Windows 7サポート終了まで約1年! どうするWindows 10アップグレード

Windows 7上での「クラウド」活用がスムーズな移行のカギ OneDriveやOutlook.comを活用してデータを移行しよう

 Windows 10へ環境をどう移行するか? アップグレードインストールでも新規インストールでもPCの買い換えでも、カギを握るのは「クラウド」の活用です。文書や画像、メールなどは、クラウドを使って効率的に新環境に移行しましょう。

何を移行すべきかをチェックしておこう

 Windows 7からWindows 10へ移行する際に、まず考えておくべきなのは、何を移行しなければならないかを洗い出すことです。

 文書、画像、音楽、メールなど、PCにはさまざまなデータや設定が保存されています。これらのうち、Windows 10へと移行しなければならないものを事前に確認しておきましょう。

 一般的な例では、以下のようなものが挙げられますが、環境によってはなかったり、無理に移行しなくてもいいものもあるでしょう。まずは、これらを棚卸しすることが大切です。

移行すべきデータ

  • Word、Excel、PowerPoint、PDFなどの文書
  • デジタルカメラやスマートフォンから取り込んだ写真
  • ビデオカメラやスマートフォンから取り込んだ動画
  • 音楽CDから取り込んだり、ダウンロード購入した音楽
  • 年賀状ソフトの住所録やデザイン
  • 会計ソフトやCADソフトなどのデータ
  • 過去に受診したメール
  • メールソフトのアドレス帳
  • ブラウザーのお気に入り
  • IMEの辞書

移行すべき設定

  • メールソフトに設定されているメールアドレス
  • ブラウザーのCookie

ファイルの存在をチェックすべき場所

  • 「ドキュメント」フォルダー
  • 「ピクチャ」フォルダー
  • 「ミュージック」フォルダー
  • デスクトップ
  • 「ダウンロード」フォルダー
  • Dドライブなど別のドライブ
  • アプリ内で管理されているデータ

5つの中から移行方法を選ぶ

 移行すべきデータを確認できたら、次に移行方法を検討します。次のように、いくつかの移行方法がありますが、お勧めしたいのはクラウドを利用する方法です。

データを移行する5つの方法
移行手段メリットデメリット
USB接続の外付けHDD経由大容量データを移行できるハードウェアが必要
NAS経由大容量データを移行できるハードウェアが必要。ネットワークに負荷が掛かる
LAN経由特別な機材が必要ない共有設定が必要。ネットワークに負荷が掛かる
USBなどのケーブル経由クローズドな環境でも移行できる専用ケーブル必要。遅い
クラウド経由同期で徐々に移行できる。移行元の操作だけで済む同期に時間が掛かる。クラウドの容量が必要

 例えば、OneDriveを経由してデータを同期したり、Outlook.comに過去のメールごと環境を移行したりする方法が考えられます。

 Microsoftアカウントを新規に作成すると、現在は無料で使えるOneDriveの容量が5GBとなるため、移行するデータ量が多い場合は、1TBの容量が利用できるOffice 365の有料サービスなどの契約も検討する必要もあります。しかし、移行だけでなく、外出先でのデータの利用やバックアップにも活用できるメリットもあります。

クラウドサービス「OneDrive」を使ったデータ移行

 Windows 10の最新バージョンであるOctober 2018 Updateでは、初期セットアップでOneDriveを有効化すると、自動的に「ドキュメント」「ピクチャ」「デスクトップ」がOneDriveと同期されるようになっています。なお、Windows 8.1/7からアップグレードした場合は「重要なフォルダーの保護」を手動でオンにする必要があります。

 このため、移行前のWindows 7の環境にOneDriveを導入して、あらかじめ必要なデータを同期しておけば、Windows 10に移行した後に、すぐに以前のデータをクラウド経由で使えるようになります。

1.OneDriveのソフトをインストール

 今使っているWindows 7に、OneDrive用のクライアントソフトをインストールします。

https://onedrive.live.com/にアクセスし(要Microsoftアカウント)、Windows用のOneDriveをインストール
Microsoftアカウントでサインインし、OneDriveを使えるようにしておく

2.重要なフォルダーの保護を有効化する

 最新版のOneDriveのソフトでは、[重要なフォルダーの保護]という機能を利用できます。この機能を設定すると、PC上の[ドキュメント][ピクチャ][デスクトップ]をOneDriveと同期できます。

タスクトレイのOneDriveアイコンをクリックし、[その他]から[設定]を開く。[自動保存]タブにある[重要なフォルダーを保護する]の[フォルダーの更新]をクリックし、[保護の開始]をクリックする

