Windows 7サポート終了まで約1年! どうするWindows 10アップグレード
Windows 7上での「クラウド」活用がスムーズな移行のカギ OneDriveやOutlook.comを活用してデータを移行しよう
2019年1月4日 06:00
Windows 10へ環境をどう移行するか? アップグレードインストールでも新規インストールでもPCの買い換えでも、カギを握るのは「クラウド」の活用です。文書や画像、メールなどは、クラウドを使って効率的に新環境に移行しましょう。
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何を移行すべきかをチェックしておこう
Windows 7からWindows 10へ移行する際に、まず考えておくべきなのは、何を移行しなければならないかを洗い出すことです。
文書、画像、音楽、メールなど、PCにはさまざまなデータや設定が保存されています。これらのうち、Windows 10へと移行しなければならないものを事前に確認しておきましょう。
一般的な例では、以下のようなものが挙げられますが、環境によってはなかったり、無理に移行しなくてもいいものもあるでしょう。まずは、これらを棚卸しすることが大切です。
移行すべきデータ
- Word、Excel、PowerPoint、PDFなどの文書
- デジタルカメラやスマートフォンから取り込んだ写真
- ビデオカメラやスマートフォンから取り込んだ動画
- 音楽CDから取り込んだり、ダウンロード購入した音楽
- 年賀状ソフトの住所録やデザイン
- 会計ソフトやCADソフトなどのデータ
- 過去に受信したメール
- メールソフトのアドレス帳
- ブラウザーのお気に入り
- IMEの辞書
移行すべき設定
- メールソフトに設定されているメールアドレス
- ブラウザーのCookie
ファイルの存在をチェックすべき場所
- 「ドキュメント」フォルダー
- 「ピクチャ」フォルダー
- 「ミュージック」フォルダー
- デスクトップ
- 「ダウンロード」フォルダー
- Dドライブなど別のドライブ
- アプリ内で管理されているデータ
5つの中から移行方法を選ぶ
移行すべきデータを確認できたら、次に移行方法を検討します。次のように、いくつかの移行方法がありますが、お勧めしたいのはクラウドを利用する方法です。
移行手段 | メリット | デメリット |
USB接続の外付けHDD経由 | 大容量データを移行できる | ハードウェアが必要 |
NAS経由 | 大容量データを移行できる | ハードウェアが必要。ネットワークに負荷が掛かる |
LAN経由 | 特別な機材が必要ない | 共有設定が必要。ネットワークに負荷が掛かる |
USBなどのケーブル経由 | クローズドな環境でも移行できる | 専用ケーブル必要。遅い |
クラウド経由 | 同期で徐々に移行できる。移行元の操作だけで済む | 同期に時間が掛かる。クラウドの容量が必要 |
例えば、OneDriveを経由してデータを同期したり、Outlook.comに過去のメールごと環境を移行したりする方法が考えられます。
Microsoftアカウントを新規に作成すると、現在は無料で使えるOneDriveの容量が5GBとなるため、移行するデータ量が多い場合は、1TBの容量が利用できるOffice 365の有料サービスなどの契約も検討する必要もあります。しかし、移行だけでなく、外出先でのデータの利用やバックアップにも活用できるメリットもあります。
クラウドサービス「OneDrive」を使ったデータ移行
Windows 10の最新バージョンであるOctober 2018 Updateでは、初期セットアップでOneDriveを有効化すると、自動的に「ドキュメント」「ピクチャ」「デスクトップ」がOneDriveと同期されるようになっています。なお、Windows 8.1/7からアップグレードした場合は「重要なフォルダーの保護」を手動でオンにする必要があります。
このため、移行前のWindows 7の環境にOneDriveを導入して、あらかじめ必要なデータを同期しておけば、Windows 10に移行した後に、すぐに以前のデータをクラウド経由で使えるようになります。
2.重要なフォルダーの保護を有効化する
最新版のOneDriveのソフトでは、[重要なフォルダーの保護]という機能を利用できます。この機能を設定すると、PC上の[ドキュメント][ピクチャ][デスクトップ]をOneDriveと同期できます。
これで、Windows 7のデータが自動的にクラウドに同期されます。ほかの場所に保存してあるデータも、同期対象となるいずれかのフォルダーへ移動やコピーしておけば、自動的に同期されます。
