オンライン地図の多機能化が進んでいる。キーワード検索機能との連携はもちろん、マウスのドラッグ操作で直感的に地図を動かせる「スクロール地図」も普及した。2007年の今、ネットの定番サービスといえる“地図”に改めて注目してはどうだろう。なお本誌では「趣味のインターネット地図ウォッチ」も連載している。あわせてチェックしてほしい。
●定番のオンライン地図をチェック
まず、カーナビ用地図データ事業を手がけるソフトベンダーや大手地図出版社のサービスなど、地図情報をメインに提供する地図専門ポータルを見ていこう。カーナビ感覚のルート検索など、各サイトとも得意分野を生かした独自機能を打ち出している。いずれも一度はじっくり触れてみたい。
■ Google マップ
http://maps.google.co.jp/
キーワード入力をベースとした検索機能のほか、非常に精緻な航空写真(空中写真)を閲覧できるのが最大の魅力。地図のスクロール・縮尺変更がマウス操作で直感的に行なえるのも特徴だ。また航空写真に加え、見やすいイラスト形式の地図を表示させることも可能。
■ マピオン
http://www.mapion.co.jp/
サイバーマップ・ジャパンが手がけるオンライン地図サービス。マウスのドラッグ操作で地図をスクロールさせる機能を積極的に取り入れた。また住所やスポット名をキーワードにした検索が可能。より広範囲な地図を閲覧できる「MapionBB」や、地点間の距離を測れる「キョリ測」といった派生機能も。
■ ちず丸
http://www.chizumaru.com/
昭文社などが出資する、日本コンピュータグラフィックによる地図検索サービス。地図操作機能が充実しており、ドラッグによる地図スクロールはもちろんのこと、縮尺変更も非常にスムーズ。フリーワードに対応した検索機能も備える。
■ its-mo Guide
http://www.its-mo.com/
ゼンリンデータコム運営。全国47都道府県の詳細な地図を閲覧できる。印刷に最適な表示に切り替えたり、携帯電話へ地図URLを送る機能、フリーワード検索などが利用可能。また、ブログに書かれたスポットを、スクロール地図上にオーバーレイ表示する「地図ログ」も提供中だ。
■ MapFan Web
http://www.mapfan.com/
カーナビ用地図の制作で知られる、インクリメントPが提供する地図ポータル。“生活地図サイト”を謳っており、 周辺スポット検索機能や天気予報などを同時に提供している。カーナビ風のルート検索も可能だ。マウスでのスクロール操作に対応した「新地図ページ(BETA版)」などの追加機能を利用するには、無料の会員登録を行なう必要がある。
●実験的なサービス
近年はWeb 2.0という概念の浸透もあってか、地図とそれ以外のオンラインサービスを組み合わせようという試みも増えている。大手の地図サイトが、実験的な取り組みを先行公開するケースも目立つ。
■ ちず丸ラボ
http://www.chizumaru.com/lab/
特定の利用者層を意識した実験的なサービスを公開する。第1弾となるのは「ちず丸ビジネス(仮)」で、その名のとおりビジネスパーソン向け。周辺の駅や喫茶店、ホテルなどをボタン1つで検索できる。地点間移動・縮尺変更時にもアニメーション表示が積極的に取り入れられている。場所にあわせた動画広告が自動的に再生される機能なども。
■ MAPION LABs
http://labs.mapion.co.jp/
マピオンが手がける実験的なサービスを紹介するWebサイト。1月には「Mapion3D Map」が公開されたばかり。プラグイン不要で、ごく限られた範囲内ながら3D表示された街並みを移動できる。またインターフェイスを大幅に改善した高機能地図「マピオンラボ」も無料会員登録を行なうことで利用できる。
■ ALPSLAB
http://www.alpslab.jp/
地図ソフト「プロアトラス」シリーズを販売するアルプス社の実験サービスのサイト。自分のブログにスクロール地図を貼り付けられる「ALPSLAB slide」などの実験サービスを複数公開している。注目したいのは、地図上のルートを作成・共有できる「ALPSLAB route」。ルート移動をアニメーション表示してくれ、見た目にも新鮮だ。
