インタビュー

ANAアバターが目指す「意識だけ移動する未来」、瞬間移動「アバターイン」が実装された社会をCEATECで実体験!

教師が入れば授業、医師が入れば医療支援、科学者が入れば実験を……

 CEATEC 2019の主催者企画展示として注目を集めているのが、産業の枠を超えて、複数の企業が出展する「Society 5.0 TOWN」だ。そして、そのエリアへの出展企業として、会期前から注目を集めている1社がANAホールディングスである。

 初出展の同社が展示するのは、「ANAアバター」サービス。同社が「瞬間移動手段」と位置づけるこのサービスは、VR、ロボティクス、センサー、ハプティクス(触覚)といった最先端テクノロジーを用いて、距離、身体、文化、時間といったあらゆる制限を超える「移動手段」。そしてCEATEC 2019では、それを活用した、未来の暮らしを提案する。

【出展されるアバター(一部)】

 また、ANAアバターを使って、Society 5.0 TOWNに出展する他の企業との連携も行うという。ANAホールディングスのグループ経営戦略室アバター準備室の深堀 昂ディレクターに、CEATEC 2019における取り組みについて聞いた。

人類が超えられなかった「距離」と「肉体」を「アバターイン」で超越アバターへの「瞬間移動」で、作業やコミュニケーションを

ANAホールディングス グループ経営戦略室アバター準備室 深堀 昂ディレクター

――ANAホールディングスは、今回のCEATEC 2019で初出展ですが、なにを展示する予定ですか?

[深堀氏] 当社がブースを構える「Society 5.0 TOWN」は、2030年の「まち」をイメージしたエリアですが、当社は「アバターロボットを用いた少し未来の暮らし」を、リアルなアバター体験とともに紹介することになります。視点としては働き方や教育、家庭、ショッピングなどになるはずです。

 当社が取り組んでいるANAアバターとは、人類がこれまで超えられなかった「距離」と「肉体」の限界を超えることができる技術で、距離、身体、文化、時間といったあらゆる制限を超える瞬間移動手段と位置づけています。

 VRやロボティクス、センサー、ハプティクス(触覚)などの最先端テクノロジーを活用することで、異なる複数の場所に設置したアバターロボットに「アバターイン」をして、「見て」、「聞いて」、「感じて」、あたかもそこに自分自身が存在しているかのように、コミュニケーションや作業を行うことができます。

 CEATEC 2019は、ANAアバターの本格的展開を発表する場であり、また、実体験の場と位置づけ、「アバターが日々の生活をどう変えるのか、社会をどう変えるのか」といったことを知っていただく機会にしたいですね。

 多くの人々がより緊密につながったり、障害のある方を含めてあらゆる人が社会参画できる可能性を、具体的な事例を通じて提示します。

【ANAアバターの解説動画】

――そもそもアバターとはなんですか?

HMDなどを装着し、アバターに「アバターイン」することで瞬間移動、様々なことが行える
使い方も様々に想定されている

[深堀氏] ANAホールディングスが取り組むANAアバターは、「次世代モビリティ×人間拡張のテクノロジー」と定義しています。

 遠隔地に置かれたロボットに、意識や技能、存在感を、インターネットを介して伝送し、移動に関する課題を解決したり、身体的な制約を取り除くことができます。

 たとえば、利用者がヘッドマウントディスプレイ、イヤホン、グローブをつけ、遠隔地にあるANAアバターに「アバターイン」すると、遠隔地では利用者自身のようにアバターが連動して動きます。そして、実物が見えたり、聞こえたり、手に感触が伝わったりといったことが可能になり、リアルタイムでのコミュニケーションや作業を行えます。

 ANAアバターのロゴは、扉が開いたようなイメージのものを使用していますが、ドラえもんの「どこでもドア」のように、テクノロジーを使って場所を移動するだけでなく、「どこでもドア」では解決できなかった身体的障害がある人が、移動した先では身体的制約から解放され、能力を拡張して活動するといったことができます。

 ANAアバターの実証実験では、ALS(筋萎縮性側索硬化症)でベッドに寝たきりとなっている方が、視線だけで遠隔地のカフェで働くロボットを操作し、接客し、それによって収入を得ることができたといった事も行いました。

