ちょっとした文書ファイルなどを簡単な操作でネット上に保存しておける「オンラインストレージ」。一度保存したファイルは他のPCからもダウンロード可能なので、ファイルのバックアップや複数ユーザーとの共有に便利だ。無料サービスも多く、USBメモリのように持ち歩く必要がないのも魅力。仕事を快適にこなすためのサポートツールとして、上手に活用しよう。
●まずは無料で始めよう!
オンラインストレージの便利さは使ってみなければわからない。まずは、気軽に利用できる無料版を用意したサービスからご紹介していこう。なお、多くの運営元は最大保存容量に加え、1ファイルあたりのサイズや月間転送量を制限しているケースがほとんど。詳しくは各サービスのヘルプなどを参照してほしい。
■ Yahoo!ブリーフケース
http://briefcase.yahoo.co.jp/
ポータルサイト最大手「Yahoo! JAPAN」が運営するオンラインストレージ。Yahoo! JAPAN IDを無料で取得すると、300MBまでのファイルを保存可能。Yahoo! BB会員および有料のプレミアム会員であれば1GBにまで増量される。なお、JPEGなどの画像ファイルについては別サービスである「Yahoo!フォト」へ保存する形式となっている。
■ Windows Live SkyDrive
http://skydrive.live.com/
マイクロソフトによる「Windows Live」サービスの1つとして、日本では2月に提供開始された。注目したいのは、無料で最大5GBまで保存可能という大容量ぶり。1ファイルあたりの最大サイズも50MBまでとかなり余裕がある。また、他のユーザーとの共有機能も充実している。
■ quanp
http://www.quanp.com/
リコーが5月に正式サービスとして開始した。保存容量1GBの「Trial」コースは無料で利用できる。各種のサポートソフトウェアを用意しており、「quanp.on」をインストールすればドラッグ&ドロップでのアップロードが可能になる。容量10GBの「Standard」コースは月額300円だが、シェアプレイスの開設機能も追加される。
■ マイキャビ
http://www.nifty.com/cabinet/
@niftyのオンラインストレージ。ユーザー登録すれば20MBまで無料で保存できる。OSのネットワークドライブ機能から利用できるのも魅力だ。保存容量の異なる有料コースが5種類用意されており、100MBの「ミニ」コースは月額315円、最も容量の大きい「プレミアム」が月額5250円。
■ ファイルバンク
http://www.filebank.co.jp/
「1ファイルあたり最大14日間」と保存日数に制限はあるものの、100GBまでアップロード可能という大容量サービス。ダウンロード速度の向上や保存日数延長のために料金を支払う仕組みだ。「ディスクプラン」のうち、1GBまでの容量を30日間保存できるプランは500円。その他の各種プランも用意されている。
■ WebFile
https://www.webfile.jp/
ファイル保存に加え、共有も可能。100MBまで保存できる「100M無料」コースを提供中だが、1カ月間未ログイン状態が続くとアカウント抹消されるので注意しよう。有料コースは6種類あり、「300Mコース」は初期費用500円、月額料金300円。6カ月単位での契約が必須となる。
■ NetDrive
http://www.net-drive.biz/
Webブラウザからの利用が一般的なオンラインストレージに対し、こちらではOSから直接アクセスできる機能を最大の特徴としてアピールしている。保存容量1.4MBの「WebFloppy」コースは無料。100MBの「WebDisk Std 100」は初期費用2100円、月額料金315円。
■ kashikinko.jp
kashikinko.jp
専用プラグインを利用し、Webブラウザ上でエクスプローラ風の操作感を実現した無料オンラインストレージ。お試し用のアカウントが用意されているので、ユーザー登録前に実際の使用感を試すのもいいだろう。保存容量は50MB。
■ Dropbox
https://www.getdropbox.com/
PC上のデータをオンラインに保存、もしくは自動的に同期してくれるサービス。無料版では2GBまで保存可能という。海外サービスのため、英語に慣れていないと使いづらいのが難点だ。
●有料サービスでもっと多機能に
より大容量、より多機能なオンラインストレージを使いたい場合は有料サービスの利用を検討してみよう。本項目では、基本的に無料版のない、完全有料のサービスを中心に紹介していく。なお、一部のサービスは期間限定の無料お試しが可能な場合もあるので、検討の材料にするといいだろう。
■ MobileMe
http://www.apple.com/jp/mobileme/
アップルが手がけるオンラインサービス。ファイルのストレージだけでなく、メール送受信やオンラインカレンダーなど複数の機能が用意されている。これまでの「.Mac」からバージョンアップされたことで、Windowsユーザーでも利用可能になった。料金は年額9800円、保存容量はサービス全体で20GB。月間200GBまでのデータ転送制限がある。また、クレジットカード番号の入力が必要なものの、60日間の無料お試しも可能だ。
■ インターネットディスク
http://internetdisk.jp/
日本語入力IME「ATOK」でおなじみのジャストシステムが運営。料金プランは6種類あり、最も安価な保存容量100MBの「IDisk 100コース」は月額315円。同社製品購入者向けの優待制度も用意する。なお、プランの継続利用期間に応じて保存容量が拡張される「ポイントディスク」サービスもある。
■ cocoaギガストレージ
http://cocoa.ntt.com/
NTTコミュニケーションズ運営。月額315円の料金で2GBまでファイル保存可能。写真のスライドショー機能やスケジューラー、ダイアリーなど、パーソナルユース向けの機能が多数用意されている点も特徴だ。
■ iTrustee
http://www.itrustee.ne.jp/
NTTビズリンクによるオンラインストレージ。「iTrusteeスタンダード」の保存容量100MBコースは3カ月750円。通常2GBまでの共有転送量を超える場合の追加料金は2GBごとに1500円。なお、3MBまでの容量を最長2カ月間利用できる無料お試しコースもある。