■ 駅探ラボ
http://lab.ekitan.com/
鉄道路線の検索サイト「駅探」が手がける実験的なサービスをひとまとめに紹介する。その1つ「駅探路線図 情報提供実験」ではドラッグによるスクロールに対応した路線図を公開。駅名をクリックすると周辺スポットの検索が一括して行なえる。
■ iタウンページ スクロール地図で探す ベータ版
http://www.mapion.co.jp/custom/itp_b/
店舗や企業の電話番号情報でおなじみのiタウンページ。こちらのベータ版サービスでは、ドラッグでスクロール可能な地図を閲覧しながら、店舗所在地情報を一度にチェックできる。業種やエリアをお気に入り登録する機能も搭載している。
■ ウェブリマップ
http://map.bblog.biglobe.ne.jp/ap/maps/pl/
表示された範囲内のお店・スポットなどについて記述されたブログを、新着順に表示してくれる。Google マップの機能を外部サイトからでも利用できる「Google Maps API」によって実現しているサービスの1つだ。
■ はてなマップ
http://map.hatena.ne.jp/
こちらもGoogle Maps APIを利用したサービス。「はてなフォトライフ」で公開された写真やURL、はてなキーワードの内容などを地図上にオーバーレイ表示できる。
■ 電子国土ポータル
http://cyberjapan.jp/
政府や関係機関が公開した地図関連情報をまとめたポータルサイト。地図に重ねて使えるデータなど公開。緯度経度を指定した地図閲覧も可能だ。なお全機能を利用するためには「電子国土 Web システムプラグイン」をインストールする必要がある。
■ スゴイ地図
http://sugoi.doko.jp/
リクルート運営。Flashベースのインターフェイスで構成された地図サイトで、ドラッグによるスクロール機能など地図としての基本機能はしっかり備えつている。さらに地域情報サイト「ドコイク?」と連動し、近隣店舗の写真などもチェックできる。
●実用性高し! ポータルサイトの地図サービス
オンライン地図は、ポータルサイトでもおなじみのサービスだ。馴染みのあるインターフェイスで利用できるメリットがあるほか、飲食店の口コミ情報など各種データベースとの連携機能も豊富だ。航空写真の表示に対応するなどの機能拡充も随時行なわれている。
■ Yahoo!地図情報
http://map.yahoo.co.jp/
ポータル最大手「Yahoo! JAPAN」によるサービス。飲食店や宿泊施設など7ジャンルの地図アイコンを任意にオーバーレイ表示させられるほか、最寄り駅をピックアップしているのが特徴。ドラッグ操作で地図をスクロールできる機能もベータ版として提供されている。関連特集として「古地図で東京めぐり」も公開中だ。
■ goo 地図
http://map.goo.ne.jp/
住所や駅名、施設名を対象としたキーワード検索のほか、一部地域の航空写真を表示可能な地図サービス。地図の操作は、ドラッグ&ドロップによるスクロール、ダブルクリックした地点へ移動するマウス追従など3種類選べる。ルート案内機能も提供する。
■ インフォシーク地図
http://map.www.infoseek.co.jp/
インフォシークではゼンリンデータコム提供による地図データを公開中。ドラッグ操作でのスクロールに対応するほか、ボタン1つで最寄り駅を検索することが可能。地図のURLをメールで送信できる機能も。
■ livedoor マップ
http://map.livedoor.com/
ドラッグでのスクロール、航空写真表示に対応した地図サービス。表示画面右側の「トラックバック」にチェックを入れると、周辺スポットについて言及したブログへのリンクが表示される。またこのほど、表示地点から最寄り駅までのルート検索機能や検索履歴表示機能が追加された。
■ Ask.jp 地図検索
http://ask.jp/local/maphome.asp
昭文社提供の地図を閲覧・検索可能。Ask.jpのローカル情報サービス「ジモナビ」と連携しており、飲食店情報などがチェック可能。検索候補をクリックすると、対象地点までスムーズに自動スクロールしてくれる「おっかけ検索」も面白い。
