スッキリ分かるWi-Fiルーター(ASUS編)

第4回

Wi-Fiルーターにスマホをつなぐ方法は? QRコードならもっと手軽に!

ASUSのWi-Fiルーター「RT-AC67U」を使って、設定したSSIDに接続する。スマホで手軽なのはQRコードを活用する手法だ

 本連載では、ASUSのWi-Fiルーター「RT-AC67U」を使って、Wi-Fiルーターの活用方法を解説している。前回は、スマホを使ってWi-Fiルーターを自宅インターネット回線に接続してみた。今回はネットに繋がったWi-FiルーターにスマホからWi-Fiで繋げてみよう。

スマホでのベーシックなWi-Fi接続手順を確認しよう

 見慣れているかも知れないが、前回も紹介したスマホをWi-Fiルーターに接続する最もベーシックな手順を、ここでちょっと見直してみよう。

 スマホからWi-Fiルーターへの接続は、SSIDを見つけて接続するのが基本だ。SSIDはWi-Fiルーターの名前のようなモノで、常に自分のSSIDを電波で周囲に発信して接続できるようにしている。前回は、工場出荷時に設定されている仮の初期SSIDに接続し、SSID名をオリジナルのネーミングに変更した。

[設定]の[Wi-Fi]を表示。Wi-Fiがオンになっていない場合には、まずオンにしてから、接続したいSSIDをタップ

 このオリジナルのSSID名は、電波が届けば誰でも見ることができてしまうので、個人が特定できる名前は付けないように注意したい。

 スマホでWi-Fiに接続するには、iOSは[設定]にある[Wi-Fi]を選ぶ。Androidでも同様だが、端末によっては[Wi-Fi]の項目が[無線とネットワーク]や[接続]に含まれていることもある。これらを表示させると周囲のSSIDがリストアップされるので、自分が設定したSSIDを選んで繋げる。

 このとき、2.4GHz帯と5GHz帯で別々のSSIDが表示されることがあるが、これを判別できるようにネーミングしておくと、接続する周波数帯を用途に応じて変えられるので便利だ。

 なお、以下はの流れはiOSの例だが、Androidもほぼ同じ手順だ。

暗号化キーの入力が促されるので、記入して[接続]をタップする
Wi-Fiに接続された

「ASUS Router」からQRコードを表示させてWi-Fi接続

RT-AC67UにWi-Fiで接続した状態で、設定アプリ「ASUS Router」の[各種機能]タブにある[ワイヤレス設定]をタップ

 スマホをRT-AC67Uに接続したら、前回も使用した設定アプリ「ASUS Router」を起動して欲しい。つまり手順としては、前回ネット回線を繋げる設定をしたスマホが繋がっているはずなので、ここから家族や友人のスマホを自宅Wi-Fiへ接続する作業をしていく流れになる。スマホをWi-Fi接続するときにQRコードを活用すると、スキャン一発で済むのでオススメだ。

 なので、まずは「ASUS Router」でQRコードを表示させよう。

再度[ワイヤレス設定]をタップ
「5GHzネットワーク」の共有アイコンをタップ
QRコードが表示される。これを自宅Wi-Fiに接続したいほかのスマホのカメラでスキャンする
QRコードが表示された状態で右上の共有アイコンをタップすると、メールなどでテキストとして送信できる。パソコン向けに活用しよう
iOS標準のカメラアプリで先ほどのQRコード画面を表示すると、上部にWi-Fi接続のダイアログが表示される。これをタップすると、Wi-Fiへ接続できる

 QRコードは、iOS 11以降のiPhoneやiPadであれば、標準のカメラアプリを使ってスキャンできる。

 Androidスマホでは、QRコードリーダーアプリでWi-Fi接続に対応しているものを使えばいい。例えば以下のアプリが対応している。

「公式QRコードリーダー“Q”」で先ほどのQRコード画面を表示させると、接続の確認画面が表示されるでの[OK]をタップする
Wi-Fiに接続される

 なお、QRコードを使ったWi-Fi接続の方法については、以下の連載でも、その原理も含めて詳しく扱っているので、参照してみて欲しい。なおQRコードリーダーアプリの「Q」は、リンク先記事執筆時点ではWi-Fi接続に対応していなかったが、アップデートで対応済み。QRコード作成とスキャンしての接続の両方が可能だ。

Wi-Fiとスマホ間のリンク速度を確認

Androidでは、[設定]から接続中のSSIDをタップすれば、リンク速度が表示される。ムムッ! 新しめモデルだが廉価機なので1ストリームのようだ

 Wi-Fiに接続したら、正常に繋がったのかリンク速度を確認しておくといい。Androidでは[設定]から接続しているSSIDをタップすれば、リンク速度が表示される。iOSには標準で速度を表示する機能がないので、以下のアプリを活用するといい。

iOSでWi-Fi SweetSpotsで計測。500Mbps超えているので2ストリームで接続されていることがわかる
リンク速度ではないが、「ASUS Router」のホーム画面では、ルーターのデータ転送状況をリアルタイムで確認できる

 RT-AC67Uは、11acの3ストリーム(3本のアンテナをフル活用した場合だ)で最大1300Mbpsのデータ速度ができるのだが、多くのスマホで2ストリーム止まりなので、そのあたりの速度が出ていれば問題ない。

  • 1ストリーム(1×1)=最大433Mbps(390Mbps)
  • 2ストリーム(2×2)=最大866Mbps(780Mbps)
  • 3ストリーム(3×3)=最大1300Mbps(1170Mbps)

※カッコ内は、ガードインターバルの設定によって表示される数値

 またこの数値は、Wi-FiでスマホとWi-Fiルーター間が接続された状態での理論上の最大値であって、実際のデータ転送速度は、これよりも遅くなる。Wi-Fi SweetSpotsでは、実測値を表示しているようなので、この最大値が表示されなくても悲しむ必要はない。

 また、いわゆるスピードテストアプリでの計測値は、このWi-Fiリンク速度とは異なるサーバー間との転送の計測値となるので、また別のものとして考えなくてはならない。

 では次回は、Wi-Fiルーターの設定について、もう少し話を進めていこう。

<コラム>パソコンでのWi-Fi接続手順

Windows 10のWi-Fi接続

 Wi-Fiにパソコンを接続する手順も、特に難しい部分はないのだが、QRコードを活用することができないので、地味にSSIDを選択し暗号化キーを入力する手順になる。

 Windows 10であればデスクトップ右下にあるタスクトレイにあるネットワークアイコンから、macOSであればメニューバー右側にあるWi-Fiアイコンを選択すると、SSIDがリスト表示されるので、接続したいSSIDを選択すればいい。あとは、暗号化キーを入力すれば接続できる。

macOS MojaveでのWi-Fi接続

 パソコンでは、「ASUS Router」からメールやオンラインメモ経由で暗号化キーを受け取って、コピペして入力するのが手軽でオススメだ。暗号化キーのキーフレーズは、覚えにくいランダムな文字列でなるべく長く設定する(半角英数字記号で8文字以上63文字以内)のが鉄則になる。

 IoT機器では、接続時に打ち込むのが面倒だが、暗号化キーのコピペや、QRコードスキャンなどをうまく活用し、アタックの被害に合わないようにして欲しい。

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(協力:ASUS JAPAN株式会社)

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。