 さらに、沖縄の美ら海水族館との実証実験では、閉館後にアバターで館内を見学できるような検証を行いました。遠隔地から水族館を見学できますし、今後はAR技術などを活用して、そこに魚の情報なども表示できます。距離については、例えば、時差のある場所から見学していただく、ということも可能です。閉館後は収入を生まないのがこれまでの水族館でしたが、アバターの活用で、閉館後でも来館者による収入を得られる、という可能性が生まれています。高齢者および障がいがあり実際に行くことが難しい方々が今後アバターで自由に訪問することができるようになるのではないかと期待しております。

【美ら海水族館でのアバター実証実験の様子】
キャプション

目指すは「意識だけを移動させる時代」「全ての人に心の翼を」

――エアラインであるANAが、アバターに取り組む理由はなんですか?

[深堀氏] 当社は、もともと2機のヘリコプターから事業をスタートし、現在はエアラインという事業を通じて、「安心と信頼」を基礎に、世界をつなぐ心の翼として、夢にあふれる未来に貢献することを目指しています。しかし、実際にエアラインを利用している人は、全世界の人口のわずか6%です。

 空港施設には広い土地が必要ですし、移動にかかるコストや時間も小さいものではありません。そして、身体的に飛行機に乗ることができない方々もいらっしゃいます。そうした課題に対し、「より多くの人たちが使える乗り物はなにか」。それをまっさらな状態から検討をし、導き出したのがアバターです。

 アバターを社会で活用することで、移動における時間の制約やコストの制約、インフラの制約といったものが一気になくなります。

 ANAアバターを体験してもらった人に感想を聞くと、多くの人が手元で行っている(実際の肉体が行っている)操作の体験を語るのではなく、(アバターを介して体験した)遠隔地での体験の結果を語ります。つまり、意識は、離れた場所での体験に集中していて、結果として「移動」という制約が一切なくなっていることがわかります。

 人類は、生身の身体を移動させることに縛られてきましたが、これからは意識だけを移動させることができるようになります。

 もちろん、ピクニックや旅行といったように、移動自体を目的にしたり、それを楽しんだりすることも大切です。しかし、「できれば移動に時間をかけたくない」という場合も多々あります。将来、自動運転のクルマで楽に移動できたとしても、「30分の会議のために、往復2時間をかけたくない」という人もいるわけです。

 国際線のビジネスクラスで快適に移動しても、そもそも移動自体を負担に思っている人もいるでしょう。限られた人生のなかで、移動時間はなるべく減らし、体験を増やすということができるのがアバターだといえます。

目指すは「膨大な人々がアバターを使う未来」XPRIZEの賞金レースも開始、産官学連携も多くの分野で

――しかし、ANAの事業は、人が移動することによって成り立っています。移動をなくすことはビシネスモデルを破壊することになるのでは。

[深堀氏] 先に触れたように、エアラインの利用者は全世界の6%で、その市場をエアライン各社で分け合っています。

 しかし、アバターの実現に必要なのは、エネルギーとインターネットであり、インターネットにつながっている人の数も膨大で、空港利用者数とは比較にならないほど大きなものです。

 ですから、将来のエアラインによる市場規模と、アバターによる市場規模を比較したら、アバター市場の方が大きくなることは間違いないでしょう。実際、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが、今後、急成長するトップ10の技術のひとつにアバター技術を選定し、 2025年までに数1000億円の市場に成長すると予測しています。

 アバターは新たな移動手段であり、次世代のモビリティであり、そこで体験を提供できるサービスです。ANAは、そこに将来のビジネスチャンスを感じていると捉えていただければと思います。むしろ、移動そのもののサービスを提供しているANAだからこそ、アバターによる新たなビジネス提案を行うことに意味があると考えています。

――ANAアバターへの取り組みは、どんなフェーズにありますか。

[深堀氏] ANAは、「2018-2022年度グループ中期経営戦略」において、Society 5.0の実現に向けた取り組みのひとつとして「AVATAR」事業を始動させ、それにあわせて、「ANA AVATAR VISION」を策定しました。「ANA AVATAR VISION」は、アバターに関する基礎技術を集約、発展させ、アバターで人々をつなぎ、世界をより良くすべくイノベーションを加速させることを目的としています。

