被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

それってネット詐欺ですよ!

芸人のエハラマサヒロさんも50万円の金銭被害、Amazonをかたるフィッシング詐欺

 12月3日、吉本興業所属のお笑い芸人であるエハラマサヒロさんがテレビ番組に出演し、フィッシング詐欺で金銭的な被害に遭ったことを明かしました。

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

 ある日、エハラさんはスマートフォンを買い換えたのですが、その直後にAmazonをかたるメールからアカウントの更新を促すメールを受け取りました。彼は「1ミリも」疑うことなくログインし、さらにはクレジットカード情報を入力しました。最初から信じてしまっていたため、URLを確認したり、なぜ番号を聞かれるのかというところまでは気が回りませんでした。

 その後、2日間でクレジットカードの限度額まで家電を買っているという連絡がカード会社から来ました。もちろん、エハラさんは身に覚えがなかったため、ここで不正利用されていることに気が付いたのです。被害総額は40~50万円に上ったそうです。

 エハラさんは誤って情報を入力したフィッシングサイトのキャプチャー画像を付けて、「このログイン画面ニセモノなんだぜ…」と投稿しています。「基本的にすげー警戒する人なのにこれはわからんかった」とツイートされているように、フィッシングサイトの見た目は本物そっくりです。

 筆者の元には毎朝5時前後に、Amazonだけでも数十通のフィッシングメールが届きます。全く同じ文面のメールもあるのですが、全て異なるメールアドレスから届きます。

 試しにメールのリンク先へアクセスすると、まずはIDのメールアドレスとパスワードの入力画面が表示されます。どんな文字列を入力してもログインは成功するようになっており、次の画面では個人情報やクレジットカード情報の入力を求められます。ここで、パスワードをわざと間違えたものにして入力しても通ってしまったら、フィッシングサイトだと疑うことができます。

 Amazonはショッピングサイトなので、クレジットカード情報を求められてもおかしくないというのも見分けるのが難しいポイントです。しかし、ログイン画面は本物そっくりに似せていても、表示される日本語がおかしいことが多いので、見破るチャンスはあります。しかし、最初から信じている場合は、気が付かないことでしょう。

Amazonアカウントに続いて個人情報とカード情報を求めてきます。画面は筆者撮影

 フィッシングサイトができてからしばらく経ってからアクセスすると「偽サイトにアクセスしようとしています」などとウェブブラウザー側で警告が出て、被害を回避することができます。しかし、できたばかりのフィッシングサイトだとこの表示が出ないことがあります。

フィッシングサイトを開こうとした場合、ウェブブラウザーから警告画面が出ることがあります

 ネットサービスを利用しているなら、誰もがフィッシング詐欺の被害に遭う可能性があります。自分だけは大丈夫と思わないでください。

 対策として、不審なメールのリンクを安易に開かないようにしてください。Amazonのユーザー情報を変更するなら、自分でAmazonのウェブサイトを検索して開いたり、あらかじめ登録したブックマークからアクセスしてからログインするようにしましょう。安全にネットサービスを使うなら、デジタルリテラシーを身に付ける必要があります。今回のケースを覚えておき、家族にもフィッシング詐欺に関する情報を教えてあげてください。

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NPO法人DLIS(デジタルリテラシー向上機構)

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「support@dlis.info」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。