特集
【ASUS編】中の人に聞いてみた「Wi-Fiルーターの買い換え時とセキュリティ対策」
「目指すのは初心者でも扱える高機能とセキュリティ対策」
2023年12月18日 06:00
自宅のWi-Fiルーターが犯罪に使われる、そんなリスクを防ぐため、INTERNET Watchでは「Wi-Fiルーター見直しの日」として啓蒙を行っている。といっても自宅のWi-Fiルーターをこのまま使い続けていいのかは気になるところだろう。
現在のWi-Fiルーターのセキュリティ対策は、技術基準適合認定によって定められている部分もあり、一見、どのメーカーも同じに見える(技術基準適合認定については関連記事「Wi-Fiルーターの新常識!! もう1つの「技適」で必須化されたセキュリティ対策とは?」参照)。しかし、実際にはメーカーごとにサポートやセキュリティ対策への姿勢の違いがあり、それが実際の製品の特長にもなっている。
そこで本稿では、ASUS JAPAN株式会社のOP プロダクトマネージメント部 テクニカルサポート課 FAE 武川温郎氏に、同社の具体的な方針やユーザーに推奨する買い替え年数などを伺った。
多機能、高機能ゆえにセキュリティ対策も万全を目指す
とにかく機能が豊富で高性能なWi-Fiルーターをリリースすることで知られているASUS。セキュリティベンダーと連携した「AiProtection」を、かなり早い段階から、しかも無料でルーターに組み込んできたことでも知られている通り、セキュリティに対しても積極的な取り組みをしているメーカーの1つだ。
同社の取り組みとして特徴的なのは、スピードと変化、そして「Extendable Router」というコンセプトだ。
脆弱性に対するサポートに期間は設けず柔軟に対応
サポート期限について、基本的に製品の保証期間は2年となるが、脆弱性対策を含むサポート期限に決まりは設けていないと言う。中には、2013年発売の製品のファームウェアを2023年に提供した事例もある。
世界中から集めた情報を元にして、素早く脆弱性に対応
ファームウェアの更新について、週に1回とか月に1回といった更新頻度に決まりはないが、脆弱性が発見され次第、いち早く更新を提供するため更新頻度としては多いメーカーに分類される。
同社の最大の特徴は、世界中でWi-Fiルーターを販売するグローバルな企業という点だろう。世界中からフィードバックされた脆弱性情報を元に、いちはやく対策を実施することが可能になっており、重要な対策については即対応を目指す姿勢となっている。
「どこよりも早く(速く)」を目指す同社のWi-Fiルーターへの姿勢が、迅速なファームウェアの更新タイミングや更新頻度など、製品の安全性にもつながっていると言える。
パスワードをより確実に強固に! 最新モデルから変化
近年増えつつある家庭用Wi-Fiルーターを狙った攻撃対策としては、1つ大きな変化が実施された。
同社の比較的新しい製品となる「RT-AX59U」「RT-AX57」「RT-AX5400」について、標準で機器ごとにランダムに設定されたWi-Fiパスワードや管理画面アクセス用パスワードを設定し、設定情報をセットアップカードに記載して出荷する方式が採用されている。
従来は、初期設定時にユーザーが自らパスワードを設定する方式となっていたが、簡単な値を設定してしまう可能性があることが課題だったため、より強固なパスワードを利用してもらう方式へと変更したことになる。
もちろん、従来方式であっても、パスワード変更画面に強度を示すグラフ表示や、「1111」などの簡易なパスワードの警告、一定回数入力をミスしたときのCAPCHA(キャプチャ認証)なども採用していたが、今後は、自分で変更せずとも強固なパスワードで運用できるようになった。
変化をいとわず今もセキュリティ対策を進化させている点が注目に値するメーカーと言えるだろう。
無料で使い続けられる安心のセキュリティ
基本的な対策以外では、冒頭でも触れたAiProtectionによる保護を実装しており、悪意のあるウェブサイトのブロックや感染したデバイスの検出とブロックなども実施できる。
特徴的なのは、こうしたセキュリティ機能を月額利用料不要で提供する点だ。有料プランで提供するメーカーもあるが、同社はWi-Fiルーターの標準機能という位置づけとして考えており、追加の費用や利用期限などを設けていないのが特徴だ。
なお、実際のサポート情報はメーカーのウェブサイトで確認できる。関連ページ(主要Wi-Fiルーターメーカーのサポートコンテンツリンク集)でメーカーごとのサポートページを紹介しているので、アクセスしてみることをおすすめする。
おすすめの買い替え時はいつ?
このように、長期間の利用も可能なサポートを提供する同社だが、推奨する買い替えタイミングはどれくらいなのだろうか?
その質問に対して、同社が特に推奨する年数を示すことはなかったが、ハードウェアの劣化による故障のリスクがあることから、一定期間で買い替えは検討すべきであることは言えそうだ。
目安としてはWi-Fi 5世代の製品を利用している場合は、性能も向上するため現在のWi-Fi 6以降の世代へと買い替えた方が実用上のメリットが高いという考え方になる。
また、同社はExtendable Routerというコンセプトで、独自のメッシュ機能である「AiMesh」を搭載する製品を販売している。同社の製品であれば、最初からAiMeshによる拡張可能なルーターとなっているため、新しいルーターを買い足すことで古いルーターをメッシュ子機として活用できるという考え方となる。買い替えで、古いルーターが無駄にならないのは大きなメリットと言えるだろう。
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