地図と位置情報
「位置情報データ」でここまでできる! CiscoのWi-Fiで人流分析、住宅地図DBから建物の築年数推計も
「位置情報・ビッグデータカンファレンス2020」レポート
2020年11月19日 07:00
「ゼンリン住宅地図」データベースからライフスタイルが見える――株式会社ゼンリンマーケティングソリューションズ
ゼンリングループに所属する複数の企業が統合して、4月1日にスタートした株式会社ゼンリンマーケティングソリューションズ。地図を活用したデータ分析から企画デザイン、チラシなどの印刷、送付までワンストップでソリューションを提供する同社のクリエイティブ本部本部長を務める横田渉氏が、ゼンリンが長年にわたる住宅地図の調査などによって得た建物・住宅情報をもとにしたさまざまなデータベースコンテンツを紹介した。
ゼンリンは、住宅地図データベースの過去の変遷をもとに、住宅の形状がほぼ変わらないものは同一の建物と定義付けて、過去の地図データを重ねて建物ごとの築年数を推計した「築年数データ」を保有している。同データは全国の建物に対して10年未満・10~15年未満・15~20年未満・20年以上に区分けしている。また、マンションについては、分譲マンションブランド名をもとに分譲種別を推定し、賃貸マンションについては他社データと組み合わせることで建物ごとの賃料水準を算出している。
このほか、住宅・土地統計調査や国勢調査から得られる年間収入ランク別世帯数の指標を用いて作成された「年収階級別世帯数推計データ」や、独自の推計手法を用いて算出された「消費支出推計データ」、どの住所にどのような人々が居住しているのかを分類した「ライフスタイルデータ」なども提供しており、同社はこれらのオフラインデータと、インターネットの閲覧情報などオンラインのデータを持つ企業とのシナジーができないかを探っている。
オンラインのデータを持つ企業の1つであるブログウォッチャーの人流データを活用することで、位置情報により住所とのマッチングが可能となる。例えば自動車販売において各店舗の商圏内のライフスタイル傾向から品揃えを適正化する、分譲マンション販売において居住エリア内のターゲットにだけ広告配信する、リフォーム業者が築年数の多いエリアに絞ってチラシを配布する、ネットワーク回線販売において戸建ての人にだけアプローチする、といった活用事例が考えられる。横田氏は「両社が連携することで、より強力に顧客へのアプローチが可能となります」と語った。