被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー
若い人も気を付けよう!
中国の「復縁詐欺」で1億円超の被害、恋人との“100%復縁”を謳う手口に騙されるな
2021年8月20日 06:00
恋人と別れた人に「復縁の手伝いをする」と持ち掛けて、お金を騙し取る「復縁詐欺」を行っていたネット詐欺集団が中国で逮捕されました。日本でも広まりそうな手口なので紹介します。
あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。
河北省に住む23歳の男性は恋人との破局後、連絡が取れなくなったため、「復縁請負人」と宣伝しているオンラインサービスに1000元(約1万7000円)を支払いました。しかし、具体的な解決策は示されず、「女性から魅力的に見られるためには、喫茶店でMacBookを開いて自撮りすること」などといったメッセージが来ただけでした。そして、数日後には追加のお金を要求してきたのです。ここで、男性はネット詐欺に遭っていることに気が付きました。
他のケースでは、彼女と何とか復縁したいと考えていた男性が「マンツーマン指導で100%愛を復活」という広告に魅了されて、3280元(約5万6000円)のコンサルティング料金を支払ってしまいました。しかし、追加の作業で3万元(約51万円)以上の追加料金の支払いを促されるのです。そんな彼がネット詐欺に遭っている間に元彼女は他の人と結婚していることが警察の捜査で判明しました。
上海警察は69人の容疑者を逮捕し、180台以上の携帯電話を押収しました。被害者は500人以上で、700万元(約1億2000万円)も荒稼ぎしていたのです。この犯罪集団は教育コンサルタント会社を装っており、復縁関係のサービスを運営していました。料金は2880元(約4万9000円)から1万2800元(約21万6000円)で、常に追加のサービス料金を要求していたそうです。
彼らは山東省に多くのコンサルティング会社を設立し、広告を打ってユーザーを集めていました。取り締まりを回避するために、定期的に古い会社を潰し、新しい会社を登録していたようです。被害者は全国に存在し、平均年齢は29.4歳、最年少の被害者は17歳で、最大被害金額は12万元(約204万円)でした。
「100%復縁」を疑うこと、ランキングサイトを鵜呑みにするのも危険
広告に「復縁確実」と書いてあっても、先に挙げた事例のように、復縁につながるような効果的なアドバイスすらもらえない可能性があります。
相手が詐欺師であれば「100%復縁」などと言ってきますが、会社の情報を調べるなり、口コミをチェックすれば手掛かりはあるものです。ただし、その際、ランキングサイトなどを見つけても、すぐに鵜呑みにしないようにしてください。どんな業界でもランキングサイトを自作自演している企業があります。それっぽい注意点などを書き、自ら手掛けるサービスなどを上位に持ってくるのです。よくある手口なので、そのウェブサイト以外で情報収集をしましょう。
情報収集はできる限り大手のメディアで行うことをお勧めしますが、ネット詐欺に関する情報を調べるなら掲示板サービスを利用する手もあります。詐欺被害に遭った人が相談がてらに書き込んでいることが多く、問題がありそうかどうかをチェックすることができます。ただし、デマが書かれている可能性もあるため、掲示板は正確な情報を収集するには向いていないこと、あくまで参考程度にとどめておくことを忘れないようにしてください。
デジタルリテラシーを高め、ネット詐欺に遭わないようにしましょう。お金を支払うなら、自分で調べたりする癖を付けましょう。「誰かがそう言ってたから」というスタンスだといつか被害に遭ってしまいます。君子危うきに近寄らず、です。
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高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「support@dlis.info」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。
※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと