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Windows 7、2023年まで使い続けるにはどうすればいい?

Windows 7 and Office 2010 End of Support FAQ

 2020年1月14日のWindows 7サポート終了までに、Windows 10への移行が間に合わない場合、最後の手段として用意されているのが「Windows 7 Extended Security Update(ESU)」です。2019年4月からボリュームライセンスユーザー向けに提供が開始されましたが、2019年12月からは、その対象が拡大され、法人であれば、その規模を問わずに購入が可能となりました。

 Windows 7とOffice 2010のサポート終了については、「Windows 7 and Office 2010 End of Support FAQ」という資料にまとめられていますが、現在提供されているのは英語版のみです。本記事では、Windows 7 ESUに関する重要なポイントをピックアップしながら、Windows 7 ESUの概要に迫ってみましょう。

Windows 7 ESUってどんなサービス?

 Windows 7のサポートが終了する2020年1月14日以降、さらに3年間(2023年1月まで)Windows 7のセキュリティ更新プログラムを提供するサービスです。

Windows 7 ESUに含まれるのは?

 Windows 7の延長サポートがそのまま延長されるわけではありません。新たに緊急および重要と判断されたセキュリティアップデートが、2020年1月14日から3年間提供されます。

Windows 7 ESUは誰が購入できるの?

 当初はボリュームライセンスでWindows 7を利用しているユーザーのみが対象でしたが、2019年12月1日からは、規模を問わず全ての法人向けに提供されます。

どのエディションが対象?

 Windows 7 EnterpriseおよびWindows 7 Professionalが対象です。そのほかのエディション向けには提供されません。

いつから購入できる?

 ボリュームライセンスのユーザーは2019年4月1日から「VLSC(Volume Licensing ServiceCenter)」ですでに購入できます。一般法人は、2019年12月1日から日本マイクロソフトのパートナーとなるCSP(Cloud Solution Provider)経由で購入できます。

価格はいくら?

 価格は一般公開されていないため、パートナーに問い合わせないと分かりませんが、一部の情報によると1デバイスあたり25~50ドル程度と推測されています。なお、価格は、Windows 7のエディション(EnterpriseまたはProfessional)によって変わり、しかも年々増加していきます。決してリーズナブルではないと考えた方がいいでしょう。

毎年、どれくらい価格が上がるの?

 ESUの価格には前年分が含まれるとされています。つまり、仮に初年度に1台あたりの価格が50ドルだったとすると、2年目は50+50=100ドル、3年目は50+50+50=150ドルとなります。3年間のトータルコストでは相当な額になる可能性が高く、結果的にはWindows 10に移行した方が安い可能性が高いと言えそうです。

最小購入単位はある?

 デバイス単位に購入できるので、最小単位はありません。

ESUの更新プログラムには.NETの更新が含まれる?

 .NET 4.xおよび.NET 3.5 SP1の更新が含まれます。

Windows 7 EmbeddedにもESUは提供される?

 Windows 7 EmbeddedにもESUは提供されます。EPSO(Ecosystem Partner Servicing Offering)経由で問い合わせてみましょう。

SA契約があると何かメリットがあるの?

 SA(Software Assurance)、もしくはWindows Enterprise E3契約がある場合は、ESUのディスカウントを受けられます。ただし、メリットは金額のみで、期間の延長などはありません。ESUの提供期間は、通常の場合と同じく2023年1月までです。

ESUはマイクロソフトから直接購入できる?

 ESUは、パートナー(VLもしくはCSP)経由で購入する必要があります。

ESUにテクニカルサポートは含まれる?

 ESUには、Windows 7に関する技術サポートは含まれません。Microsoft Support Planを別途契約している場合は、Windows 7 ESUに関するサポートを受けることができますが、その支援はベストエフォートとなり、根本的な原因の解析やバグの修正などは含まれません。

どうやってESUを適用するの?

 VLの場合は、ESU用のMAK(Multiple Activation Key:マルチライセンス認証キー)が新たに提供されるので、適用したいデバイスにMAKを展開することで、ESUが有効になります。なお、ESUを2年目移行も継続して受けるためには、MAKを毎年適用する必要があります。

ESUの更新はどうやって配信できる?

 SCCM(System Center Configuration Manager)、WU(Windows Update)、WUfB(Windows Update for Business)、WSUS(Windows Server Update Services)など、既存のすべてのアップデート配信プロセスを経由して配信できます。

一般法人向けのESUはOEM版も対象?

 OEM版のWindows 7 Professional(PCプリインストール版)を利用している場合もESUの対象となります。ただし、ESUはパートナー経由で購入する必要があるため、OEM元のパートナーがESUサービスを提供している必要があります。

DSP版は対象?

 DSP版に関する記述は、今のところ英語版FAQの資料には見当たりません。一般向けのESUの販売開始後に、CSPの対応状況から判断するしかなさそうです。

ESUが1年無料になるってホント?

 VLユーザーに限り、「Windows 10 Enterprise E5」「Microsoft 365 E5」「Microsoft 365 E5 Security」「Windows VDA E5」の契約ユーザー向けのプロモーションがあります。2019年6月1日から2019年12月31日までの間に、有効なサブスクリプションがある場合は、1年目のWindows 7 ESU(ESU 2020のみ)を無料で受ける資格が得られます。なお、ESUの無料資格の取得後1年間は、上記サブスクリプション契約を継続する必要があります。

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