 また、2019年4月にはアバター準備室を立ち上げて、それまでの有志を中心にした活動から大きく一歩を踏み出しました。今回のCEATEC 2019への出展はそうしたタイミングに入ってきたことも作用しています。まだ活動期間は短いのですが、このチームの活動は、スタートアップ企業もかなわないほどのスピードで動いていると自負しています。

 まずは、ANA独自のアバタークラウドファンディングを活用して、既存のアバター関連技術を用いたサービス企画やムーブメントを形成。さらに、大分県にある世界初のアバターテストフィールドで、宇宙開発や農林水産業、観光、教育、医療といった分野での実証実験を実施しています。

 ここでは、JAXAをはじめとした産官学の連携で、アバターによる月面施設の遠隔建設などの地上実証を行っています。この宇宙開発プログラムは、「AVATAR X」の名称で展開しており、すでに35の組織が参加しています。

 また、XPRIZE財団が主催する国際賞金レース「XPRIZE」で、「ANA AVATAR XPRIZE」が賞金レースのテーマに採用されました。日本企業としては初の採用で、2018年3月から4年間の期間で、総額10億円の賞金レースが始まっています。

 現在、世界81カ国から、820チームが参加を表明しており、ここには世界トップクラスの研究者や起業家、インフルエンサーが参加。エクスポネンシャル・テクノロジー(指数関数的に急成長している技術)と言われるロボティックスやVR/AR、センサー、通信、ハプティックス技術などを用い、様々なアバターの実現に取り組んでいます。

 実は、この活動にあわせて、私たちが仲介役となり、異なる技術を結び付ける活動も進めています。それぞれの技術は個別に開発が進んでいるわけですが、それらを融合し、実用段階に進むには長い時間がかかります。当社がその支援をすることで、技術を進化させたり、より早く実用化を進めることができると思っています。

「誰もが使える身体」として、アバターを設置教師が入れば授業、医師が入れば医療支援、科学者が入れば実験を……

――ANAアバターの取り組みのなかで、CEATEC 2019への出展はどんな意味を持ちますか。

[深堀氏] ANAアバターでは、「国際賞金レース」「宇宙開発」といった技術開発の取り組みとともに、技術を社会に実装していく「社会インフラ」への取り組みも柱として重視しており、今回の出展は、その社会への実装にフォーカスしたものです。

 これまでも、様々なテーマで実証実験を行ってきましたが、どうもしっくりこない部分がありました。バラバラにやっていても、なかなか「社会には実装される」という感じがしないのです。

 そこで、今回のCEATEC 2019では、「ひとつのANAアバターを使って様々な用途に活用する」ということにも挑戦します。たとえば、街中のあらゆる場所にアバターがあり、そのなかに教師が入れば授業ができ、医師が入れば医療支援ができ、科学者が入れば実験を行う、といったことができるように、「誰もが使える身体」として、アバターを活用できる仕組みをお見せします。まさに、社会インフラとして、アバターを利用し、国内外の研究者や企業、個人がつながり、社会を活性化することができるわけです。

アバターに入る人次第で様々なことが行える

 GoogleMapのような地図サービスでは、デバイスを通じて街の様子を見ることができますが、そこにいる人に声をかけることはできません。しかし、アバターであればそこにいる人の肩をたたいて、リアルに話しかけることができますし、足元にある石を触る、なんてこともできるわけです。また、Amazonのようなショッビングサイトでは、商品説明がありますが、アバターを活用することで店員に直接話しかけたり、倉庫に入って在庫をみながら商品を選ぶことができます。

 アバターの魅力は、これまでのデジタルでは実現できなかった「デジタルワールドから、リアルワールドにつながる」といったことを可能にする点です。

 これが社会インフラとして実装されれば、デジタルとリアルの間にある、見えない厚い壁がなくなります。もしかしたら、首都圏や地方の格差や、地域や距離という概念すらなくなるかもしれません。


