3D CGで構築された仮想世界「Second Life(セカンドライフ)」。一見するとMMORPGのようだが、アイテムの外観をユーザーが自由に作成できたり、その取引に現実の貨幣と交換できる仮想通貨「Linden Dollar(リンデンドル)」が用いられ、一種の“仮想経済圏”を構築していることから話題となった。日本国内でもプロモーションなどを目的に著名企業がSecond Lifeに進出しはじめている。
Second Lifeの利用は基本的に無料だが、有料の「プレミアムアカウント」も用意されている。プレミアムアカウントは月額9.95ドルで、リンデンドルが毎週お小遣いとしてもらえるほか、土地所有権が付与される。もっとも、Seconde Life内ではいろいろなアイテムが無料で配布されているので、慣れるまでは無料アカウントで十分だろう。
では、Second Lifeの現状を、関連サイトから探っていこう。
●まずはここから! 公式サイト&ガイド記事
まずはSecond Lifeの公式サイトを中心に、初心者向けガイド記事やニュース速報系のサイトを見ていこう。
■ Second Life
http://jp.secondlife.com/
Second Lifeの運営元である米Linden Lab(リンデンラボ)による公式サイト。Second Lifeをプレイするために必要な専用ソフト「Second Lifeビューア」の配布、ユーザー登録の受け付けなどを行なっている。概要を含め、Second Lifeがどんなものか知りたい人はこちらのサイトをまずチェックしよう。なおSecond LifeビューアはWindows 2000/XP、Mac OS X、Linux i686に対応。ビューアの基本的な部分はほぼ日本語化されている。
■ メルティングドッツ
http://www.meltingdots.com/
http://www.meltingdots.net/
Second Lifeでは、つい最近まで日本語版がなかった。メルティングドッツでは、日本語でわかりやすく解説する「日本人専用島メルティングドッツ・ウォーカー」を公開中。Second Lifeを起動したPCからは、ページ上のURL(SURL)をクリックすることで直接訪問できる。なおSecond Lifeへの会員登録フォームも用意している。
■ THE SECOND TIMES
http://www.secondtimes.net/
「メタバース(3Dバーチャルワールド)」関連の最新ニュースを伝えるポータルサイト。Second Lifeに関する話題も豊富で、一般的なニュースサイト感覚で読める。Second Life体験中のユーザーはもちろん、未体験のユーザーがその概況を知るにもぴったりだ。
■ セカンドライフ(日本語版)の歩き方
http://www.sec-life.com/
Second Life初心者・中級者を対象とした、わかりやすいガイド記事を多数掲載中の個人運営サイト。Second Life世界に構築されたおすすめスポット、入門者にとって最初の壁である操作方法についても詳しい。
■ セカンドライフウォーカー
http://www.secondlifewalker.com/
Second Life初心者向けガイドを中心とした情報サイト。Second Life内で展開中のイベントに関する体験レポートなど、スクリーンショットとともに紹介されるニュース系記事が面白い。また「WalkerIsland」の名称でSIM(Second Life内の土地)を購入しており、オブジェクト作成練習場所などとして一般来訪者に解放しているという。
■ Second Life Walker
http://sl.taf-jp.com/
上述の同名サイトと異なり、こちらはSecond Life参入支援などを行なう企業「ターン・アンド・フロンティア」によるブログ。 FAQ的なコンテンツの公開に加え、同社が関西人居住区として販売している「Dotonbori」「Umeda」SIMの区画の販売概要などを掲載している。
■ マグスル
http://magsl.net/
Second Life関連の情報を情報をまとめた“Webマガジン”。一通りのガイダンス記事に加え、最新情報を伝えるレポート系記事を豊富に掲載する。またSecond Life内の土地区画も有料で分譲中。
■ セカンドライフJAPAN
http://secondlife.chu.jp/
Second Lifeへの登録から、動作に必要なスペック、操作までを幅広く解説。またゲーム内貨幣であるリンデンドルの稼ぎ方、土地の購入方法にまで言及されている。困ったときに参照してみよう。
■ SecondBuzz!!ブログ
http://blog.secondbuzz.jp/
Second Lifeへの参入支援事業などを手がける「モバイルファクトリー」による。Second Life関連の最新トピックや豆知識ををブログ形式で掲載する。同社が手がけた支援事例なども詳しく紹介中だ。
■ セカンドライフForum
http://sl.impressrd.jp/
インプレスR&DによるSecond Life情報サイト。イベントレポートに加え、リンデンラボ公式サイトで発表された定期・緊急メンテナンス情報なども日本語化して伝えている。Second Life入門記事も掲載中。
■ セカンドライフFUN
http://セカンドライフゲーム.com/
http://xn--ecknw7a9dtdyd4c8d9d.com/
Second Lifeの利用法全般を解説。入門マニュアル的な記事が人気という。リンデンドルの稼ぎ方についても詳しい。とはいえ、リンデンドルは現金との関係が密接。購入や利用には十分注意しよう。
■ NaviSL(ナビスル)
http://www.navisl.jp/
「Second Life専門」を謳うSNS。開設から約半年で会員数は12,000名を突破したという。同時掲載中のSecond Life入門ガイドとあわせて閲覧したい。
■ SLMaMe(ソラマメ)
http://www.slmame.com/
Second Lifeをテーマとした、無料のブログサービス。こちらのTOPページでは各ブログから投稿されたSecond Lifeのスクリーンショットやイベント開催告知などをまとめて閲覧できる。他のユーザーがどんなスタンスでSecond Lifeに向き合ってるのかがわかりそうだ。
●日本企業も続々参入中
2007年初頭ごろから、“Second Life参入”を表明する日本企業が増えてきた。その後も着実に数を増やしており、テレビCMなどでおなじみの大手企業も多数名乗りを上げている。日本でSecond Lifeが定着するかどうか、これら企業の取り組みにもかかってきそうだ。
■ セカンドライフ三越のご案内
http://www.mitsukoshi.co.jp/service/sl/
国内屈指の百貨店である三越は7月からSecond Lifeに進出した。「越後屋呉服店」としての創業当時をイメージさせる「歴史ゾーン」では、オリジナルの陣笠や扇子、はっぴなどのグッズを無料配布しているという。また未来の三越をイメージした「未来ゾーン」も順次オープン予定。
■ SECOND LIFEにPARCO-CITYがオープン!
http://web.parco-city.com/sl/
若者向けのファッション店などを多数擁するパルコも、Second Lifeに参入。ウェアや小物などのアバターアイテムをプレゼントしている。またショップ内を「よくばりパルコちゃん」が可愛らしく歩き回るといったアトラクションも。これらの様子はWebサイト上に公開された動画でチェックできる。
■ NISSAN X-TRAIL ISLAND
http://www.nissan.co.jp/X-TRAIL/SECONDLIFE/
日産自動車が2007年10月に本格オープンを予定しているSecond Life内アトラクション。新型自動車「エクストレイル」のプロモーションを目的としており、スノーボードのワンメイクジャンプなどがを楽しめる予定という。現在はアバター用アイテムであるロゴ入りTシャツのプレゼントを実施中。
■ 野村證券、仮想空間セカンドライフに情報発信拠点「NOMURA CUBE」を開設(PDF)
http://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20070713/20070713.pdf
証券大手の野村證券が7月13日に発表したニュースリリース。国内証券会社としてSecond Lifeに初めて進出したという。現状ではサービス告知やノベルティの配布が中心だが、Webサイトと連動した疑似セミナーなども予定している。
■ Slim!=SoftBank×SAMSUNG
http://mb.softbank.jp/mb/special/samsung/SL/
ソフトバンクモバイルとサムスンによるSecond Life内プロモーション施設。最新端末「805SC」が各所に展示されるほか、手持ち画像を表示できるアバターアイテム版805SCなども配布中だ。携帯電話関連では、このほかNTTドコモもSecond Lifeに進出している。
