銀行のATMに並ばずとも、自宅にいながら振込・残高確認できることが便利で普及したインターネットバンキングサービス。しかし、利用者のIDやパスワードを盗み取られて金銭的な被害を蒙るフィッシング詐欺も懸念されている。セキュリティにも注意しながら、上手に活用したい。
●全国展開の金融機関
まず、全国規模の金融機関によるインターネットバンキングを紹介していこう。大手銀行は合併による再編・統合が進んでいる。“メガバンク時代”の現在、インターネットバンキングを軸に改めてメインバンクを探してみるのも良いだろう。なお、振込手数料など各種料金について、インターネット利用時の料金を掲載した。月額基本料については、別途記載がない限り基本的に無料だ。
■ 三菱東京UFJダイレクト
http://direct.bk.mufg.jp/
2006年1月1日に合併して誕生した三菱東京UFJ銀行のダイレクトサービス。ただし完全なシステム統合が図られたわけではなく、旧東京三菱銀行、旧UFJ銀行のどちらを利用しているかによってログイン方法などが異なるので注意しよう。インターネット利用時の振込手数料は0~315円。
■ みずほダイレクト
http://www.mizuhobank.co.jp/direct/
みずほ銀行が展開するインターネットバンキングサービス。多くの銀行同様、PCや携帯電話から利用可能な残高確認・振込サービスを提供している。振込手数料は0~420円。なお、宝くじのオンライン販売サービスも利用可能。1月22日からは最大32桁のログインパスワードを設定できるようになる。
■ One'sダイレクトサービス(三井住友銀行)
http://direct.smbc.co.jp/aib/
三井住友銀行系のサービスで、振込手数料105円~420円。通帳不発行型の口座「One's plus」からも利用できる。体験版サイトに加え、便利な使い方ガイドなどを用意しているので、インターネットバンキング未経験の人は参照してほしい。なお、2月からはRSAセキュリティのSecurIDを利用したワンタイムパスワードをオプションサービス(月額105円)として導入する。
■ りそなダイレクト(りそな銀行)
http://net.resona-gr.co.jp/resonabank/direct/
りそな銀行のインターネットバンキングサービス。最大の特徴は振込手数料の安さ。りそなグループ銀行宛の振込手数料無料はもちろん、他行宛手数料も100円とリーズナブルな料金となっている。
■ シティバンク インターネットバンキング
http://www.citibank.co.jp/citidirect/
外資系銀行「シティバンク」のインターネットバンキングサービス。国内銀行宛の振込手数料は0~260円だが、預入平均残高が2,000万円を越える「シティゴールド」のメンバーであれば無料になる。一方、預金残高によっては口座維持手数料月額2,100円が別途必要な場合もある。
■ 新生パワーダイレクト
http://www.shinseibank.com/direct/
新生銀行の総合口座「PowerFlex」利用者向けのインターネットバンキングサービス。振込手数料は通常0~300円だが、月5回までは他行宛振込手数料が全額キャッシュバックされるため、回数制限はあるものの実質的に無料という特徴を備えている。提携金融機関ATMの利用についても、手数料全額が後日キャッシュバックされるという。
■ 郵貯インターネットホームサービス
http://www.yu-cho.japanpost.jp/service/ihs/ihsintroduce.htm
郵便貯金口座の残高照会や口座振替ができる。2005年2月には営業時間帯が拡大され、平日・休日を問わず0時5分から23時55分までの利用が可能になった。なお、電信振替の料金は130円。
■ JAネットバンク
http://www.jabank.jp/ib/japan-map.htm
JA(農業協同組合)系のインターネットバンキングサービス。JAの各支店別にログインページが構成されているので、まずはサイト上の地図から目的となる支店を探そう。振込手数料は0~315円を基本だが、各支店によって異なる場合もあるので注意してほしい。
●ネット専業銀行を試す
続いてはネット専業の銀行をみていこう。入出金に他行ATMを利用したり通帳を不発行にすることで各種手数料を割安にしている一方で、毎月の口座維持手数料が必要だったり、クレジットカード発行に手数料が必要な場合もある。また、オークション手数料の自動引き落としなど、インターネットならではのサービスにも注力している。
■ イーバンク銀行
http://www.ebank.co.jp/
