スッキリ分かるWi-Fiルーター(ASUS編)

第3回

Wi-Fiルーターをインターネット回線につないでみよう

ASUSのWi-Fiルーター「RT-AC67U」は、インターネット回線に繋がるとブルーのインジケータが点灯する

わずか5ステップでスマホをWi-Fiでネット回線につなげる

 本連載では、ASUSのWi-Fiルーター「RT-AC67U」を使って、Wi-Fiルーターの活用方法を解説している。前回までで、自宅回線とWi-Fiルーターの重要性や、使用するRT-AC67Uのスペックを見てきた。今回は、スマホをRT-AC67Uにつないで、インターネット回線に接続してみよう。

  1. Wi-Fiルーターとネット回線をケーブルで接続しておく
  2. 初期SSIDに仮接続
  3. 「ASUS Router」アプリで設定するルーターを選ぶ
  4. SSIDと暗号化キーを決める
  5. Wi-Fiルーター設定用のユーザー名とパスワードを決める

スマホ専用アプリ「ASUS Router」

 スマホでのWi-Fi設定には、専用の「ASUS Router」アプリを使う。これをダウンロードしておかなくてはならない。アプリの容量は100MB超あるので、モバイル回線でがんばってもいいが、どこかのフリーWi-Fiを探してダウンロードするのがオススメかもしれない。とにかく事前にアプリを用意しておく必要がある。

1.Wi-Fiルーターとネット回線をケーブルで接続しておく

 最初の作業では、Wi-Fiルーターをインターネット回線にケーブルで物理的に接続する。接続するポートには、「WAN」や「INTERNET」などと書かれているハズだ。RT-AC67Uでは、ポートが青く色分けされている。ネット回線の側は、モデムだったり光回線のONUだったりするが、いずれにせよLANポートがあるので、この間をケーブルで繋ぐ。

 接続するためのLANケーブルは、通常Wi-Fiルーターに付属している。ケーブルは必ずCAT5e以上(CAT6など)のケーブルを使用するように気を付けよう。接続後、RT-AC67Uの電源ボタンを押して起動する。

RT-AC67Uの青いポートと自宅インターネット回線をケーブルで接続

2.初期SSIDに仮接続

本体背面に初期SSIDが書かれているのチェック
初期SSIDに仮接続する。2.4GHz帯は末尾に「-2G」、5GHz帯は「-5G」とあるが、どちらで設定しても構わない[*1]

 スマホで接続設定を行うために、まずは本体背面に記載されている初期SSIDに仮接続する。なお、今回の設定にはiPhoneを使っているが、Androidでも基本的に同じだ。

[*1]……添付のセットアップガイドには、初期SSID接続後、設定画面が自動表示された場合にはキャンセルすると書かれているが、今回テストした環境では自動起動はされなかった

3.「ASUS Router」アプリで設定するルーターを選ぶ

 スマホのWi-Fiを初期SSIDに接続できたら、「ASUS Router」アプリを起動して、設定を進めていこう。

「ASUS Router」アプリを起動すると、ルーターが見つかるので「このルーターを設定します」をタップする
設定するルーターをタップする
[クイックセットアップ]をタップ
[無線ルーターを設定]をタップ

 PPPoEで回線接続するケースでは、接続認証の記入が必要になる。DHCPの場合には何もする必要はない。

RT-AC67Uが表示されるので[開始]をタップ
回線がDHCP接続の場合には特に何もしなくていいが、PPPoEの場合には認証情報を入力する。加入時にプロバイダーから受け取る用紙に記載されている

4.SSIDと暗号化キーを決める

 設定中には、その後に使い続けるSSIDと暗号化キーを決める。SSIDは、どのWi-Fiかを判別する名前だ。Wi-Fiに接続するときに、その名前を選ぶことになる。

 初期値はメーカー名やモデル名などになっているが[*2]、なるべく自分がわかりやすく、周辺とかぶることのないオリジナルな名前を設定しよう。日本語も使えないわけではないが、半角英数記号で設定しておくのが無難だ。

[*2]……SSIDにメーカー名が表示されるのは、セキュリティ面からはあまりよろしい状態ではない。Wi-Fiルーターのメーカーがわかれば、脆弱性の有無やログイン方法(初期IDなど)がわかるからだ。SSIDを変更してもメーカー名を探ることは可能なのだが、SSIDに表示されていると簡単に見分けられてしまう。

 設定時の注意点は、個人や場所が判別できたり、女性であることがわかったりするネーミングは避けることだ。この名前は電波の飛んでいる周囲に表示されてしまう。例えば「Murakami」とか「Miho」などという個人名のSSIDにはしないようにしたい。

 また、先頭の文字に記号を入れると、一番上に表示されやすくなって、選びやすい。逆に目立ちたくなければ、アルファベット順で後ろの方の文字を先頭にすると、下に表示される[*3]

[*3]……機器によっては、必ずしも名前順ではない。電波強度順の場合もある。

Wi-Fiの設定。最初はSSIDの初期値が入力されているので、必ず変更しよう
オリジナルな名前のSSIDへ書き換える。2.4GHz帯の欄に記入すると、「_5G」が付いた5GHz帯用のSSIDが自動で入力される。続けて暗号化キーも入力しよう

 続けて、自分で決めた暗号化キーを入力する。8文字以上63文字以下の半角英数記号を使うのだが、不便にならない程度に推測されにくい長いキーフレーズに設定することをオススメする。可能であればパスワード管理アプリを活用し、ランダムなフレーズにするようにして欲しい。暗号化キーは、設定後QRコードでシェアできるので、覚えられない難しいフレーズにしても大丈夫だ[*4]

 なお、暗号化の認証プロトコルを設定する項目はないが、自動的にWPA2パーソナルが選択される。

[*4]……この接続方法は次回解説する

5.Wi-Fiルーター設定用のユーザー名とパスワードを決める

 最後に、RT-AC67Uの設定をする際にログインするためのユーザー名とパスワードを決める。こちらはSSIDと異なり、周囲に表示されるものではないので、自分が分かりやすい名前にすればいい。

設定用のユーザー名とパスワードを設定する
[設定]の[Wi-Fi]を表示させると、設定したSSIDが発見できる

 これで、Wi-Fiルーターの基本的なセットアップが完了する。次は設定したオリジナルのSSIDへ接続するのだが、以降の作業は次回解説しよう。

Amazonで購入

(協力:ASUS JAPAN株式会社)

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。