 これで、Windows 7のデータが自動的にクラウドに同期されます。ほかの場所に保存してあるデータも、同期対象となるいずれかのフォルダーへ移動やコピーしておけば、自動的に同期されます。

 この方法のメリットは、今すぐWindows 10に移行しなくても、事前にゆっくりと移行の準備ができることです。データを更新や追加したとしても、その場でOneDriveによって同期されるので、いざ移行するタイミングになっても、ファイルのコピーや同期が終わるのを長時間待つ必要がありません。

 ただし、ここで注意したいのがOneDriveの容量です。無料のプランでは5GBしか使えないので、それ以上のファイルがある場合は、外付けのHDDなどを使った移行を検討しましょう。

 なお、今使っているPCのWindows 7をWindows 10へアップグレードする場合、データはそのまま引き継がれるので、データ移行のための準備は基本的には不要です。ただし、アップグレードする場合でも、万が一の場合のバックアップとして活用できるので、同様にOneDriveにデータを同期しておくことをお勧めします。

メールデータはOutlook.com経由で移行する

 続いて、メールの移行方法を検討してみましょう。

 すでに、Outlook.comやGmailなどのクラウドサービスを利用している場合は、メールの移行は特に必要ありません。Windows 10に移行した後も、同様にブラウザーでメールサービスにアクセスすれば、同じ環境でメールを利用できます。

 問題は、プロバイダーなどで提供されてきたPOP3などのメールサービスを、「Outlook」などのメールソフトで利用している場合です。

 この場合、過去に受信したメールがPC上にのみ保存されている可能性があるため、受信済みのメールや連絡先のデータを移行する必要があります。

 メールの移行方法もいろいろ考えられますが、先の例と同様に、Windows 7の段階でクラウドサービスに移行してしまうのがお勧めです。ここでは、Outlookのアプリで受信した過去のメールをOutlook.comにアップロードする方法を解説しましょう。

1.OutlookにOutlook.comのアカウントを追加する

 アカウントの追加で、Microsoftアカウントを登録します。これで、Outlook.comのメールをOutlook上でやり取りできるようになります。

OutlookにMicrosoftアカウントを登録し、Outlook.comのメールをやり取りできるようにする

2.過去のメールをドラッグ

 Outlook上に、Outlook.comのフォルダーが表示されるので、そこに「古いメール」などのフォルダーを作成し、Outlookで受信したメールをドラッグします。これで、受信済みのメールがOutlook.comと同期されます。

Outlook.comにフォルダーを作成し、古いメールをドラッグする

3.同期される

 過去に受信したメールがOutlook.com上に同期されるので、Windows 10からブラウザーでOutlook.comにアクセスすれば、過去のメールも参照できるようになります。

Outlook.comから古いメールを参照できるようになる

 最後に移行するのは連絡先です。Outlookでは、PCに保存されている連絡先と、Outlook.com上の連絡先を同時に管理できるので、既存の連絡先をドラッグして、Outlook.com上に同期しておきます。

連絡先も同期できる

 なお、Outlook以外のアプリを使っている場合に、Outlook.com上でプロバイダーのメールを管理できるようにするには、Office 365のサポートページにある「その他のメールアカウントをOutlook.comに追加する」なども参考にするといいでしょう。

アプリ内のデータはエクスポートしてOneDriveへ

 このほか、移行時に注意が必要なのは、アプリ内に保存されているデータです。例えば、年賀状ソフトの住所録などが代表的です。

 こうしたデータは、アプリからいったんエクスポートしておきます。こうして、CSV形式などで[デスクトップ]などに保存しておけば、通常のデータと同じようにOneDrive経由で同期し、Windows 10に移行した後に再びインポートすればいいわけです。

 同様に、メールソフトのアカウント、ブラウザーのCookieなども、いったんファイルにエクスポートしてから移行するといいでしょう。

Windows 7でしっかり準備することが肝心

 以上、今回は移行方法の例を紹介しました。今回のポイントは、Windows 7上で準備をしておくという点です。

 移行作業は、移行するタイミングで一気に実施するようなイメージがあるかもしれませんが、クラウドを使えば、かなり前の段階から、徐々に移行の準備を進めることができます。

 Windows 7のサポート終了までは、まだ期間があるため、「移行は未定」という人もいるかもしれませんが、今のうちから、クラウドにデータを同期しておけば、いざ移行するときになっても、あわてずに済むでしょう。

清水 理史

製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できる Windows 10 活用編」ほか多数の著書がある。