「階段を登れなくても、2Fにもう一台置けばいい」

 実証実験では、12世帯の単身赴任家庭で、ロボティクスを使ったアバターを導入した例があります。ここでは、栃木県の家にいる1歳半の子供を、イタリアにいるお父さんが面倒をみたり、大分県に住んでいる両親のもとにアバターを置き、東京にいる娘が会話をするといったことを行ないました。これらの実験では、「いちいち接続の手順を踏んで会話する」のではなく、「ロボットがそこにいて、いつでも会話に入れる」という状態にしたのですが、例えば4カ月に1回しか連絡をしなかった娘が、1日に2回以上会話をするという結果も出ています。

 これまでの仕組みでは、電話で時間をあわせたり、連絡のために作業を中断したりといったことが必要で、そのために連絡回数が減っていましたが、アバターであれば、いつでも声をかけられますし、「ロボット」という実体がある分、まさに「そこにいる」という感覚でコミュニケーションが図れます。たとえば、食器洗いをしているときにふと声をかける、なんてことも存在感があることで、自然にできます。

 この実証実験で驚いたのは、「画面の解像度をよくしてほしい」とか「2階まで移動できるようにしてほしい」という技術的な要望はなく、もっと安くしてほしいという要望の方が多かったことです(笑)。2階にのぼれなくても、2階に別のアバターを置けば解決するから、それが実現すればいいと(笑)。

 CEATECでは、こうした「社会実装」という点で、技術以外になにが求められるのかといったことも知りたいですね。

来場者が「アバターイン」できるアバターを40台用意三越で買い物したり、他社ブースを見学したり……

――CEATEC 2019での具体的な展示内容を教えてください。

ブースの全体イメージ
「ミュージアム&ショッピング」:遠隔で水族館を訪れたり、お店でショッピングしたりできる。また、他のブースを訪れることもできるという

[深堀氏] 大きく6つのテーマに分けて展示をします。

 ひとつめは、「ミュージアム&ショッピング」で、自宅のリビングにいながら、世界中のミュージアムの観賞や ショッピングを楽しむ体験ができるようにします。ここでは、新型のアバターロボットを約40台用意し、一例として、日本橋の三越とも結んで、アバターを通じたショッピングをできるようにします。

 また、この新型アバターロボットを利用して、Society 5.0 TOWNに出展している他社ブースを訪れることが可能です。つまり、来場者の方は、「ANAブースに居ながら、他社ブースを見学する」という体験をしていただけるというわけです。この目的のために、世界初の「アバター走行専用レーン」をSociety 5.0 TOWNに用意していただきました。将来の街には、自動車走行専用レーンのようなアバター走行専用レーンが生まれると思っています。その姿を先駆けてお見せできる、と思っています。

「Society 5.0 TOWN」の配置図。中央の青い線が「アバター走行専用レーン」。

今回初公開となる新型アバター。事前に申し込んだ来場者が実際に操作をすることができる。
アバターの操作画面
釣りアバター
二足歩行タイプも展示予定

「フィッシング」:大分県の釣り堀に設置された釣りアバターロボットにアバターインし、釣り体験が可能(釣り場の天候や釣りアバターの機材状況により、体験できない場合あり)
「スキルシェア」:ウェアラブルアバターにアバターインすることで、「体験の共有」が実感可能。高い技術を持つ技術者が後進に対して遠隔で技術指導を行うことで技術の伝承に役立てたり、遠隔でピアノや習字の個人レッスンも行えるようになる
「レッスン」:ANAのCAが「おもてなし講座」などの遠隔授業を実施
「クッキング」:ハンドアバターが、キッチンで「遠隔調理」を実演

 2つめは、「フィッシング」です。大分県佐伯市の釣り堀に設置した釣りアバターロボットを使って、釣り体験ができます。会場の釣り具と、現地に設置した釣り具が連動しており、その弾力などが手元に伝わります。CEATEC 2019の会場から、大分県の釣り堀の魚を釣り上げる人が出ると思いますよ(笑)。釣りアバターを強化したり、支援機能を搭載すれば、将来的には、「大間のまぐろを、都内にいる小学生が釣り上げる」といったことができるようになると思います(笑)

 3つめが、「スキルシェア」です。社内では「二人羽織アバター」と名付けているウェアラブルアバターを背負うことで、もうひとつの腕を使って技術指導を行ったり、作業を支援したりできます。

