スッキリ分かるWi-Fiルーター(ASUS編)
第9回
外出先からスマホで自宅データにアクセス、友達に共有もできる「AiCloud」
2019年6月6日 11:00
本連載では、ASUSのWi-Fiルーター「RT-AC67U」を使って、Wi-Fiルーターの活用方法を解説している。前回までで、セキュリティ機能「AiProtection」やペアレンタルコントロール機能について実践してみた。
今回は、ネットワークディスク機能の「AiCloud」を活用してみたい。スマホなどで写真や動画、音楽などのファイルをたくさん扱いたい時に便利な機能だ。
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自分で用意してスマホの容量を足せるクラウドストレージをルーターに
スマホで写真や動画、音楽などを扱うのに、GoogleドライブやDropbox、iCloudといったクラウドのオンラインストレージサービスを活用している人は多いだろう。しかし、いずれのサービスでも無料で使える容量には限りがある。
そこで便利なのが、自分で作る簡易クラウドだ。自分で用意した分だけ自由にアップロードできて、容量を増やしていけば自由な容量で使えるので、スマホの外部ドライブのような使い勝手と言える。これを、RT-AC67Uを使って実現してみよう。
ルーターに装着したUSBメモリをAiCloudで使えるように設定する
まずは、USBメモリーを用意しよう。速度はあまり気にしなくて大丈夫なので、安価になUSB 2.0対応のもので、なるべく大きな容量のにしておこう。これを、RT-AC67Uの背面ポートに接続すると、自動的に「Cloud Disk」機能がオンになる。
もし設定がうまく行かないことがあれば、ウェブブラウザーの管理画面で、左側にある[AiCloud 2.0]を選び、[AiCloud 2.0]タブを表示して、「Cloud Disk」機能が有効になっているかを確認する。
このAiCloudはいわゆる“二重ルーター”の状態になっていると動作しないので、そちらもチェックしておこう。チェックの方法は、こちらの連載で触れているので、必要なら参照して欲しい。簡単に言えば、インターネットのグローバルアドレスに直結している必要がある。
続けてスマホ用の「ASUS Router」アプリで操作する。[各種機能]から、さらに上部の[ASUSプラグイン]タブを選ぶ。ここにある[AiCloud]をタップする。
AiCloudアプリのダウンロード画面が表示されるので、[入手]をタップしてインストールしておく。以降はこの[AiCloud]をタップすると、AiCloudアプリが起動するようになる。もちろんAiCloudアプリを直接起動してもよい。
スマホからUSBメモリーをAiCloudとして使う
AiCloudの設定が完了すると、自宅内のWi-Fiはもとより、自宅外からでもインターネットに接続していれば自宅のWi-FiルーターのUSBメモリー内のファイルにアクセスできるようになる[*1]。アクセスするには、「AiCloud」アプリを使う。主に音楽や写真、動画を扱うのに便利なアプリで、アプリからファイルのダウンロードやアップロードが行える。
[*1]……細かい話をすると、インターネット越しに自宅ルーターへアクセスするために使うDDNSを、設定時にASUSのDDNSサービスにて自動で登録している。登録されたDDNSのURLなどの細かな設定は、AiCloudアプリの[ルーター]タブから確認できる。
アップロードしたファイルは、リンクを用いた共有も可能。指定した期限のみ有効の共有リンクを通知して、相手にダウンロードしてもらうことができる。
[*2]……ウェブブラウザーの設定を変更すれば、AiCloudのサービスが用いている「Let's Encrypt」を使ったhttps証明書を読み込んで自動で接続することも可能だ。ここでは触れないが、本格的に使うならチャレンジしてみて欲しい
容量を気にせずファイルのやり取りができるのは、なかなか便利なもの。ファイルをメールに添付するのではなく、この共有リンクをメールやメッセンジャーで通知すれば、複数の人にもスムーズに共有したいファイルを送ることができる。
ただ、AiCloudを利用できるように設定すると、Wi-Fiルーターが外部から攻撃を受けやすくなる。可能であれば、ウェブブラウザーでルーターの管理画面にアクセスして、パスワード保護機能を有効にしておきたい。設定した一定時間に連続してパスワードを間違えた場合に、アカウントをロックするものだ。これでパスワードへのアタックを回避できる。
AiCloud以外にも、USBメモリー内のファイルをASUSのクラウドサービスである「ASUS WebStrage」と同期させたり、「Sync Server」という機能を使って複数のWi-FiルーターのUSBメモリーと同期させることもできる。いずれもウェブブラウザーでの設定が必要だが、利用したい場合には活用してみて欲しい。
(協力:ASUS JAPAN株式会社)