ニュース
Mapbox、日本の3D地図表現が高精細かつ正確に。国土地理院の数値標高モデルを利用し、地形データをアップデート
2022年12月16日 06:15
マップボックス・ジャパン合同会社は12月5日、地図開発プラットフォーム「Mapbox」において、日本エリアにおける標高データのタイルセットを高精度化し、国土地理院が公開する数値標高モデルを利用したアップデートを実施した。この地形データは、地図編集・作成ツール「Mapbox Studio」にて無料で利用できる。
Mapboxの地形データはこれまでグローバルでカバーされているSRTM(Shuttle Radar Topography Mission)を利用していたが、SRTMは30mタイルで、DSM(Digital Surface Model:数値表層モデル)であるため、都心部の高層ビルが立ち並ぶエリアでは利用が不向きなことに加えて、山間部の表現も粗い精度となっていた。
今回のアップデートでは、国土地理院の数値標高モデル(5mタイルおよび10mタイル)をMapboxの標高ラスタータイルへ変換することにより日本エリアの地形データを刷新した。高精度な5mタイルのデータをベースに、データ欠落などの不完全な部分を補完するため、10mタイルを利用して形状や属性の整合を図り、違和感のない3D地図として仕上げている。
これにより、SRTMに比べて高精細かつ正確な3D地図表現が可能となり、山や渓谷の様子が明確になったことに加えて、河川の堤防や城の堀、棚田などの表現も可能となった。また、ナビゲーションルート上の標高差の変化の可視化や計算が可能となるほか、低燃費ルート計算などへの貢献も期待できる。
“地図好き”なら読んでおきたい、片岡義明氏の地図・位置情報界隈オススメ記事
- 人々はなぜ「位置情報エンジニア」を目指すのだろうか――その仕事の魅力とキャリア形成を賭けた理由
- ゼンリン、都道府県の形をしたピンバッジ全47個セットを発売。フレーム入り
- 「一億総伊能化」を掲げる 青山学院大学・古橋大地教授の授業がレジリエントだった。
- 大学の「地理学科」ってどんなところ? “駒澤地理”の中の人に聞いてみた
- 高校の「地理総合」必修化で、地理教員の有志らがGoogleスライドで教材を共有
- 地理空間情報の最新トレンドを札幌で俯瞰してきた。「MIERUNE MEETUP 2024」レポート
- 「チーム安野」は都内1万4000カ所の都知事選ポスター掲示板をどう攻略していったのか?
- まるで現代の伊能忠敬――その極みにはAIもまだ辿り着けてない!? 地図データ整備の最前線を盛岡で見た
- 「れきちず」が3D表示に対応 地図データをベクトルタイル化。「江戸切絵図」から町家領域の抽出も
- 「れきちず」が話題、開発者の@chizutodesignさんが“地図とデザイン”の魅力を語る
- これはいつまでも眺めてしまいそう! 全国の流域を網羅した「YAMAP 流域地図」公開
- 神戸市さん、データ利活用しすぎ……無料で誰でも使える「統計ダッシュボード」拡充
- 「登記所備付地図」の電子データを法務省が無償公開→有志による「変換ツール」や「地番を調べられる地図サイト」など続々登場
- スマホ位置情報の精度が向上、“高さ”特定可能に。日本で10月より「垂直測位サービス」
- 電波強度がGPSの10万倍、GNSSの弱点を補う「MBS」とは?
- スマホの「北」は「真北」「磁北」どっち? 8月11日「山の日」を前に考えてみよう
- Googleマップも未踏の領域!? 海の地図アプリ「ニューペックスマート」が本気すぎる
- 海岸線3万2000kmを測量、日本の“浅海域”を航空レーザー測深で詳細な地形図に