被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

それってネット詐欺ですよ!

ZOZOの社長から100万円振り込むので手数料を振り込むようにDMが来た

 ZOZOの前澤友作社長が、Twitterをリツイートすることで100万円を100人に総額1億円プレゼントという企画を行いました。実際に当選した人の投稿も相まって大盛況となっています。ニュースにもなっているので、目にした人も多いでしょう。第2弾も検討中というツイートも投稿され、今最も注目されているTwitterアカウントとなっています。

 とは言え、お金と注目が集まることが起きると、関連するネット詐欺も発生します。前澤社長も「偽 前澤友作からのDMにご注意ください」と注意喚起のツイートを投稿しました。

前澤社長が投稿した、偽アカウントへの注意喚起ツイート

 ネットで報告されているのは、100万円プレゼントに当選したので、手数料を振り込むようにというネット詐欺です。離れたところから見ていると、明らかに詐欺に決まっているのですが、頭から当たると思い込んでいる人がDMをもらうと、コロッと信じてしまうことがあるのです。

 似た名前の偽アカウントのほか、社長室のような部下を装って連絡してくることがあります。前澤社長はTwitterアカウントの横に認証マークが付いているのを確認するようにとツイートしましたが、部下と名乗られてしまうとどうしようもありません。

 数万円の手数料を振り込むように言われて引っかかる人は少ないかもしれませんが、当選したので銀行の口座番号を教えてくれ、と言われたらどうでしょうか。お金を失うわけではないからと、ノータイムで教える人が多いのではないでしょうか。

 銀行口座の情報も立派な個人情報で、犯罪に利用されることもあります。定番は「押し付け詐欺」です。取得した銀行口座に1~2万円を振り込んでくるのです。そして、しばらくしてから法外な利息を付けて、返済するように連絡してくるのです。もちろん、弁護士などに依頼すればなんとかなることがほとんどですが、欲望にかられて口座番号を見知らぬ人に教えてしまったのが原因でもあります。

 対策としては、連絡してきた相手のアカウントを確認し、信頼性をきちんと判断することが重要です。今回の件では、本人であれば信用できますが、それ以外であれば警戒信号です。関係ない人からDMが届かないようにしておくのもありです。Twitterの設定で「すべてのユーザーからダイレクトメッセージを受信する」を無効にしておくことをお勧めします。

 さらに、こちらが先にお金や個人情報を提供することにリスクを感じるようにしましょう。この手のイベントは、他のインフルエンサーも行っています。ネット詐欺のパターンは今後も増えていくことでしょう。事例だけでなく、心構えというリテラシーを身に付けないと、いつか被害に遭ってしまうかもしれません。

 まだ報告されていませんが、今後発生しそうなネット詐欺を予測してみました。「100万円プレゼントの振り込みが完了しましたが、期日までに返信しなかった人が12名いるので、繰り上げ当選しました!」という内容で、手数料や口座情報を求めてくるかもしれません。くれぐれも、引っかからないようにしてください。ご両親などが、落選して悔しがっている場合、あらかじめ注意喚起しておくことをお勧めします。

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

NPO法人DLIS(デジタルリテラシー向上機構)

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。