被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー
それってネット詐欺ですよ!
案の定、猛威を振るい始めたコロナ・ネット詐欺の事例パターンを学ぶ
2020年5月8日 06:00
社会の注目度が高いニュースがあると、そこに絡んだネット詐欺が発生するのは世の常です。当然、新型コロナウィルスに絡んだネット詐欺も登場してきます。2~3月はマスクをネタにした詐欺が主流でしたが、今は様々なパターンの手口が出回っています。犯人達は、ここぞとばかりに活動しているようです。
あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。
最近では、「給付金の申請を代行する」という詐欺の電話が相次いでいることがニュースになっていました。すでに17件の事例が確認されており、手数料などという名目で数万円をだまし取られます。新型コロナウィルスを口実にしたオレオレ詐欺も確認されており、都内の女性が1000万円をだまし取られるという事件も発生しています。
フィッシング詐欺としては、厚生労働省のホームページの偽サイトが現れました。新型コロナウィルス関連の情報を掲載し、フィッシングサイトへ誘導しようとするものです。厚生労働省ホームページアドレスは「https://www.mhlw.go.jp/」です。フィッシングサイトに誘導されないために、メールに記載されているリンクはクリックせず、自分で保存したブックマークや、検索した結果からウェブサイトを開くように心掛けましょう。
LINEでは日本国内の8300万ユーザーに対して新型コロナウィルスに関するアンケート調査を行いましたが、そのアンケートを模したネット詐欺も発生しました。アンケートでクレジットカード情報を尋ねてくるのが特徴ですがが、アンケートには関係がない情報の入力を求められたら、一旦作業を止めて怪しむようにしましょう。
ネット詐欺専用セキュリティーソフト「詐欺ウォール」を提供するBBソフトサービス株式会社は、新型コロナウイルスに便乗した偽販売サイトについてのレポートを公開しました。偽販売サイトではニーズが高まっている商品を手頃な価格で販売するように見せていますが、実際は商品を送ってきません。
2020年3月度は、偽販売サイトのうち15.9%がマスクや除菌スプレーといった商品を取り扱っていました。他には、プリンターのインクカートリッジやPC用モニターといったテレワーク関連の商品を扱うサイトも確認されたようです。今、テレワークを慌てて導入しようとしている企業が増えています。デジタルリテラシーが高くない企業だと、安いという価格だけで手を出してしまいかねません。
詐欺に遭いたくないなら、可能な限り有名な大手のショップで購入しましょう。Amazon.co.jpや楽天などで購入すると、万一のときもサポートが受けられるので安心です。
このほか、ネット詐欺ではないのですが、警視庁が公開している防犯情報に、「これはリアルからネットに移行する」と思った手口があったので先に紹介しておきます。
例えば、浄水器の売り込みでは「手持ちの機器を使っていると必ずコロナウィルス」に感染するよ、と脅すそうです。卑劣すぎます。また、電力会社を名乗り、「電気代が1カ月無料になるので書類にハンコをください」とアポを取ろうとする事例も発生したそうです。
神奈川県では、県営水道をかたったり水道局から頼まれたと嘘をつき、「水道管にコロナウィルスが入っている」と言って、洗浄や除去の名目で金銭を要求してくる詐欺がありました。
これらの手口はメールなどに置き換えることも可能です。何千万通をばらまくことによって、数人でも引っかかってくれれば、大もうけです。電話をしたり、リスクを背負って被害者の家に行く必要もありません。家でPCを操作するだけで、詐欺メールは送信できるのです。普段から神経を張り巡らせて、新型コロナウィルス詐欺に遭わないようにしてください。
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NPO法人DLIS(デジタルリテラシー向上機構)
高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。