地図とデザイン
終電が花火のように可視化された「東京終電マップ」など、新しい地図表現を追究する「Map Museum 2026」の受賞作品発表
2026年5月20日 06:00

4月28日に開催された地理空間情報のイベント「ジオ展2026」で、新しい地図表現を追究するプロジェクト「Map Museum 2026」の受賞作品が発表された。
Map Museumは、特定のテーマに沿って作成された地図を意味する“主題図”を募集するプロジェクトで、今回が初開催。365y株式会社が主催し、昨年秋より作品を募集、今年3月末までに69作品の応募があった。
最も賞金の高い「秀作」に選出されたのは「東京終電マップ」(作者:地図とかデザインとか さん)。山手線を中心に各路線の終電で帰ることができる範囲を花火のように放射状に描いた地図で、時間を同心円で表現し、時間スライダーを動かすと終電が終わった路線から消えていくという作品。これまでになかった表現手法が高く評価された。
「優作」に選ばれたのは「YAMAP流域地図」(作者:YAMAP/ヤマップ さん)。地図上で河川を選択すると流域がフォーカスされ、フォーカスされたエリアをさらに細かく選択すると分化した流域が表示されるUI。ハザードマップや自然災害伝承碑などの情報も表示できる。主題の分かりやすさやウェブブラウジングでのパフォーマンス、操作性の良さなど、さまざまな点で完成度の高い作品として評価された。
「佳作」に選ばれたのは「地図の地図」(作者:地図の地図 さん)。観光地図として配布されている紙の地図の図郭(範囲)を重ね合わせることにより、都内のどこが観光地として注目を集め、どこが注目されていないのかを可視化することができる地図だ。今回は「東京観光デジタルパンフレットギャラリー」に掲載されている152点の地図の図郭を重ね合わせた。地図の要素としてメインコンテンツとならない“図郭”に着目したユニークな発想や、図郭を重ね合わせて魅力的に描いたデザイン力などが評価された。
noteの記事に付けられた“スキ”の数で決まる「note大スキ賞」には、「"馬(午)"地名マップ」(作者:はいちーず! さん)が選ばれた。同マップは「馬(午)」という字が含まれる地名を抽出した主題図だ。都道府県・市町村だけでなく町名・大字・小字まで調査対象としている。
ジオ系プロダクトのためのファンド構想も
365yの代表を務める小山文彦氏は、来年も引き続き、「Map Museum 2027」を開催する予定で、2024年以降に新しく作成または発表された地図を募集している。また、同プロジェクトの協賛企業も募集中だ。
さらに365yは、もう1つのプロジェクトとして「Geo Fund」構想を発表。一般に投資を受けづらいジオ系の新プロダクトに対して、アーリー期を支えるファンドを作ることを計画しており、ジオ系各分野に造詣の深いメンバーがアドバイザーとして協力を検討しているという。次のジオ展までに内容を固める予定で、ジオ分野の新しいプロダクトに取り組んでいる人や、これから取り組もうと考えている人からの意見を募集している。また、ファンド組成に知見のある人やファンドマネージャー候補者にも実現に向けて協力や相談を呼び掛けている。


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INTERNET Watchでは、2006年10月スタートの長寿連載「趣味のインターネット地図ウォッチ」に加え、その派生シリーズとなる「地図と位置情報」および「地図とデザイン」という3つの地図専門連載を掲載中。ジオライターの片岡義明氏が、デジタル地図・位置情報関連の最新サービスや製品、測位技術の最新動向や位置情報技術の利活用事例、デジタル地図の図式や表現、グラフィックデザイン/UIデザインなどに関するトピックを逐次お届けしています。









