被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

ショッピングサイト利用時は要注意!

個人間取引で「手作り」製品を購入したら中国の大量生産品が届いた

届いたのは中国製の大量生産品でした。画像はイメージ

 先日、筆者の所属するNPO法人DLIS(デジタルリテラシー向上機構)に寄せられた相談の事例を紹介します。なお、複数の相談と、調査した結果をまとめているので、以下は、個々の相談内容とは異なるものです。

 ある日、個人間で商品を売買するマーケットプレイスサイトで、好みの靴を見つけました。手作りの靴で、海外の靴作家の作品と記載されています。価格も手ごろだったので、購入することにしました。作成期間は10日前後と書いてありましたが、購入後に連絡があり、材料が届かないのでもう少し時間がかかると言われたそうです。最終的に3週間後に靴が届きました。しかし、届いたのは手作りどころか、中国製のノーブランドの靴だったのです。中国メーカーのタグが入ってことで発覚しました。

 実際に、筆者も報告されたウェブサイトを確認しましたが、確かに手作りの靴だと誤解させるような文章で商品を説明しています。ただ、うまく断言を避けたり、よく読むと手作りとは限らないような文面になっていました。この商品が欲しいと思って読んでいる人にとっては、手作りの靴だと思ってしまうのも仕方がない感じです。

 これは大量の商品を安く仕入れて高く売る、せどりというビジネスの商品です。中国の業務用激安ネットショップで大量に商品を購入し、日本で小分けにして、利益を乗せて販売するのです。相談者が調べたところ「淘宝(タオバオ)」という中国のショッピングサイトで同じ靴が売られていたようです。もちろん、元値は購入した金額よりはるかに安かったことでしょう。

 相談者の皆さんはだまされたと、とても嫌な思いをしており、中には激怒している方もおられます。今回のようなすれ違いを避けるにはどうしたらいいでしょうか。

 このような手法が詐欺罪に当たるかというと、判断の難しいところですが、いずれにしても誤解させるような表記で消費者を勘違いさせ、購入させるのはダメです。これは、マーケットプレイス側が取り締まるべきです。それは大前提なのですが、おそらく決定的な嘘をついていないかぎり、警察もプラットフォーム側も積極的には動いてくれないことでしょう。

 怪しいウェブサイトでは購入しないように注意し、個人間取引の際は相手のプロフィールや商品説明を徹底的に確認しましょう。マーケットプレイスであれば、過去の口コミを注意して見ましょう。今回の件では、中国製だという購入者コメントがいくつもありました。

 今、せどりは副業として流行っており、さまざまな個人間のマーケットプレイスでせどり商品が飛び交っています。中には、過去記事「コロナ禍で通報増加、悪質なショッピングサイトの被害。コピー品が出回り正規メーカーに苦情が殺到するケースも」で紹介したような、明らかにNGな商品もありますが、多くは法律的に問題ありません。

 このような状況を理解し、どうしてもせどり品を掴みたくないのなら、自分の目で確認し、不安であれば購入前に販売元に質問し、回避するようにしましょう。

個人間取引をする際は慎重に確認する必要があります。画面はイメージ。

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。

※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと