地図と位置情報
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「位置情報・ビッグデータカンファレンス2020」レポート
2020年11月19日 07:00
ウェブ広告→リアル店舗など「広告がユーザーの行動につながっているか」推定する技術――株式会社ブログウォッチャー
株式会社ブログウォッチャーは、プロファイルパスポート事業部のプロダクトグループにおいてデータサイエンティストを務める中村拓氏が、同社が保有する技術と活用事例について紹介した。同社が提供するProfile Passportシリーズは、位置情報の取得やデータ連係、ジオプッシュ通知を持つ「SDK(ソフトウェア開発キット)」、位置情報データによる分析を行う「DMP(データマネジメントプラットフォーム)」、位置情報に基づくネット広告や分析ツール/レポートを提供する「AD(広告)」の3種を提供している。
中村氏は、「広告はユーザーの行動につながっているのか?」と問題提起をした上で、良い広告はユーザーの行動につながる広告であり、例えばウェブからリアルにつながる事例としては「アプリで受け取ったクーポンを飲食店で利用」、リアルからリアルへとつながる広告の事例として「屋外広告を見たことがきっかけで来店・購入」といった事例が挙げられる。ユーザーの広告接触場所とユーザーの行動場所の組み合わせとしては「ウェブ→ウェブ」(ECサイト広告)、「ウェブ→リアル」(スマホ広告)、「リアル→リアル」(屋外広告・テレビCM)の3つに分類される。
「ウェブ→リアル」の課題としては、ウェブの広告を見て、店舗に訪れた実際の人数が分からないことが挙げられる。また、そもそも位置情報は厳密なものではなく、GPSの誤差などによってズレることがあり、曖昧なデータからは曖昧な結果しか生まれないという問題もある。この課題に対して、ブログウォッチャーはユーザーの許諾を得た情報を個人を特定しないかたちで分析に活用しており、広告の効果測定の場合、来店がデータに残らなかったユーザーについてもビッグデータをもとにした統計的推計を行う技術を持っている。この推計は、推計データと正解データを比較することで精度検証もきちんと行っており、正確な来店者の人数を知ることができる。これにより、ウェブの広告を見てリアルの店舗に訪れた人数について、実数に近い数値を把握できる。
「リアル→リアル」の課題としては、屋外広告がユーザーに届いているかどうかを把握するのが難しく、街頭アンケートではPDCAが遅くなるという問題点を挙げた。そこで同社では、屋内のデジタル広告とユーザーとの距離をスマホで判別する独自技術により、屋外広告に接触した人と、屋外広告の近くには来たものの接触しなかったユーザーを判別することが可能で、同社はこの技術を使って屋外広告とオンライン広告の相乗効果を発揮させることを目指している。屋外広告単体、またはウェブ/スマホ広告単体で訴求するよりも、両者を組み合わせることで顧客に認知を広げることが重要であり、屋外広告とウェブ/スマホ広告を合わせた接触回数や流入に至る日数などを総合的に分析していくことが広告を効果的にユーザーへ届ける最適な手法になると考えている。
中村氏は、「ブログウォッチャーはウェブでもリアルでも、広告がユーザーの行動につながっているかを推定する技術を持っており、ウェブやアプリへの流入についても対応可能です。さまざまな流入計測を行うことで、広告の効果を最適化し、ユーザーにとってもメリットのある広告をしっかり届けていきたいと思います」と語った。
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INTERNET Watchでは、2006年10月スタートの長寿連載「趣味のインターネット地図ウォッチ」に加え、その派生シリーズとなる「地図と位置情報」および「地図とデザイン」という3つの地図専門連載を掲載中。ジオライターの片岡義明氏が、デジタル地図・位置情報関連の最新サービスや製品、測位技術の最新動向や位置情報技術の利活用事例、デジタル地図の図式や表現、グラフィックデザイン/UIデザインなどに関するトピックを逐次お届けしています。