スッキリ分かるWi-Fiルーター(ASUS編)
第10回
オンラインゲームで重要なのは? 通信の遅延を最小限に
2019年6月20日 11:00
本連載では、ASUSのWi-Fiルーター「RT-AC67U」を使って、Wi-Fiルーターの活用方法を解説している。前回までで、セキュリティ機能「AiProtection」やペアレンタルコントロール機能、自分専用のクラウドの「AiCloud」について実践してみた。今回は、ゲームで少しでも快適にプレーするための設定をしてみたい。
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ゲームの通信を優先して遅延を少なくする「Adaptive QoS」
スマホでオンラインゲームを楽しむとき、その反応には、「ping」値と呼ばれる通信の反応速度[*1]が影響を及ぼす。
回線が混雑していないのが前提だが、Wi-Fiを介して自宅の光回線に接続した方が、モバイル回線につなぐより、断然反応がいいはずだ。
[*1]……「Network Ping Lite」などのアプリを使えば計測でき、サーバーのURLを入力して通信相手を指定できる。「time=」という数値が大きければ反応速度が遅いことになる。このアプリでは、反応時間やパケットロスなども計測できる
少しでも通信の遅延を少なくして、ゲームプレー中のロスを少なくするには、Wi-Fiルーターとスマホの間で、ゲームの通信における優先度を上げるように設定するといい。
ASUSのWi-Fiルーターなら、一部[*2]を除いて「Adaptive QoS」という機能が用意されている。利用したいシーンに応じて、ゲームだけでなくメッセンジャーの音声通話やストリーミングビデオといったアプリの種類を選んで、通信の優先度を調節することができる仕組みだ。
[*1]……RT-AC65U、RT-AC85U、RT-AC1200HPの各製品はAdaptive QoSに非対応
Adaptive QoSの設定は、スマホでルーターの各種設定が行える「ASUS Router」アプリを使おう。[各種機能]タブにある[QoS]から設定ができる。リストで[ゲーム]を最上部に持ってくるだけでOKだ。
ただし、混み合っている夜の時間帯は、どっちにしても反応は悪くなりがちで、Wi-Fiルーターから先のネット回線やゲームサーバーの混雑はいかんともしがたい。ただし、Adaptive QoSの設定を行うことで、とりあえず最善を尽くすことはできる。ぜひ試してみて欲しい。
ゲーム専用ネットワークを介した通信で遅延を最小化する「WTFast」
ゲーム専用のプライベートネットワークを介して、通信の遅延をできるだけ小さくする「WTFast」というサービスもあり、対応するASUSのWi-Fiルーターでも利用できる。Adaptive QoSを設定した上に、さらに通信の遅延を少なくしたいなら、導入を検討するといいだろう。
WTFastに対応するルーターであれば、連載の第6回でも触れた「AiMesh」にも対応している。導入したWTFast対応ルーターをメインに、今あるRT-AC67UをメッシュWi-Fiのサブとして活用すれば無駄がない。
WTFastは、PC向けのアプリも提供されていて、通常なら月額料金が払わないと利用できないが、ASUSの対応ルーターは無料で使うことができる。Wi-Fiルーター内の「ゲームブースト」という項目から設定可能だ。
Wi-Fiルーターで設定ができるため、PCだけでなく、スマホやゲーム機など、接続デバイスを問わず恩恵が受けられる点も、対応ルーターでWTFastを使うメリットだ。
自宅にネット回線+Wi-Fiルーターがあれば、スマホでも断然便利に
ここまで10回にわたり、ASUSのWi-Fiルーター「RT-AC67U」の利用方法を、主にスマホで活用することを前提に実践してきた。
まだ自宅Wi-Fiを導入していなかったり、かなり古いWi-Fiルーターを使っていてルーターを交換する際には、本連載を是非参考にして欲しい。
スマホはモバイル回線でも使えるが、自宅にネット回線+Wi-Fiルーターがあると、断然便利になる。特にスマートスピーカーやインターネットテレビ、タブレットなどを活用しているのなら、なおさらだ。自宅Wi-Fi環境を手に入れて、快適にネットを楽しんでもらいたい。
(協力:ASUS JAPAN株式会社)