■ エキサイト 地図
http://www.excite.co.jp/map/
シンプルなインターフェイスが特徴の地図サービス。都道府県別の階層メニューや郵便番号、キーワードなどから目的地を検索できる。また表示された地図の下部にはコメントスペースが設けられており、印刷前のメモ書きなどに使える。
■ Live Search 地図
http://maps.live.com/
マイクロソフトによるオンライン地図検索サービス。店舗の名称や地域をキーワードに検索が可能。また航空写真による表示も可能だ。地図上の好きな場所へコメントなどを記述できるプッシュピン機能もある。
■ フレッシュアイ 地図
http://www.fresheye.com/map/
住所や駅名、施設名を対象としたキーワード検索ができる。また地図の表示エリア自体も切り替え可能。地図表示地点から最寄り駅を検索し、道順を表示してくれる「駅からここまで道案内」機能も試してみよう。
●鳥の視点で街を味わう~航空写真
これまで一般人にはなじみの薄かった航空写真だが、Googleを筆頭にとした各サイトで積極的に導入されるなど、存在感は近年増す一方だ。見た目の楽しさと同時に、実用の高さが広く認められつつあるといえるだろう。そんな航空写真をあつかったサイトをまとめて紹介する。
■ DECORE 東京空間遊歩人
http://tokio.decore.jp/
東京23区の航空写真を閲覧可能なサービス。画像の精細度が非常に高いのも特徴だ。ランドマーク検索などを駆使して、著名な建築物をチェックしてみよう。建設中の六本木ヒルズや再開発途中の秋葉原駅周辺の様子なども分かる。表示地点をURLで詳細に指定できるので、メールやブログからのリンクも容易。
■ いくとこガイド
http://www.ikutoko.com/
全国各地のおもな都市部の航空写真を掲載する。住所や郵便番号で検索後、ページ内に表示された「航空写真」のボタンを押してみよう。航空写真が用意された地域ならば、イラスト形式の地図から画像へと切り替わる。
■ 航空写真画像情報所在検索・案内システム
http://airphoto.gis.go.jp/
国や地方自治体が所有する航空写真を横断的に検索できるなWebサイト。業務利用後は廃棄されることがほとんどだったという航空写真を有効活用するねらいから公開されたという。利用規約に同意の上、ページ最下部のボタンから検索ページを開いてみよう。
■ 国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)
http://w3land.mlit.go.jp/WebGIS/
国土交通省国土計画局による。昭和49年度から平成2年度にかけて撮影されたのべ40万枚もの航空写真が整理されているという。「カラー空中写真」のリンクから閲覧できる。写真の解像度も複数用意されており、400dpiであれば家の形などもおおむね判別可能だ。
■ 空中写真閲覧サービス(試験公開)
http://mapbrowse.gsi.go.jp/airphoto/
こちらは国土地理院による航空写真のデータベース。1996~2000年の写真に加え、米軍によって撮影された1945年~1956年ごろの写真も収録されているという。
■ Google Earth
http://earth.google.co.jp/
Googleによる3D地球儀ソフト。2006年9月に日本語版クライアントが公開。日本語による詳細ページも開設されたことで格段に利用しやすくなった。高精細な衛星・航空写真を楽しめるだけでなく、一部の建物は3Dでも表示される。無料版に加え、高機能版が有料で公開されている。
■ NASA World Wind
http://worldwind.arc.nasa.gov/
こちらは米NASAが公開している3D地球儀ソフト。マウス操作で地表面の拡大縮小や視点変更が可能だ。フリーソフトとして公開されている。
(2007/02/23)
[森田秀一]
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