 羽田空港のANAの整備拠点には最上位の技術を持ったグループマイスターと呼ばれる整備士が所属していますが、世界各地の空港にいる若い整備士が、ウェアラブルアバターを背負えば、「肩にいつもハイスキル整備士」といった状況で作業支援を受けたり、特徴的な専門知識を持った整備士がいつでもサポートしてくれる状況が生まれます。ピアノや習字のレッスンでも「遠隔地で先生が教える」といったことができますし、動物園の飼育員がこれを背負ってライオンのもとにいけば、普通の人がライオンを触り、その触感を得るといったこともできるでしょう。

 私は、これを使えば、将来的には「アバターチューバー」のような仕事も生まれるのではないかと予想しています(笑)。時間が空いている人が、これを背負って買い物に行ったり、様々な作業を手伝ってくれるということが可能になるからです。

 4つめは、「レッスン」です。アバターロボットを使って、学校がない地域の子供のもとに教師が瞬間移動して授業を行ったり、病気で学校に通えない子供が教室で仲間と授業を受けられるようになります。ブースでは、ANAのCAが、アバターを利用して、「おもてなし講座」などの遠隔授業を行う予定です。

 5つめが「クッキング」です。ハンドアバターによって、キッチンで「遠隔調理」ができるようになるもので、遠くに住んでいる一人暮らしの親のもとに瞬間移動して、料理をつくるといったことができます。この技術を活用して、遠隔地からの介護支援なども可能になります。今回は、世界最先端のハンドアバター技術をお見せすることができます。

未来のアバターロボットも展示予定

 そして、最後が「フューチャーテック」として、未来のアバターロボットも展示します。これは、上半身と両腕をそなえた二足歩行型のロボットで、屋外を歩き、人間が行けるところなら、どこでもアバターロボットが歩いて行けます。山道でも5km走破しますし、階段も登ります。18kgまでの荷物を持つこともできますから、届け物に利用できますし、緊急時に「まずはアバターロボットが駆けつけ、生体反応があった場所にレスキュー隊員が入る」など、人とロボットを融合した使い方もできます。

基調講演で共創をアピール、「ANAアバターは、あらゆる人が参加できる取り組み」企業や研究機関、自治体、学生、子供、シニア………あらゆる人に体験してほしい

――CEATEC 2019に出展した成果として、どんなことを期待しているのでしょうか

[深堀氏] 私たちの取り組みは、Society 5.0の実現に直結するものだと考えています。その点で見ると、Society 5.0の実現を目指す総合展示会であるCEATEC 2019は、私たちに最も適した場所であるといえます。来場する企業の方々や、出展企業だけでなく、技術にはあまり関心がないが、明るい未来には興味を持っているといった一般の方々にも幅広く、未来を体験できる場にしたいと思っています。

 また、開催初日(10月15日)には、ANAホールディングス代表取締役社長である片野坂真哉が基調講演を行い、未来に向けたANAアバターの可能性を説明します。ここでは、「多くの企業と共創していくことが重要である」との姿勢を明確に打ち出す予定です。

 様々な産業の企業はもちろん、研究機関、官公庁、自治体、さらには学生や子供、シニアにも、このムーブメントに参加してもらいたいと思っています。

 ANAアバターは、あらゆる人が参加できる取り組みですので、そこに目を向けてもらうきっかけにしたいですね。

 スマートフォンが登場する前には、スマートフォンの良さを伝えるのが難しく、実際に触ってもらうことで、その良さが初めて多くの人に伝わったように、ANAアバターも、これまでにない良さを知っていただくために、ぜひ体験をしてもらいたいと思っています。

 ANAは、国際線45都市82路線、国内線50都市121路線に就航し、一日約1000便を運航していますが、CEATEC 2019のANAブースに来ても、飛行機に関する展示は一切ありませんし、新規路線就航の話もありません(笑)。新たなビジネスクラスのシートや、進化した食事は体験してもらえません。しかし、新たなANAの挑戦には触れていただけます。ブース内では、多くの方々にANA アバターを実体験していただけるようにしています。ぜひ、ANAブースに来ていただき、未来の暮らしを体験してほしいですね。