スッキリ分かるWi-Fiルーター(ASUS編)

第1回

「ギガ」を減らさないスマホ運用術 Wi-Fiルーターを導入しよう.

自宅Wi-Fi環境を整えれば、タブレットやスマートスピーカーなど、さまざまな機器を繋げて楽しめる。

固定回線のWi-Fiは不要?

 自宅でスマホを快適に使いたい。そういった人に高速回線とWi-Fiルーターは、実に便利だ。“Wi-Fiルーター”というと、難しそうとのイメージを持つ人もいるだろうが、ここではそんな方へ向けて、Wi-Fiの初歩から便利な機能まで、Wi-Fiルーターの活用方法を指南していく。例にするのはASUSのWi-Fiルーター「RT-AC67U」だ。

 「イヤイヤ、スマホに、自宅固定回線のWi-Fiなど不要じゃないの? 余計な回線は家計の無駄無駄!」と一刀両断したくなる人もいるかもしれないが、本当にそうなのか、検討してみる材料にして欲しい。

Wi-Fiルーターは廉価なモデルから高価なモデルまでさまざまな製品がある。左はエントリー向けで実売価格6500円前後のASUS「RT-AC1200HP」、中央は最新規格「Wi-Fi 6」に対応する4万6000円前後のハイエンドモデル「RT-AX88U」。右は、Alexaスマートスピーカー一体型、という変わり種「Lyra Voice」(3万1000円前後)。なお、今回メインで取り上げる、RT-AC67Uの価格は1万1500円前後(価格は3月27日現在のAmazon.co.jpのもの)

自宅Wi-Fiが高速なら、ギガを減らさず快適に通信できる

 外出先で利用するイメージの強いスマートフォンだが、意外と自宅で利用している時間が長いことに自覚はあるだろうか? スマホユーザーにとって、自宅のWi-Fiを高速にすれば、それだけ快適な時間も長くなるわけだ。

 最近、スマホの回線契約には、特定サービスの動画や音楽ストリーミングに限って無制限で利用できるものもあるが、やはり固定回線の方が高速で安定して利用できる。モバイル回線は、数km先の基地局と通信しているが、自宅Wi-Fiはスグ近くのWi-Fiルーターとの間の通信だ。出力の強い電波でないが、近距離での利用で快適な通信環境が作れる。これを制限なく[*1]、ほとんど容量を気にせずに利用できるようになる。

[*1]……契約するプロバイダーによっては、あまりにも通信量が多い状態で利用し続けると、通信に制限がかかってしまうことがある。ただ、スマホの利用で制限されることはまずないので安心して欲しい

動画視聴とOS・アプリのアップデートが「ギガ」を減らす大きな要因

 スマホ運用で、「ギガ」を減らす大きな要因が動画の視聴なのは、言うまでもないだろう。外出先でどうしても動画を見たいなら仕方ないが、自宅でユックリ見る時は、Wi-Fiを使うようにすれば快適度は増す。保存できるコンテンツのダウンロードでも、Wi-Fiをフル活用しよう。

 また、見落としがちなのだが、ダウンロードするデータ量が意外と多いのが、アプリのアップデート作業だ。

 OSはもちろんのことだが、利用するアプリの数が多く更新頻度が高ければ、自動更新で放置していると文字通りGB単位で「ギガ」が減る。

 しかもこのアプリのアップデートはほぼ強制で、サービスによっては最新にしないと利用できなくなってしまうこともある。新しいスマホに交換したときは、しばらくデータのダウンロードが続くことになる。そうした初期設定のときは、自宅Wi-Fiに接続して作業するのがベストだ。アプリなどのアップデート作業のタイミングはお任せにせず、設定でWi-Fi接続時のみに限定しておき、寝てる間などの空き時間にやってしまうのがいい。

スマホのOSアップデートファイルは、けっこうなダウンロードサイズ。Wi-Fiでも10分以上かかる予想。モバイル回線だとかなり「ギガ」を消費してしまう
iPhone(iOS)の場合、設定の[iTunes StoreとApp Store]で[モバイルデータ通信]をオフにしておくと、アプリのアップデートはWi-Fi接続時のみに限られる

 スマホで動画をよく視聴するのに、もしまだ自宅にWi-Fiルーターを導入していないなら、ファミリーはもちろん一人暮らしであっても、自宅の固定回線とWi-Fiルーターの導入はぜひ検討してみた方がいい。毎月月末に「ギガ」が足りなくなったり、追加購入していたりするようなヘビーなスマホユーザーなら、なおさらだ。

 本連載では、これからWi-Fiルーターを導入したい人にピッタリの内容になっている。連載の続きが公開されると、この記事に目次が追加されていくので、ぜひこのページをブックマークして読み進めていっていただきたい。

<コラム>プロバイダのレンタルルーターの機能は最小限

 自宅回線の接続用として、プロバイダーなどの回線接続業者から提供されたルーターをレンタルしているのはよくあるケースだ。ここに、Wi-Fiルーターの機能が含まれていることも多い。ただ、こうしたレンタルルーターは、価格を抑えることが最優先され、Wi-Fiを含めて機能は必要最小限になっているモノが多い。

 Wi-Fiで使われる規格は日進月歩だ。レンタルで長く使っていると、例えば最新の規格であるIEEE 802.11acに非対応で、新しいスマホのWi-Fi速度を十分に生かし切れないことも多い。また、ウイルス対策や外出先から自宅ファイルを閲覧するといった、最新のWi-Fiルーターが持つ便利な機能が使いたいこともあるはずだ。

 ルーターをレンタルしている場合に、回線接続部分だけを任せ、Wi-Fi機能などをオフにして、この部分を自前のルーターに切り替えて使うことができる。もしくは、レンタルはやめて自前Wi-Fiルーターのみでも、回線接続ができる場合も多い。新しいWi-Fiルーターの機能はかなり向上しているので、ぜひその恩恵を受けてみて欲しい

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(協力:ASUS JAPAN株式会社)

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。