被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー
それってネット詐欺ですよ!
生駒里奈さんも引っ掛かってしまった! SMSの「スミッシング詐欺」で不正利用の被害に
2021年3月19日 06:00
現在、女優として活躍中の生駒里奈さんは、1月上旬にスミッシング詐欺の被害に遭ったことについて、自身のYouTubeチャンネルや、テレビ番組で報告しました。
⬜️IKOMACHANNEL⬜️
— 生駒里奈 スタッフ (@ikomarina_staff)January 16, 2021
2021.01.16
===================
生駒里奈、新年早々〇〇に遭いました。。。
→https://t.co/Rc0P9Fs7HP
===================#IKOMACHANNEL#生駒里奈#生駒ちゃんpic.twitter.com/jdakC0AEpz
2020年12月中旬、いつも使っているショッピングサイトから「カード番号を再登録して更新しないと使えません」といった内容のショートメッセージ(SMS)が届きましたが、この内容を信じてしまったことが問題につながってしまいました。
SMSのリンク先のウェブサイトでクレジットカード情報を入力すると、エラーが表示されたため、別のクレジットカード情報も入力したようです。しかし、繰り返しエラーが表示されたため、不審に思ってクレジットカード会社のウェブサイトに直接アクセスしてみたところ、問題なくログインできました。
最初にアクセスしたウェブサイトは偽物で、入力した情報が悪用されて結果的に15万円ほどの不正利用の被害に遭ってしまったのです。
「Uber Eats」でクレジットカードが使えなかったため、困っていたところ、クレジットカード会社から、ブランドものの靴や服をたくさん購入したかどうか確認の電話が来ました。本人は身に覚えがなかったため、不正利用の被害に遭っていることがここで発覚したのです。被害額がさらに膨れ上がる前にクレジットカード会社が気が付いて利用を停止しました。
初めてフィッシング詐欺に引っ掛かったので、そのときは補償を受けることができましたが、2回目はないと言われたそうです。別のクレジットカード会社にも連絡をして利用を停止したので、クレジットカードが使えない状態になり、大変な思いをされたようです。
生駒さんは「(ネット詐欺)メールはおかしいので気付くよ、とよく言われますが、よく通販を使う人が見ると、やらなきゃ(更新しなきゃ)と思っちゃうんです。気を付けてください」と注意を呼び掛けました。
このネット詐欺はSMSを使ったフィッシング詐欺である「スミッシング詐欺」です。
ポイントはSMSで来ている点です。通常のメールと比べると、SMSは到達率が高い上に読まれる確率も高いのです。SMSでは送れる文字数に制限があるので、説明が不足していても仕方がないと思ってしまいがちで、とりあえず記載されているリンクを開いてしまうケースが多いのです。
メールはタダで送信できるので、何億通でもばらまけます。しかし、SMSの送信には料金がかかります。サイバー犯罪者はその料金を負担しているのですが、それでも利益が出てしまうほど効率が良い方法になるのでしょう。
本物のSMSと同じスレッドに表示されるケースも、Amazonをかたるスミッシング詐欺
フィッシング対策協議会が2月3日に出した報告によると、Amazonをかたるスミッシング詐欺が多く確認されているそうです。怖いことに、差出人を「Amazon」と偽るだけでなく、本物のAmazonからのSMSと同じスレッドに偽のSMSが表示されるケースもあるようです。
2020年12月には、吉本興業所属のお笑い芸人であるエハラマサヒロさんがAmazonをかたるフィッシングメールに引っ掛かってしまい、クレジットカードの限度額まで不正利用されてしまいました。
このように、個人情報の漏えいに人一倍気を遣っているはずの有名人でも、スミッシング詐欺やフィッシング詐欺に引っ掛かってしまうことがあります。
対策としては、基本的にSMSやメールに記載されているリンクを開かないことです。自分でそのサービスに直接アクセスしてログインすることで、偽サイトにアカウント情報を入力してしまうことを回避できます。
もしも入力したことに気が付いた場合は、カード会社に連絡して再発行してもらいましょう。即対応できれば被害を最小限に抑えることができるかもしれません。
最も効果があるのは、この手の詐欺が流行っていることを知ることです。被害に遭った人の話を聞くと、そんな詐欺があることを知らなかった、というケースが多いです。
もし、インターネットの使い方が苦手な人が身近にいる場合は、本連載の記事をシェアして読むように勧めてあげてください。事例を知っていれば、警戒心を抱くことができます。警戒心があれば、詐欺被害も減少することでしょう。
あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。
「被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー」の注目記事
- みちょぱ、団長安田、ゴリけん…タレントが相次いで詐欺被害を告白、その手口とは
- チェーンメールで有名だった「神の手雲」が15年ぶりにLINEで回ってきた
- マイナポイント第2弾に便乗、「獲得したポイント2万円分が失効する」という詐欺メールが拡散中
- 注文した覚えはないのに? Amazonから代引き商品が送りつけられる詐欺に注意
- キャッシュカード&暗証番号を渡さなくても口座のお金が盗まれることも。自称「警察」から口座開設を求められたら要注意
- 「電話料金の未納があります」、フィリピンからNTTファイナンスをかたる怪しい国際電話がかかってきた
- Facebookで明石家さんまさん、大坂なおみさんなど著名人の写真を悪用したネット詐欺が横行中
- URLが本物そっくりな詐欺サイトに注意! 「ホモグラフ攻撃」などの手法を知っておこう
- ノブコブ吉村さんも遭遇、「PCのカメラからシャッター音! 何か撮影された!?」と驚かせる手口とは?
- SMSで不在通知が届いてもURLはクリック禁止! 偽宅配詐欺に要注意
- そのほかの詐欺事例など、この連載の記事一覧はこちら
高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。