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インボイス制度開始から1年、請求書業務の「処理時間が増えた」が発行で2割以上・受領で3割以上。その一方で、半数以上は「変わらない」~インフォマート調べ

 株式会社インフォマートは10月18日、「インボイス制度施行から1年が経過した現状に関する実態調査」の結果を発表した。

 調査は、同社が提供するバックオフィス業務クラウドサービス「BtoBプラットフォーム」の利用企業の担当者6579人、未利用の一般企業の担当者336人の計6915人を対象に9月13日~20日にインターネット調査で実施したもの。

 インボイス制度への対応状況(n=6915)は「対応できている」が60.5%、「概ね対応できている」が32.1%。

 インボイス制度開始後における請求書関連業務の処理時間の変化については、「会社として処理時間は変わらない」が半数以上を占めており、発行業務(n=3554)で61.4%、受領業務(n=5370)で52.8%。「会社として処理時間が増えた」と回答したのは、発行業務で26.2%、受領業務で32.3%だった。

 具体的な業務を聞いたところ、発行側では「請求書の紙への印刷や、データのアップロード」、受領側では「発行事業者登録番号の登録作業や、データの紙や指定された場所への保存作業」などによって業務負担が増えていることが明らかになったという。一方で、業務のデジタル化によるメリットを享受しているとの声も寄せられたとしている。

 インボイス制度の開始後、一番苦労していること(n=6915、複数回答)は、「発行する適格請求書の記載要件チェック」が13.6%、「取引先ごとの消費税額と消費税区分のチェック」が13.3%、「不備があった場合の修正対応」が13.0%、「適格請求書発行事業者と免税事業者等の管理」が12.2%。

 インボイス制度開始後、電子でやり取りする請求書が「増えた」または「少し増えた」と回答した割合は、発行側(n=3554)が51.9%、受領側が79.2%だった。いずれも、2023年12月に調査した結果と比較すると増加しているという。