■ エイチ・アイ・エス、「H.I.S. 旅SL(タビスル)」を開設(PDF)
http://www.his.co.jp/material/pdf/n_co_20070613.pdf
旅行業大手「「エイチ・アイ・エス(H.I.S.)」が6月にオープンしたSecond Life内のバーチャル施設。6月13日の開設時点において、旅行業界でのSecond Life進出は初という。Second Life内の名所を紹介する「バーチャルトラベルステーション」などを設置している。
■ 業界初! セシール「セカンドライフ」に出店(PDF)
http://www.cecile.co.jp/Prof/newsrelease/pdf/07-28.pdf
カタログ通販で知られるセシールもSecond Life参入を果たした。通販業者としては、やはり初の参入になるという。カタログや商品の陳列などを実施している。
■ 話題の仮想空間「Second Life」にて"遊べる"体感型のバーチャル店舗を出店!(ブックオフコーポレーション)
http://www.bookoff.co.jp/topic/topic21.html
中古書店大手「ブックオフコーポレーション」がSecond Life内にオープンしたバーチャル店舗。テレビCMのストリーミング配信を実施するほか、店舗上空には本棚で構成された巨大迷路など、楽しめる要素を盛り込んでいるという。
■ TBS/世界陸上×Dogatch×セカンドライフ 遊び方の紹介
http://dogatch.jp/special/seriku/secondlife/
9/2(日)まで開催されていた陸上競技選手権「世界陸上」。その関連イベントが、広告代理店最大手である「電通」が保有するSecond Life内区画「バーチャル東京」にて実施された。短距離走や砲丸投げが楽しめた。
■ 慶應義塾と電通がセカンドライフ内での共同研究を開始(PDF)
http://www.keio.ac.jp/pressrelease/070731.pdf
慶應義塾と電通では、上述の「バーチャル東京」内に共同研究キャンパスを設立。Second Lifeを活用した遠隔授業の新手法を模索するほか、経済活動の研究を行なう予定という。どのような研究成果が発表されるか、期待しよう。
■ こちらセカンドライフ特派員(週刊東洋経済)
http://www.toyokeizai.net/online/tk/blog/1/
Second Lifeへの企業参入動向を伝えるブログ。経済情報誌「週刊東洋経済」でおなじみの東洋経済新報社による。Second Lifeのあり方について、その参入コストなど金銭面からも解説しているのが特徴だ。なおSecond Life内に支社も設けられているので、気になる人は訪れてみよう。
■ テレトロ祭り(テレビ東京)
http://www.teretoro.com/
テレビ東京が7月2日から8月31日まで期間限定開催したイベント。昭和30~40年代をイメージさせる、懐かしい、レトロなお祭りをSecond Life上に再現するのがねらいという。なお日本のテレビ局によるSecond Life進出はテレビ東京が初とのこと。
■ 「アイドリング!!!」のメンバーたちが「セカンドライフ」に参入(フジテレビ)
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2007/07-195.html
CS放送「フジテレビ721&739」で放映中のアイドルバラエティ番組「アイドリング!!!」では、出演者によるCD発売記念イベントをSecond Lifeで実施。ファンらとの交流が行なわれたという。
■ すずかんセカンドライフ内サイバー事務所での演説会レポート
http://suzukan.net/test/event/62_2.html
民主党参議院議員の鈴木寛氏は6月2日、Second Lifeにおいて国会議員としては初の演説会を実施したという。こちらのページでは開催報告として、質疑応答のログやイベントのスクリーンショットなどを掲載している。
■ セカンドライフ☆レポート
Impress Watchが7月27日に開催した「AKIBA PCセカンドライフ フェスタ ’07夏」の模様を動画でレポート中。Windows Vistaを擬人化した「Vistaたん」や、秋葉原の自作PC関連イベントでおなじみの関係者らがアバターとして登場した。
■ セカンドライフ・デジタルハリウッドランドプロジェクト
http://www.dhsl.jp/
デジタル関連のデザイナーなどを養成する専門学校「デジタルハリウッド」では、Second Life内の拠点「デジハリ・ランド」をただいま建設中。現在は関係者のみに公開されている。
■ セカンドライフ ガイド
http://slguide.jp/
口ゴミ型のSecond Life情報サイト。注目はスポットの検索機能だ。著名企業などが開設した注目スポットの所在地を、Webサイト上から検索できる。Second Lifeビューアがインストールされていれば、目的地に直接テレポートすることも可能だ。
●広がるSecond Lifeの世界
最後に、Second Lifeをより楽しむための関連サイトをまとめた。日本では話題先行の感が否めないSecond Lifeだが、オブジェクト作成や土地売買など際限ない可能性を秘めた世界であることもまた事実。どのように発展していくか、今後も注目していこう。
■ リンデンスクリプトを使ったSecond Lifeのプログラミング
http://codezine.jp/a/article/aid/1214.aspx
Second Lifeでは「リンデンスクリプト」と呼ばれるプログラミング言語を用いることで、車の動きなどさまざまな要素をシミュレーションできる。こちらの記事ではスクリプトを使った簡単なエレベーターの作成法を解説している。
■ ゼロからはじめるセカンドライフプログラミング
http://journal.mycom.co.jp/special/2007/secondlifeprog/
Second Lifeの楽しさはモノづくりにあり―─。それを実践すべく、オブジェクトの作成やリンデンスクリプトを使った動きの付け方を学ぼうという解説記事。タイトル通り、Second Lifeビューアのインストールから、空飛ぶ絨毯の作成までを段階的に説明している。
■ DoSL
http://dosl.cc/
Second Life内の注目スポットを、Webサイト上で共有するための“ソーシャルランドマークサービス”。Second Life内で無料配布されている専用アイテムを使用することで、コメントとともに位置情報を記せる。
■ ティーカップ・コミュニケーション 携帯/PCブラウザからSecond Lifeへの通信手段を提供開始
http://orange.ap.teacup.com/topc/32.html
Webサイト上でのチャットサービスなどを手がけるティーカップ・コミュニケーションによるニュースリリース。ティーカップがSecond Life内に設けた「Japan Resort」とWebサイトとの間でチャットが可能になったという。これらのようなWebサイトとSecond Lifeを連携させる取り組みは、今後も増えていきそうだ。
■ WEB-STAR JAPAN
http://www.webstarjapan.com/
http://www.slnews.tv/
これからSecond Lifeの世界に進出しようという企業のコンサルティングや、コンテンツ制作実務などを手がけるプロダクション。Second Life専門を謳うニュース番組「SLNEWS.TV」にて、みずから情報発信も行なっている。
■ Virtual AKIBA Life
http://virtualakibalife.com/blog/
Second Lifeという仮想世界に、現実世界を再現しよういう試みも増えている。漫画喫茶「アイ・カフェ」を展開するテイツーでは、Second Life内に秋葉原の街並みを構築するというプロジェクトを発表した。ブログではその経過状況などを随時報告している。
■ NeoKowloon
http://www.jet-graphics.com/kowloonindex_K.html
プレイステーション用ゲームソフト「クーロンズ・ゲート」で表現されたサイバーパンク的世界観が、今度はSecond Life内で再現された。ゲーム発売当時の制作デザイナーが10年ぶりに手がけているという。
■ TokyoZERO番地
http://www.secondlifejapan.co.jp/
Second Life内に構築された「TokyoZERO番地」でショッピングを行なうと、現実世界の手元に商品が届くというサービス。ウインドウショッピングや試着なども可能という。またシアターを再現したゾーンではアニメーションの無料配信なども行なっている。
(2007/09/03)
[森田秀一]
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