■ MacServer
http://www.macserver.jp/
こちらはMacユーザー専用の有料オンラインストレージ。Mac OS標準のFinderからアクセスできるので、通常のフォルダへドラッグ&ドロップする感覚でファイルを扱えるという。容量4GBのプランは初期費用1980円、利用料金が30日間1980円。なお、手続きから10日間は無料お試し期間となっており、契約しない場合は自動的にアカウントが消去される。
■ デジタルトランクサービス
http://www.digitaltrunk.net/
共有機能の有無などによって差別化された複数のオンラインストレージサービスを運営中。グループ向けの「ワークトランク」は、保存容量30MBコースが月額315円から(カード支払い時)。なお、個人向け無料プランの提供は10月1日付で終了している。
■ ドライビー
http://www.drivee.jp/
WebDAVおよびFTPに対応。OS上からドラッグ&ドロップでファイルをアップロード/ダウンロードできる。容量3GBの「ライトプラン」は初期費用2100円、3カ月契約の料金が1890円。なお、申し込みから15日間はお試し期間となっており、料金は発生しないという。
■ PCバックアップサービス(BIGLOBE)
http://backup.biglobe.ne.jp/
一般的なオンラインストレージとは異なる、バックアップ特化型サービス。大手プロバイダー「BIGLOBE」が提供している。専用ツールをインストールすることで、スケジュールに沿って自動的にファイル保存を行う。容量5GBコースは月額263円。BIGLOBEのインターネット接続サービスを利用していなくても契約できる。
■ Backup Plus
http://www.backupplus.ne.jp/
データの自動バックアップに適したオンラインストレージ。容量100MBコースが3カ月1400円のほか、複数のプランを用意している。容量3MBの無料お試し版は3カ月間限定のサービスという扱い。
●回線・プロバイダー限定のオンラインストレージ
オンラインストレージの中には、特定のインターネット回線利用者、あるいはプロバイダー会員などのように前提条件があるサービスもある。料金をまとめ払いにしたい場合などに便利だろう。
■ フレッツ・ドットネット
http://flets.com/dotnet/
NTT東日本のBフレッツ、フレッツ・ADSL利用者向けのオプションサービス。月額315円。メッセンジャー機能と並んで、基本容量100MBのオンラインストレージ「FdNディスク」が用意されている。
■ オンラインストレージ&フォトアルバム(PhotoHighway)
http://www.phbb.ne.jp/BB/
USENのFTTHサービス「GyaO 光」利用者向けの限定サービスで、基本容量500MB。利用登録はGyaO 光の会員専用ツール画面から行う必要がある。
■ iTrustee for Plala
http://www.plala.or.jp/access/community/etc/itrustee/
プロバイダー「ぷらら」利用者向けの有料オプション。保存容量1GBのオンラインストレージが月額525円の追加料金で契約できる。転送容量は月あたり2GBまで。なお「フリーチケットサービス」の対象外になっている。
■ WAKWAKボックス
http://www.wakwak.com/option/wbox/
NTT-ME運営のプロバイダー「WAKWAK」が会員向けに提供中のオンラインストレージ。「WAKWAKボックス」の容量100MBコースは月額252円。別ユーザーとの共有用IDが付加された「WAKWAKボックス-Pro」コースもある。
●大容量ファイルの送信なら
デジカメ写真や映像といった大容量ファイルを友人・知人に渡したいときは、ファイル送信サービスを利用するといいだろう。一時的にインターネット上でファイルを預かり、相手ユーザーに任意のタイミングでダウンロードしてもらうサービスだ。オンラインストレージと異なり、ファイルを長期保存できないケースがほとんど。上手に使い分けよう。
■ データ便
https://www.datadeliver.net/
1回に300MBまで送受信可能なファイル送信サービス。無料で利用できる。一時預かりの期間は3日。ファイル受信の際にパスワードが必要な「セキュリティ便」もあわせて提供中だ。
■ FileTruck
http://filetruck.jp/
PeerMe Japanが運営するファイル送信サービス。1回あたり最大1GBのファイルを送信できる。最大10人までの複数転送機能もサポートしている。ダウンロード期限は72時間(3日間)。
■ FileQ
http://fileq.lisonal.com/
PeerMe Japanが運営するファイル送信サービス。1回あたり最大1GBのファイルを送信できる。最大10人までの複数転送機能もサポートしている。ダウンロード期限は72時間(3日間)。
■ 宅ふぁいる便
http://www.filesend.to/
質問コミュニティや価格比較サービスと並んで、大容量ファイルの送信サービスを提供中。最大50MBまでのファイルを一時的に預かってくれる。なお、無料のプレミアム会員登録を行うと、ファイル容量が最大100MBに拡張される。
■ でじ便ポスト
http://www.dejibin.com/post/
トッパン・フォームズ運営。一時的に預かったファイルをサーバー上では暗号化するなど、高度なセキュリティ対策を実施した有料サービス。パーソナルプランは月額315円で、1送信あたりの単価が容量5MB以内・保存期間20日の場合、105円。
■ アゲルねjp
http://www.ageru.ne.jp/
有料のファイル送信サービス。多彩な料金プランを用意しており、使った分だけ料金を支払う「スポット」コースは初期費用1050円、月額基本料金無料。ファイル送受信ごとに料金がかかり、250MBまでの場合は262円。
【お詫びと訂正 2009/11/13 19:15】
記事初出時、「でじ便ポスト」の説明文が異なっておりました。お詫びして訂正いたします。
(2008/10/17)
[森田秀一]
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