被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

騙されないように注意!

国勢調査のネット回答は正規サイトで! 「かたり調査」に引っ掛からないために

 国勢調査が9月14日に始まりました。5年に一度、日本に住む人や世帯について調査することで、生活環境の改善や防災に役立てるのが目的です。第1回調査は1920年に実施されており、第21回の今年で100年目を迎えました。

 この調査では世帯や世帯員に関する個人情報などを調査票に記入するのですが、例年、この調査に便乗する詐欺も発生しています。

 国勢調査では、年収やクレジットカード番号、マイナンバー、銀行口座情報などを聞くことはありません。資産状況を聞き出そうとした段階で詐欺の可能性があります。

 2015年から専用サイト「国勢調査オンライン」で回答できるようになりましたが、今年は新型コロナウイルス感染症対策として利用することが推奨されています。

 国勢調査オンラインは、PCやスマートフォン、タブレットからアクセスできます。配布されている「インターネット回答利用ガイド」に記載されているログインIDとアクセスキーを入力してログインし、回答します。全16問でのんびり回答しても10分程度で済みます。

「国勢調査オンライン」のウェブサイトから回答できます

 消費者庁は、インターネットでの回答にあたり、偽サイトに注意するよう呼び掛けています。

 例えば、国勢調査を装った怪しいメールが届いても、記載されたリンクを開かないようにしてください。偽サイトであれば入力した情報が盗まれる可能性があります。国勢調査の回答ページにアクセスする場合、自分で検索するなど別の方法でアクセスしましょう。

消費者庁でも注意喚起を行っています

 ちなみに、今回ご紹介したのは「かたり調査」という詐欺の手口に分類されます。リアルでは昔から存在するもので、国勢調査が行われていないときでも、行政機関が行う統計調査を装うケースがあります。

 新型コロナウイルス感染症対策として国勢調査オンラインの利用者が増えると思われる今年から、調査に便乗したネット詐欺が増えると予想されます。被害に遭わないためには、見覚えのない連絡先から届いたメールの怪しいリンクは開かないということが重要です。自分で正規サイトを検索する癖を付けるだけで、詐欺の被害に遭う可能性はグッと低くなります。

 正しいデジタルリテラシーを身につけ、ネット詐欺の被害に遭わないように防御しましょう。

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。