証端末「Titanセキュリティキー」のUSB-Cモデルを40ドルで発売へ[ITmedia]
- グーグルの新スマホ「Pixel 4」発表、デュアルカメラや新機能「モーションセンス」を搭載[ケータイWatch]
- メッシュWi-Fi対応ルーター「Google Nest Wifi」近日発売 2台パックで3万強、スマートスピーカー機能も内蔵[INTERNET Watch]
- Google「Pixel 4/4 XL」日本発売は10月24日。89,980円から[AV Watch]
4. リブラ協会:21社で正式始動=7社が離脱
先週のこの記事でも紹介したように、リブラ協会は当初名前の挙がっていた28社から7社が離脱をし、最終的には21社が設立理事会に参加して正式にローンチした(仮想通貨Watch)。離脱したのはPayPal、eBay、Stripe、Mastercard、Visa、Mercard Pago、Booking.comで、国際的な大手決済会社の撤退がどう影響するかということも懸念される。
一方、米フェイスブックでリブラ事業を統括するデービッド・マーカス氏が「規制面の懸念が解消されれば、銀行やその他金融機関など100社がリブラに参加することが見込まれる」と述べたとも伝えられていて、決済サービスを提供する企業が離脱した原因でもあり、今後の最大の課題は各国の規制への対処であるという認識も表明している(ロイター)。
5. イベントカレンダー:「Internet Week 2019」「Inter BEE 2019」ほか
今年も「Internet Week」(一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター:JPNIC)の参加受付が始まった。今年のテーマは「新陳代謝」と発表され、インターネットの歴史約30年、そのなかで、変わりつつある技術に対する認識を深めようというコンセプトである。
その他、音と映像と通信の展示会「Inter Bee」、デジタルアーカイブなどについての出展も期待される「図書館総合展」も予定されている。
ニュースソース
- 図書館総合展(11月12日~11月14日)パフィシコ横浜[公式ページ]
- Inter BEE 2019(11月13日~11月15日)幕張メッセ[公式ページ]
- IAjapanの「第19回迷惑メール対策カンファレンス」11月14日・15日に開催、「JPAAWG 2nd General Meeting」も同時開催[INTERNET Watch]
- 今年のInternet Weekは「新陳代謝」がテーマ、11月26日~29日に「Internet Week 2019」開催[INTERNET Watch]