イベントレポート

見つけたミライ@Inter BEE

「脳内に木が生えていく……」新体験、そして「女子と足湯」でVR、「国際学生対抗VRコンテスト」出場作品を体験

 「Inter BEE 2018」が11月14日~16日、幕張メッセで開催された。Inter BEE 2018は、音と映像と通信のプロフェッショナルのための展示会だが、今年は「デジタルコンテンツEXPO」と併催になり、メディア総合イベントとしての意味合いを強めている。そこで、Inter BEEおよびデジタルコンテンツEXPOの展示の中から、超スマート社会というテーマにふさわしい展示や、読者の関心が高そうな展示を紹介する。

 デジタルコンテンツEXPO会場の一角では「国際学生対抗VRコンテスト(IVRC)」の決勝大会が開催されており、予選大会を勝ち抜いた全15作品の展示やデモが行われていた。ほとんどの作品は、来場者が体験できるようになっており、一番いいと思った作品に受付でもらったシールを貼ることで、投票を行う仕組みだ。

「国際学生対抗VRコンテスト」決勝大会進出チームの展示スペース
「国際学生対抗VRコンテスト」の決勝大会には、一般学生部門やユース部門など、全部で15の作品がデモされていた

 電気通信大学足湯同好会チームの「孤独をFootBath」は、VR空間に表示されるキャラクターと水を介したインタラクションを実現するというユニークな作品で、予選順位1位を獲得した。一人で足湯に入るのは寂しいが、このシステムなら、VR空間内に表示される女の子と一緒に足湯に入れる。

 具体的には、VR空間内の女の子が足湯の中で動くと、その動きに応じた波が生じるという仕組みだ。逆に、体験者が足を動かすことで、VR空間内に波を生じさせることもできる。なかなか面白いアイデアだが、HMDやハンドコントーラーは防水設計になっているわけではないので、そのあたりに苦労したとのことだ。

女の子の移動に合わせて、足湯に波が発生する。逆に体験者が足を動かして波を発生させ、VRの女の子にインタラクションすることもできる
予選順位1位を獲得した電気通信大学足湯同好会チームの「孤独をFootBath」の説明。VR空間に表示されるキャラクターと水を介したインタラクションを実現する
「孤独をFootBath」の装置。バスタブに波を発生させるための機構が搭載されている
体験者はHMDを装着し、膝にラップでくるんだ「Oculus Touch」を取り付ける
HMDで見えている映像。女の子が一緒に足湯に入ってくれるイメージだ

 明治大学総合数理学部にんにんラボチームの「ブレインツリー」も人気を集めていた。これは、HMDなどは使わず、主に触覚や痛覚で、頭の中で植物の種が根を張り育っていく体験ができるというものだ。植木鉢と植物の形を模した帽子をかぶり、前方のスクリーンを見ていると、頭の上に針金が伸びてくる。さらに、水を飲むと植物が躍動してさらに育つ感覚や、風で左右に植物が揺れる感覚も体験できる。実際に筆者も体験してみたが、なかなか面白かった。

明治大学総合数理学部にんにんラボチームの「ブレインツリー」。頭の中で植物の種が根を張って育っていく体験ができる
実際に「ブレインツリー」を体験してみた。まず植木鉢部分を頭に装着
次にツリー本体をその上に載せて固定する
「ブレインツリー」の中身。根を模した針金が動いたり、振動するほか、水を流して温度を下げるなど、いろいろな仕組みが組み込まれている