預金通帳を発行しないネット専業銀行。入出金も他行口座からの振込が基本となるが、発行手数料1,050円のキャッシュカードを発行すれば、各種ATMからも手続きできる。口座維持手数料は無料。振込手数料は0~160円。なお、クレジットカード機能キャッシュカードは発行手数料が無料だ。
【お詫びと訂正 1/23 11:12】
記事初出時、「発行手数料1,050円のクレジットカード」と記載しておりましたが、クレジットカード機能キャッシュカードの発行手数料は無料です。お詫びして訂正いたします。
■ ジャパンネット銀行
http://www.japannetbank.co.jp/
オークション手数料や通販代金の自動引き落としを積極的にサポートするネット専業銀行。振込手数料は52~262円。口座維持には手数料として月額105円が必要だが、振込の利用頻度や平均預金残高に応じて無料になる場合もある。
■ MONEYKit(ソニー銀行)
http://moneykit.net/
MONEYKitとは、ソニー銀行口座の利用時に使うツール。「MONEYKit-PostPet」など4種類のバージョンがあり、目的に応じて使い分けられる。振込手数料は0~210円。口座維持手数料は無料だ。
■ セブン銀行
http://www.sevenbank.co.jp/
2005年10月にアイワイバンク銀行から改称されたセブン銀行。全国のセブン-イレブン店舗にATMを設置しているため、入出金の利便性は高い。振込手数料は52~420円。口座維持手数料は月額0~315円。
●地方に根ざす金融機関
全国の各地域に根ざした地方銀行でも、インターネットバンキングサービスは標準的なサービスとなりつつある。各行とも地域性を考慮したサービスを展開しているので、積極的に活用してみよう。
■ 東京都民銀行
http://www.tominbank.co.jp/
東京都内に支店ネットワークを広げている金融機関。個人向けのインターネットバンキングは無料で利用可能。振込手数料は0~525円で、窓口・ATM利用時よりも割安となっている。
■ 新銀行東京 ダイレクトバンキングサービス
http://www.sgt.jp/personal/direct/
中小企業向けの無担保融資を中核業務に据えた銀行で、2004年4月に営業開始したばかり。本支店も東京都内の6店舗のみ。個人向け口座のインターネットバンキングサービスは、振込手数料0~210円。なお、通帳発行・取引明細郵送の希望者は口座維持手数料月額210円が別途必要となる。
■ はまぎんマイダイレクト(横浜銀行)
http://www.boy.co.jp/mydirect/pr/
神奈川県一帯を主な営業エリアとする横浜銀行。都内の一部エリアにも支店を構えている。インターネットバンキングの振込手数料は0~420円。サービス申込前に画面表示などを確認できる体験版ページも公開中だ。
■ りそなダイレクト(埼玉りそな銀行)
http://net.resona-gr.co.jp/saitamaresona/direct/
埼玉県内で営業している埼玉りそな銀行のサービス。前述した都市銀行のりそな銀行と名称は似ているが、ログイン先は異なるのでご注意を。振込手数料は0~100円。
■ ちばぎん マイアクセス(千葉銀行)
http://www.chibabank.co.jp/myaccess/
千葉銀行のインターネットバンキングは、毎月の利用手数料として月額105円が必要。ただし、契約当初の6カ月間もしくはポイントサービスの利用状況によっては無料になる。振込手数料は0~420円。
■ 北海道銀行 インターネットバンキング
http://www.hokkaidobank.co.jp/banking/
北海道銀行のサービスは、年間利用料1,260円のテレホンバンキングサービス利用者向けに提供している。振込手数料は105~525円。
■ 七十七銀行 インターネットバンキング
http://www.77bank.co.jp/inb/
宮城県仙台市に本店を構える地方銀行。仙台周辺以外にも、福島県など東北地方各地にも支店がある。インターネットバンキング契約時の月額基本料金は210円。振込手数料は0~525円。
■ 近畿大阪銀行 インターネットバンキング
http://www.kinkiosakabank.co.jp/ibanking/
りそなグループの金融機関で、営業エリアは主に大阪府と兵庫県。インターネットバンキングの振込手数料は0~100円。なお、りそなグループの銀行口座へは振込手数料が無料。
■ トマト銀行 インターネット・モバイルバンキングサービス
http://www.tomatobank.co.jp/banking/
ひときわ目立つ名前のトマト銀行は、岡山エリアで営業する。インターネットバンキングの振込手数料は0~367円。自行口座間では金額を問わず、手数料無料で振り込める。
■ ふくぎん ダイレクトバンキング(福岡銀行)
