スッキリ分かるWi-Fiルーター(ASUS編)

Wi-Fiでやってみた【ZenWiFi編】第1回

「お父さん、スマホ繋がんない」をなくせ!

 テレワークやオンライン授業が急速に普及してきた昨今、よく聞く悩みが「Wi-Fiが安定しない」という話。

 自分の作業環境が安定しないのも困るが、「家族から“部屋でWi-Fiが安定しない”と言われて困っている」というお父さんも多いようだ。

 確かにWi-Fiは、家の隅ではつながりにくいし、みんなで同時に使えば遅くなる。そこで「抜本的な解決策」としておススメしたいのがWi-Fiルーターの買い替えだ。

 特に、iPhoneもいち早く対応した最新規格“Wi-Fi 6”と、電波の死角をなくせる“メッシュWi-Fi”に対応した製品を使うことで、これまでの環境を大きく改善できるハズ。

 そこで本連載では、両方に対応するASUSのメッシュ対応Wi-Fi 6ルーター「ZenWiFi AX」を実際に使い、その実力を検証していきたい。

ASUSのメッシュ対応Wi-Fi 6ルーター「ZenWiFi AX」
ZenWiFi AXは、最大4804Mbpsに対応するトライバンドのWi-Fi 6ルーター。単体でも使える1台構成と、メッシュWi-Fiを構成できる2台セットに加え、Amazon.co.jp限定のブラックモデルが販売されている。さらに1台の環境へ追加してメッシュWi-Fiを構成できる11ac対応の「ZenWiFi AC」もラインアップする

Wi-Fiが切れるならメッシュで解決!

 家が広ければ、Wi-Fiルーターから遠い部屋では接続が切れたり、速度が落ちたりするし、インターネット回線が引き込まれた部屋が家の端のだったりすれば、そこから遠くの部屋では繋がりづらくなる。それに、防水のスマートフォンをお風呂に持ち込んで使おうとすると、ドアを何枚も隔てるので、その分だけ電波が届きにくくなりがちだ。

 こうしたときに役立つのがメッシュWi-Fiなのだ。家の中にメッシュ機器を追加することで、より広い範囲にWi-Fiの電波を届けられるようにするものだ。

 実際に筆者宅を例に試してみよう。筆者宅は3LDKのマンションで、北側の1室にインターネット回線を引き込んでいる。Wi-Fiルーターも同じ部屋にあるため、南側の部屋では電波の入りが悪くなる。

Wi-Fiルーター1台だけだと、遠方の部屋ではかなりリンク速度が落ちる

 まず、ZenWiFi AXを1台だけ使って、電波の届き具合を見てみた。Wi-Fi 6対応のノートPCで、同じ部屋の室内と、同室から対角線上にある遠方の部屋、そして脱衣所と浴室の扉を閉めた浴室でのリンク速度をチェックした。

 同室内では最速の1201Mbpsでリンクしているが、遠方の部屋ではリンク速度がかなり不安定で、5GHz帯での接続が切れてしまい、最高速度では劣るが遠距離まで届く2.4GHz帯に切り替わったこともあった。浴室は接続が切れるほどではないものの、電波が弱いのは確かだ。

1台構成時のリンク速度(単位:Mbps)
送信受信
同室内12011201
遠方21665
浴室287229
2台でメッシュWi-Fiを構築し、リンク速度が大幅に向上した

 続いて2台目の「ZenWiFi AX」を使ってみよう。浴室と遠方の部屋のちょうど間の位置になる、キッチンの角にある棚の上に設置した。

 遠方の部屋ではリンク速度が大幅に改善し、電波の状態も全く問題なくなった。浴室でも電波状態がよくなり、リンク速度もさらに向上している。これなら家中どこでも安定してWi-Fiでの通信が可能だ。

2台構成時のリンク速度(単位:Mbps)
送信受信
同室内12011201
遠方961865
浴室721576
ZenWiFi AXではスマートフォン向けの「ASUS Router」アプリを使えば、メッシュ機器の電波強度を確認できる。こういったデータを参考に、適切な場所へ設置したい

 メッシュWi-Fiの設置で1つ注意したいのは、メッシュ機器同士の距離を離し過ぎないことだ。家中すみずみまで電波を飛ばしたいからといって、家の対角線上になる端どうしに置いたりすると、機器間の通信が届きにくくなり、速度が落ちてしまう。

 2台目以降はあくまで電波範囲の延長・拡大と考えて、1台目の電波がそれなりに届く場所に置くのが基本だ。メッシュ機器は置き場所を変えるのも容易なので、必要な場所に電波がほどよく届く場所を探そう。

(協力:ASUS JAPAN株式会社)

石田 賀津男