この方法のメリットは、今すぐWindows 10に移行しなくても、事前にゆっくりと移行の準備ができることです。データを更新や追加したとしても、その場でOneDriveによって同期されるので、いざ移行するタイミングになっても、ファイルのコピーや同期が終わるのを長時間待つ必要がありません。
ただし、ここで注意したいのがOneDriveの容量です。無料のプランでは5GBしか使えないので、それ以上のファイルがある場合は、外付けのHDDなどを使った移行を検討しましょう。
なお、今使っているPCのWindows 7をWindows 10へアップグレードする場合、データはそのまま引き継がれるので、データ移行のための準備は基本的には不要です。ただし、アップグレードする場合でも、万が一の場合のバックアップとして活用できるので、同様にOneDriveにデータを同期しておくことをお勧めします。
メールデータはOutlook.com経由で移行する
続いて、メールの移行方法を検討してみましょう。
すでに、Outlook.comやGmailなどのクラウドサービスを利用している場合は、メールの移行は特に必要ありません。Windows 10に移行した後も、同様にブラウザーでメールサービスにアクセスすれば、同じ環境でメールを利用できます。
問題は、プロバイダーなどで提供されてきたPOP3などのメールサービスを、「Outlook」などのメールソフトで利用している場合です。
この場合、過去に受信したメールがPC上にのみ保存されている可能性があるため、受信済みのメールや連絡先のデータを移行する必要があります。
メールの移行方法もいろいろ考えられますが、先の例と同様に、Windows 7の段階でクラウドサービスに移行してしまうのがお勧めです。ここでは、Outlookのアプリで受信した過去のメールをOutlook.comにアップロードする方法を解説しましょう。
1.OutlookにOutlook.comのアカウントを追加する
アカウントの追加で、Microsoftアカウントを登録します。これで、Outlook.comのメールをOutlook上でやり取りできるようになります。
2.過去のメールをドラッグ
Outlook上に、Outlook.comのフォルダーが表示されるので、そこに「古いメール」などのフォルダーを作成し、Outlookで受信したメールをドラッグします。これで、受信済みのメールがOutlook.comと同期されます。
3.同期される
過去に受信したメールがOutlook.com上に同期されるので、Windows 10からブラウザーでOutlook.comにアクセスすれば、過去のメールも参照できるようになります。
最後に移行するのは連絡先です。Outlookでは、PCに保存されている連絡先と、Outlook.com上の連絡先を同時に管理できるので、既存の連絡先をドラッグして、Outlook.com上に同期しておきます。
なお、Outlook以外のアプリを使っている場合に、Outlook.com上でプロバイダーのメールを管理できるようにするには、Office 365のサポートページにある「その他のメールアカウントをOutlook.comに追加する」なども参考にするといいでしょう。
アプリ内のデータはエクスポートしてOneDriveへ
このほか、移行時に注意が必要なのは、アプリ内に保存されているデータです。例えば、年賀状ソフトの住所録などが代表的です。
こうしたデータは、アプリからいったんエクスポートしておきます。こうして、CSV形式などで[デスクトップ]などに保存しておけば、通常のデータと同じようにOneDrive経由で同期し、Windows 10に移行した後に再びインポートすればいいわけです。
同様に、メールソフトのアカウント、ブラウザーのCookieなども、いったんファイルにエクスポートしてから移行するといいでしょう。
Windows 7でしっかり準備することが肝心
以上、今回は移行方法の例を紹介しました。今回のポイントは、Windows 7上で準備をしておくという点です。
移行作業は、移行するタイミングで一気に実施するようなイメージがあるかもしれませんが、クラウドを使えば、かなり前の段階から、徐々に移行の準備を進めることができます。
Windows 7のサポート終了までは、まだ期間があるため、「移行は未定」という人もいるかもしれませんが、今のうちから、クラウドにデータを同期しておけば、いざ移行するときになっても、あわてずに済むでしょう。
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