http://www.fukuokabank.co.jp/direct/
福岡市や北九州市など、主に九州地方で営業する福岡銀行。インターネットで残高照会や口座振込ができるサービスを提供している。手数料は月額利用料105円、振込手数料は105~525円。なお「ふくぎんポイントくらぶ」の利用状況によっては無料などの優遇特典が用意されている。スの利用状況によっては無料になる。振込手数料は0~420円。
●銀行をもっと便利に使うなら
最後に、口座一括管理ソフトやバンキングサービス比較サイトなど、銀行をもっと便利に使うための情報源となるサイトをまとめた。また、インターネットバンキング関連の犯罪やATM暗証番号の盗撮被害などについて、対策などをとりまとめる各業界団体のサイトもあわせて掲載した。
■ MoneyLook
http://www.moneylook.net/moneylook/
SBIテクノロジーが公開している、金融口座一括管理ソフト。普通預金口座や郵便貯金、クレジットカードなどの利用履歴を一元的に管理可能。Yahoo!ファイナンスを通じて提供されており、無料で利用できる。対応OSはWindows XP/2000/ME/98SE/98。
■ Microsoft Money
http://www.microsoft.com/japan/money/
マイクロソフトが発売する金融管理ソフト。140以上のインターネットバンキングサービスが、Microsoft Money形式に対応した取引履歴出力機能を備えているという。現在のバージョンは「Microsoft Money 2006」で、通常版は12,390円。対応OSはWindows XP/2000/Me/98SE。なお、30日間限定体験版も公開中。
■ イーネット
http://www.enetcom.co.jp/
ファミリーマートやミニストップなどのコンビニエンスストア店内にATMを設置している。各地の地方銀行カードが利用できるので、出張先での現金引き出しにも便利だ。こちらのサイトでは設置店舗の検索や利用手数料の確認が可能。
■ オールアバウト 銀行サービス
http://allabout.co.jp/finance/bank/
銀行を始めとした金融機関関連の記事を掲載。金銭的な犯罪被害防止の切り札として期待される生体認証システム対応ATMの利用レポートなどもある。
■ セキュアブレイン
http://www.securebrain.co.jp/
金融機関のサイトを装うフィッシング詐欺。セキュアブレインでは、そうした詐欺サイトにアクセスした際に、信号のように赤・青・黄色で安全度を表示するInternet Explorer向けツールバー「PhishWall」を無料配布している。
■ ゴメス Eコマースランキング
http://www.gomez.co.jp/scorecards/
通販や求人情報サイトなどの使い勝手を調査・集計し、独自のランキングとして発表しているコンサルティング会社ゴメス。インターネットバンキングサービスも対象となっており、2005年10月発表分では三井住友銀行が1位。
■ 全国銀行協会
http://www.zenginkyo.or.jp/
国内で営業する銀行を会員とする業界団体。公式サイトでは金融関連の統計や経済指標を公開する。また、、銀行口座の不正利用や通帳盗難など一般消費者にも関連する諸問題について、業界としてどのように対応しているかを随時報告している。
■ 全国地方銀行協会
http://www.chiginkyo.or.jp/
全国約60行の地方銀行からなる会員組織。公式サイトのトップページ最上部に一般消費者向けの情報を掲載しており、詐欺やスパイウェアに対する注意喚起を行なっている。「地方経済天気図」などの経済指標や各銀行のリンク集も公開中。
■ 全国信用金庫協会
http://www.shinkin.org/
地域経済向けの金融業務を担う信用金庫の協会組織。リンク形式で全国各地の信用金庫を紹介している。また、信用金庫の概要や、信用金庫ATMの相互利用システム「しんきんゼロネットサービス」についても解説する。
■ 金融庁
http://www.fsa.go.jp/
http://www.fsa.go.jp/ordinary/
金融機関を監督・監視する官庁。関係法人向け情報が中心のサイト構成だが、「一般のみなさんへ」のページでは金融・保険・投資分野の一般的注意事項も掲載している。
■ 日本銀行
http://www.boj.or.jp/
日本の中央銀行であり、銀行券(紙幣類)を発行できる国内唯一の機関。日本銀行のサイトはインターネットバンキングとは直接関係ないものの、日本の金融市場には外せないサイトだ。
(2006/1/20)
[森田秀一]
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