2009/08/31~09/06


 今年もセキュリティソフト各社の新バージョンの発表の時期となり、先週は、ジャストシステムが「Kaspersky Internet Security 2010」、トレンドマイクロが「ウイルスバスター2010」、ジャングルが「G Data インターネットセキュリティ 2010」、エフセキュアが「エフセキュア インターネット セキュリティ 2010」、サンブリッジソリューションズが「BitDefender 2010」をそれぞれ発表した。

 昨年(2009年版)のトレンドとしてはプログラムの軽量化とスキャン速度の高速化があったが、2010年版でもそうした面の向上が引き続き図られている。これに加えて今年は、ウイルス定義ファイルに登録されていない未知の脅威への対策の強化が大きな流れとなっていると言えそうだ。そのための手段として、新種の脅威の情報を製品ユーザーから収集する方法が挙げられる。

 「Kaspersky Internet Security 2010」では、世界中のKasperskyユーザーからマルウェアや、その配信元の情報をリアルタイムに収集する「カスペルスキーセキュリティネットワーク(KSN)」を活用。収集した情報は、Kasperskyの脅威データベースと照合した上で、約40秒で「緊急検知システム(UDS)」に反映されるという。

 一方、「ウイルスバスター2010」でも、不正なファイルやWebサイトなどの情報をユーザーから収集するデータベース「Smart Protection Network(SPN)」の関連技術を導入。不正プログラムと思われるファイルが「いつ、どこで、どのような挙動をしようとしたのか」などの情報をデータベースに送信する「スマートフィードバック」機能を搭載し、最新の脅威にも迅速に対応できるようにしたという。

 今後、シマンテックやマカフィーなどからも2010年版新バーションが発表される見込みだが、これら大手が今年どのような新機能を搭載しているのかも注目される。

 このほか先週は、米googleが「Google Book Search(Googleブック検索)」でスキャン・公開する書籍についての使用条件などを定めた、いわゆる“Googleブック検索和解案”のオプトアウトの期限が9月4日だったこともあり、国内でも動きがいくつかあった。今後は、和解案の成立を審理する連邦地裁の最終公正公聴会が10月7日に予定されている。

「Opera 10」正式版が公開、高速化技術「Opera Turbo」を搭載
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090901_312287.html
 Opera Softwareが1日、Webブラウザ「Opera 10」の正式版を公開した。低速回線でのブラウジングを高速化する「Opera Turbo」機能を搭載。Operaが用意したサーバーを経由することでWebページのデータを圧縮し、低速なネットワーク環境でも快適に利用できるとしている。

3億ユーザーから情報を収集、脅威に対応する「Kaspersky 2010」
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090901_312293.html
 ジャストシステムは、セキュリティソフト「Kaspersky Internet Security 2010」を10月16日に発売する。2台のPCまでインストールが可能で、パッケージ版が7140円、ダウンロード版が4914円、ライセンス期間は1年間。Windows Vista/XPに対応しており、Windows 7には12月上旬までに対応する予定。

1ライセンス3台のWindowsとMacで使える「ウイルスバスター2010」
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090902_312473.html
 トレンドマイクロは、セキュリティソフト「ウイルスバスター2010」を発売した。「ウイルスバスター for Mac」も同梱しており、1ライセンスでWindowsとMac OSを問わずに計3台まで利用可能。ライセンス期間が1年間で、パッケージ版が5980円、ダウンロード版が4980円。

出版流通対策協議会、Googleブック検索の和解案離脱を説明
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090902_312575.html
 中小出版社99社で構成する出版流通対策協議会が2日、「Google Book Search」に関する訴訟からの和解案の離脱の表明と、和解案の却下を求める文書をニューヨーク南部地区連邦地裁判事に8月28日付けで送付したと発表した。

自著を無断公開された著作権者2人がグーグルを刑事告訴
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090903_312746.html
 ルポライターの明石昇二郎氏と写真家の福田文昭氏が3日、都内で記者会見を開催し、「Google Book Search」上で著書を無断公開されたことは著作権法違反にあたるとして、Googleの米国法人と日本法人を警視庁に刑事告訴したと発表した。

ストリートビューの「現在撮影中のエリア」、グーグルが情報公開
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090904_313009.html
 「Google マップ」の「ストリートビュー」機能をめぐり、総務省が運営元のグーグルに対して、個人のプライバシーに配慮した運用ルールを策定するように求めたことを受け、グーグルは4日、画像公開にあたって事前の情報提供を行ったり、サービス全般の周知を徹底する方針を明らかにした。また、「ストリートビュー」の画像を二次利用して、他人のプライバシーを侵害するような事例への対策として、被害者が二次利用を行うサイトを申告できる仕組みを用意することを発表。違法および悪質な二次利用を行うコンテンツ管理者には削除要求をはじめ、訴訟を含む法的手段を講じるほか、削除要請も受け入れられない場合は日本におけるグーグルのWeb検索のインデックスから除外するとした。

(編集部)

2009/9/7 11:19